発酵のメカニズムとは?微生物の働きとそのプロセスを解説
発酵は、微生物が有機物を分解しエネルギーを得る過程です。
このプロセスでは、酵母や細菌が糖類をアルコールや酸に変換します。
発酵により食品の風味や保存性が向上し、ビールやヨーグルトなど多様な製品が生まれます。
微生物の働きが重要な役割を果たしているのです。
食材を美味しくするだけではなく、新しい栄養素を生み出すこともある発酵。食品が発酵するときには、一体どのようなことが起きているのでしょうか。今回は発酵の仕組みやメカニズムについてご紹介します。

- 目次
- 1. 発酵の概要
- 1-1. 発酵とは
- 1-2. 微生物の役割とその重要性
- 2. 発酵食品の仕組み
- 2-1. 微生物の酵素の働き
- 2-2. でんぷんとタンパク質の分解メカニズム
- 3. アルコール発酵のメカニズム
- 3-1. 原料への酵母の添加
- 3-2. デンプンを糖に変える過程
- 3-3. アルコールと二酸化炭素の生成
- 3-4. 密閉環境での発酵(ビールの例)
- 4. 味噌製造のプロセス
- 4-1. 大豆、麹菌、塩の混合
- 4-2. アミラーゼやプロテアーゼの生成
- 4-3. 独特の風味と栄養の生成
- 5. 発酵の種類
- 5-1. 様々な発酵プロセスの紹介
- 5-2. 発酵食品の多様性(チーズ、ヨーグルトなど)
- 6. 発酵の文化
- 6-1. 食文化における発酵の役割
- 6-2. 世界各国の発酵食品の事例
- 7. 自宅でできる発酵食品
- 7-1. 簡単な発酵食品のレシピ
- 7-2. 発酵食品を家庭で作る際のポイント
- 8. まとめ
01発酵の概要
1-1発酵とは
発酵とは、微生物が有機物を分解し、エネルギーを得る過程のことです。 主に酵母や細菌が関与し、糖類をアルコールや酸に変換します。 このプロセスは、食品の保存や風味の向上に寄与するため、古くから人類に利用されてきました。 発酵にはいくつかの種類があります。 例えば、アルコール発酵では、酵母が糖を分解してエタノールと二酸化炭素を生成します。これによりビールやワインが作られたのです。 一方、乳酸発酵では、乳酸菌が糖を乳酸に変換し、ヨーグルトや漬物が生まれます。 発酵は、微生物が代謝活動を行うことで進行し、環境条件や原料の種類によって様々な製品が得られるでしょう。 さらに、発酵食品は栄養価が高く、消化を助ける効果もあるため、健康にも良いとされています。
1-1微生物の役割とその重要性
発酵における微生物の役割は非常に重要です。 主に酵母や細菌が関与し、これらの微生物が有機物を分解してエネルギーを生成します。 例えば、酵母は糖をアルコールと二酸化炭素に変えることで、ビールやワインを作り出したのです。 微生物の働きは、食品の風味やテクスチャーを向上させるだけでなく、保存性を高める役割も果たします。 発酵食品は、天然の保存方法として古くから重宝されてきました。 また、発酵によって生成される栄養素やプロバイオティクスは、腸内環境を整え、免疫力を向上させる効果もあるでしょう。 さらに、発酵は持続可能な食品生産方法とされ、廃棄物の再利用や新しい食品の創造にも寄与しています。 微生物の存在は、私たちの食生活や健康にとって欠かせない要素となっています。
01発酵食品の仕組み
1-1微生物の酵素の働き
発酵食品の仕組みには、微生物が持つ酵素の働きが欠かせません。 酵素は、特定の化学反応を促進するタンパク質で、発酵過程で重要な役割を果たしているのです。 例えば、酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に変える際、酵母内の「酵素」が糖を分解することで、ビールやワインが生成されます。 同様に、乳酸菌は乳糖を分解し、乳酸を生成します。 この乳酸がヨーグルトの酸味を生み出し、保存性を高めるでしょう。 微生物の酵素は、さまざまな原料に対して特異的に働き、発酵の種類によって異なる化合物を生成します。 これにより、発酵食品は独自の風味やテクスチャーを持つことができます。 また、発酵によって生成される栄養素やプロバイオティクスも、酵素の働きによって促進されることがあるのです。 発酵食品は、酵素の力によって味わいや健康効果が向上し、私たちの食生活に多様性をもたらしています。
1-1でんぷんとタンパク質の分解メカニズム
発酵食品の仕組みでは、でんぷんやタンパク質が微生物の働きによって分解されます。 まず、でんぷんは複雑な糖の集合体で、酵素の働きによって単糖に分解されます。 主に酵母や細菌がこのプロセスに関与し、特に「アミラーゼ」と呼ばれる酵素がでんぷんをマルトースやグルコースに変えるのです。 この過程は、ビールや酒の製造で重要です。 次に、タンパク質は「プロテアーゼ」という酵素によって分解され、アミノ酸に変わります。 この過程は、納豆や醤油の製造において重要で、微生物がタンパク質を分解することで、独特の風味や香りが生まれるでしょう。 これらの分解メカニズムにより、発酵食品は栄養価が向上し、消化が容易になります。 また、分解された成分は、発酵の過程で新たな化合物を生成し、風味やテクスチャーに寄与します。 このように、でんぷんとタンパク質の分解は、発酵食品の特性を形成する重要なプロセスです。
01アルコール発酵のメカニズム
1-1原料への酵母の添加
アルコール発酵は、酵母が原料の糖を分解してアルコールと二酸化炭素を生成するプロセスです。 このメカニズムは、特にビールやワインの製造で重要です。 まず、発酵の原料として糖分を含む液体が用意されます。 次に、発酵を促進するために酵母が添加されます。 一般的には「サッカロマイセス・セレビシエ」という酵母が使用され、これが糖をアルコールに変換するのです。 酵母が添加されると、まず糖類が酵母の細胞内に取り込まれ、酵素の働きによってグルコースやフルクトースに分解されます。 この後、酵母はこれらの単糖をエネルギー源として利用し、最終的にエタノールと二酸化炭素を生成します。 この過程で生成されたアルコールは、飲料の風味やアルコール度数に寄与し、二酸化炭素は泡を生み出すでしょう。 アルコール発酵は、酵母の働きによって食品の特性を大きく変化させる重要なプロセスです。
1-1デンプンを糖に変える過程
アルコール発酵のメカニズムでは、まずデンプンを糖に変える過程が重要です。 デンプンは、長い鎖状の多糖であり、酵母が直接利用できる形ではありません。 そのため、デンプンを分解する必要があります。 この過程は、主に「アミラーゼ」という酵素によって行われるのです。 アミラーゼは、デンプンの結合を切断し、マルトースやグルコースといった単糖に変換します。 デンプンを含む原料を加熱し、アミラーゼを添加することで、この反応が進みます。 加熱することでデンプンの構造がほぐれ、酵素がアクセスしやすくなるでしょう。 酵素がデンプンを分解すると、徐々に糖が生成され、これが酵母のエネルギー源となります。 生成された糖は、アルコール発酵の次のステップで酵母によってエタノールと二酸化炭素に変えられます。 デンプンを糖に変えるこの段階は、アルコール発酵の成功に欠かせない重要なプロセスです。
1-1アルコールと二酸化炭素の生成
アルコール発酵のメカニズムでは、酵母が糖を分解してエタノールと二酸化炭素を生成する過程が重要です。 まず、酵母が取り込んだグルコースやマルトースなどの糖が、細胞内の酵素によって代謝されます。 このプロセスは、主に「解糖系」と呼ばれる一連の反応を通じて進行します。 解糖系では、糖が段階的に分解され、最終的にピルビン酸が生成されるのです。 このピルビン酸は、酸素がない環境では酵母によってアルコールと二酸化炭素に変換されます。 具体的には、ピルビン酸が脱炭酸化されてアセトアルデヒドになり、次にこのアセトアルデヒドがエタノールに還元されます。 この過程で、二酸化炭素が副産物として放出されるでしょう。 生成されたエタノールは、飲料のアルコール分として残り、二酸化炭素は泡を作り出したり、発酵の香りに寄与します。 アルコールと二酸化炭素の生成は、発酵の中心的な部分であり、最終的な製品の特性に大きく影響します。
1-1密閉環境での発酵(ビールの例)
アルコール発酵は、密閉環境で行うことにより、発酵の効率と品質が向上します。 ビールの製造過程では、この密閉環境が特に重要です。 ビール製造では、まず麦芽を水と混ぜて麦汁を作り、その後、ホップを加えて煮沸します。この過程で、香りや苦味が引き出されるのです。 煮沸後、麦汁は冷却され、酵母が添加されます。 この時、密閉された発酵タンクに移されることで、外部の酸素や雑菌の混入を防ぎ、密閉環境では、酵母が嫌気的条件で糖を分解し、アルコールと二酸化炭素を生成します。 発酵が進むと、二酸化炭素はタンク内に留まり、ビールに泡立ちやクリーミーな口当たりをもたらすでしょう。 また、密閉環境は発酵温度を一定に保つことができ、酵母の活動を最適化します。 このように、ビールの発酵過程における密閉環境は、風味や品質を向上させる重要な要素であり、最終製品の特性に大きく寄与します。
01味噌製造のプロセス
1-1大豆、麹菌、塩の混合
味噌製造のプロセスでは、大豆、麹菌、塩の混合が重要なステップです。 まず、大豆を水で浸漬し、十分に膨らませた後、柔らかくなるまで煮たら、大豆が、味噌のベースになります。 次に、麹菌を使用します。 麹菌は、蒸した米や麦に繁殖させて作る「麹」と呼ばれる物質で、デンプンを糖に分解する酵素を持っているのです。 この麹を煮た大豆に加えることで、デンプンが糖に変わり、発酵が進みます。 最後に、塩を加えます。 塩は、味噌の保存性を高めるだけでなく、発酵を調整する役割も果たすでしょう。 適切な塩分濃度を保つことで、悪影響を及ぼす微生物の繁殖を防ぎ、風味豊かな味噌が作られるのです。 これらの材料をよく混ぜ合わせ、発酵容器に詰めます。 この混合物は数ヶ月から数年にわたり発酵し、風味や香りが熟成されていきます。 このように、大豆、麹菌、塩の混合は、味噌の基本的な風味と特性を形成する重要なプロセスです。
1-1アミラーゼやプロテアーゼの生成
味噌製造のプロセスでは、麹菌が重要な役割を果たし、アミラーゼやプロテアーゼが生成されます。 まず、蒸した米や麦に麹菌を加え、一定の温度と湿度で育てると、麹菌が繁殖し、各種酵素を生成します。 アミラーゼは、デンプンを分解して糖に変える酵素で、味噌の甘みを引き出すのに役立つでしょう。 この過程では、デンプンがマルトースやグルコースに変換され、発酵の準備が整います。 一方、プロテアーゼは、タンパク質を分解してアミノ酸に変える酵素です。 これにより、味噌の旨み成分が増加し、深い風味が生まれ、プロテアーゼの働きによって、味噌の特有のコクが形成され、料理に使った際の風味が豊かになります。 このように、アミラーゼやプロテアーゼの生成は、味噌の風味や食感に直接影響を与える重要なプロセスです。 これらの酵素が働くことで、味噌は独自の風味を持つ発酵食品として完成します。
1-1独特の風味と栄養の生成
味噌製造のプロセスでは、発酵を通じて独特の風味と栄養が生成されます。 まず、麹菌が大豆や米に加わり、アミラーゼやプロテアーゼなどの酵素を生成します。 これにより、デンプンは糖に、タンパク質はアミノ酸に分解され、味噌特有の甘みや旨みが生まれるのです。 発酵が進むと、様々な有機酸や香り成分が生成され、複雑で深い風味が形成されます。 これにより、味噌は料理に豊かなコクを与え、風味を引き立てる役割を果たします。 また、発酵によって生成される乳酸菌や酵母は、腸内環境を整える働きがあり、健康にも役立つでしょう。 さらに、味噌にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、栄養価が高い食品として知られています。 このように、味噌製造の過程で得られる独特の風味と栄養は、発酵の力によって生まれ、私たちの食生活に深い影響を与えています。
01発酵の種類
1-1様々な発酵プロセスの紹介
発酵にはさまざまな種類があり、それぞれ異なるプロセスと結果を持っています。 1.アルコール発酵:酵母が糖を分解してエタノールと二酸化炭素を生成します。 ビールやワインの製造に使われ、泡立ちや香りが特徴です。 2.乳酸発酵:乳酸菌が糖を乳酸に変換します。 ヨーグルトやキムチなどに利用され、酸味と保存性を向上させます。 3.酢酸発酵:アルコールを酸化して酢酸を生成します。 酢の製造に使われ、さっぱりとした風味を加えます。 4.酵母発酵:特にパンの製造に利用され、酵母が生地を膨らませます。 二酸化炭素が生地内に留まり、軽やかな食感を生み出します。 5.硫酸発酵、特定の細菌が有機物を分解し、硫化水素を生成します。 これらの発酵プロセスは、食品の風味や栄養価を向上させるだけでなく、保存性を高める役割も果たすでしょう。 発酵は私たちの食文化に深く根ざしており、多様な食品が生まれています。
1-1発酵食品の多様性(チーズ、ヨーグルトなど)
発酵食品は、微生物の働きによって多様な風味と栄養価を持つ食品として広がっています。代表的な発酵食品には、チーズとヨーグルトがあります。 チーズは、乳酸菌や酵素によって乳が凝固し、水分が抜けて固形物が形成されるプロセスです。 種類によって使用する乳や発酵の方法が異なり、カマンベールやパルミジャーノ・レジャーノなど、さまざまな風味やテクスチャーを持つチーズが生まれるのです。 ヨーグルトは、乳酸菌が乳糖を乳酸に変えることで作られます。 この過程で乳が酸味を帯び、クリーミーな食感が生まれます。 ヨーグルトは健康に良いプロバイオティクスを含み、腸内環境を整える助けになるでしょう。 発酵食品は、味わいや栄養価を高めるだけでなく、保存性を向上させる役割も担っています。 このように、発酵食品の多様性は、私たちの食生活を豊かにしています。
01発酵の文化
1-1食文化における発酵の役割
発酵は、世界中の食文化において重要な役割を果たしています。 発酵食品は、保存性を高めるだけでなく、風味や栄養価を向上させることで、食生活を豊かにしています。 多くの地域で、発酵は古くからの保存技術として利用されてきました。 例えば、漬物や塩蔵食品は、長期保存が可能で、栄養素を保ちながら味わいを深めます。 また、発酵によって生成されるプロバイオティクスは、腸内環境を整える効果があり、健康にも役立つでしょう。 さらに、発酵は地域の食文化や伝統に根ざした特有の風味を生み出します。 日本の味噌や醤油、韓国のキムチ、フランスのチーズなど、各国で独自の発酵食品が発展してきました。 これらは、その土地の気候や食材、技術に基づいており、文化的なアイデンティティを形成しています。 料理を通じて、発酵の技術や知識が世代を超えて受け継がれ、食文化が豊かに育まれています。
1-1世界各国の発酵食品の事例
発酵食品は世界中の食文化において重要な存在で、各国で独自の発酵食品が発展しています。 日本では、味噌や醤油が代表的な発酵食品です。 これらは大豆を主成分とし、麹菌や塩の力で発酵させて作られ、料理に深い旨みを与えます。 韓国では、キムチが有名です。 白菜や大根を塩漬けし、唐辛子やニンニク、魚醤などで味付けした後、発酵させることで、酸味や旨みが加わり、健康効果も期待できます。 フランスでは、チーズが多様な発酵食品として知られています。 カマンベールやブルーチーズなど、地域ごとに異なる乳や製法を用いて、豊かな風味が生まれたのです。 メキシコでは、テキーラやメスカルが、アガベという植物を発酵させて作られます。 これらの飲み物は、特有の香りと味わいを楽しむことができるでしょう。 このように、世界各国にはそれぞれの気候や食材に根ざした発酵食品が存在し、文化や伝統を反映しています。
01自宅でできる発酵食品
1-1簡単な発酵食品のレシピ
自宅で簡単に作れる発酵食品の一例として、ヨーグルトを紹介します。 必要な材料は、牛乳とヨーグルトです。 ヨーグルトの作り方 1.鍋に牛乳を入れ、沸騰させないように注意し、約80℃まで温めます。 2.牛乳が80℃になったら火を止め、室温まで冷まします。 3. 室温になった牛乳に、市販のプレーンヨーグルトを大さじ2程度加え、よく混ぜます。 4.混ぜた牛乳を清潔な容器に移し、蓋をして温かい場所(30℃前後)に6〜12時間置きます。 5.発酵が進むと、クリーミーなヨーグルトが完成です。 発酵が完了したら、冷蔵庫で保存しましょう。 お好みでフルーツやはちみつを加えて楽しんでください。 このシンプルなレシピで、自宅でおいしいヨーグルトを作ることができます。
1-1発酵食品を家庭で作る際のポイント
自宅で発酵食品を作る際のポイントは、以下の3つです。 1.清潔な環境:発酵には微生物が関与しますので、使用する器具や容器は必ず清潔にしましょう。 熱湯や食器用洗剤で消毒し、雑菌の混入を防ぎます。 2.適切な温度管理:発酵には適した温度が必要です。 例えば、ヨーグルトは約40℃、味噌や漬物は室温が適しています。 温度が高すぎると微生物が死んでしまい、低すぎると発酵が進みません。 3.時間をかける:発酵は自然のプロセスですので、焦らず待つことが大切です。 発酵時間は製品によって異なりますが、数時間から数週間かかることがあります。 目安を守りながら、風味や状態を確認しましょう。 これらのポイントを押さえることで、家庭での発酵食品作りが成功しやすくなります。 楽しみながら、健康的な発酵食品を作りましょう。
01発酵とは?
毎日の食卓に発酵食品を取り入れている人も少なくないはず。しかしそもそも「発酵」とはどのような意味なのでしょうか。
1-1微生物の力によってアルコールや炭酸ガスを作りだす
「発酵」とは、簡単に言えば「微生物の力によって食品が変化すること」ということになります。
たとえば味噌や醤油などを作るときには麹菌という微生物が欠かせません。この麹菌の働きによって作られるのがアルコールや炭酸ガス。
これらの成分の働きによって食材には様々な栄養素が生まれたり、長期保存が可能になったりと様々な変化が生まれます。
この発酵は様々な細菌やカビなどによっても起きることがあります。
1-2人間にとって有効な微生物が働くこと
細菌やカビが食材に付着するというと、一般的には食べ物が痛んだり、カビが生えて食べられなくなったりするというイメージです。
しかし実は、食材の発酵と腐敗は、「微生物の働きによって食材が変化する」という点では変わりません。
では発酵と腐敗とはどのように異なるのでしょうか。
簡単に言えば、発酵と腐敗の違いとは人間にとって有益かどうか。もし微生物の働きによって、食材に人間の健康に役立つ栄養素が生まれたり、腐りにくくなったりという場合、それは「発酵」と呼ばれます。
一方、微生物の働きで変化した食材を人間が食べた場合、体調が悪化したり、食中毒が起きたりといった症状が現れるときには、それは「腐敗」と呼ばれることになります。
1-3発酵食品の仕組み
食材を様々な形に作り替える発酵。食材が発酵するとき、そこではどんな現象が起きているのでしょうか。
1-4微生物が持つ酵素が作用
発酵には微生物が関わっているというのはすでに説明した通りですが、さらに詳しく見た場合、食品を発酵をさせるときには、微生物が持っている酵素が大きな役割を果たしています。
酵素とは、簡単に言えば生き物の活動をサポートするために働く化学物質のこと。
酵素には消化を助ける消化酵素、食べ物からエネルギーを作り、それを活動に役立てる代謝酵素、さらに代謝酵素の働きを助ける食物酵素などがありますが、発酵食品に豊富に含まれているのは食物酵素です。
味噌や醤油、納豆、ヨーグルト、チーズといった発酵食品には豊富な食物酵素が含まれていますが、この食物酵素は身体の中に入ると免疫機能を高めたり、腸内環境を整えたりといった形で働き、人間の健康に役立ってくれます。
1-5でんぷん質やタンパク質を分解
一方、食材を発酵させるときには微生物が持っている消化酵素が働きます。
微生物は栄養として、でんぷんやたんぱく質、糖分などを分解、それをエサにして自分の働きを強めていきます。
このときに発生するのが、アルコールや炭酸ガス。このアルコールや炭酸ガスの働きによって食材は変化、新しい物質が生まれることで、通常の食品から発酵食品へと生まれ変わります。
02お酒が出来るメカニズム
発酵によって生まれる飲料といえばお酒。お酒ができるときにはどのようなメカニズムが働いているのでしょうか。
2-1原料に酵母を加える
お酒造りに欠かせないのが「酵母」です。酵母とは、私たちの生活環境に生息している細菌類の総称。英語ではイーストと呼ばれ、パン作りにも用いられるものです。
お酒造りに用いられるのが「培養酵母」と呼ばれるもので、ほぼすべてのお酒にはこの酵母が加えられています。
特にお酒造りには、酒蔵に住み着いている酵母が作用、原材料をお酒に変化させる働きを行っています。
2-2デンプンを糖分に分解
この酵母のエサとなっているのが糖分。糖分がなければ酵母は働くことができません。たとえば、ワインなどの場合、原料となるブドウに含まれている糖分を酵母が分解します。
しかし、日本酒やウイスキー、ビールなどの原料となる米や麦といった穀類には糖分は含まれていません。米や麦の主成分となるのはでんぷん。でんぷんだけでは酵母は働くことができず、お酒も造れないということになります。
このときに必要なのが「糖化」と呼ばれているものです。糖化とは、でんぷんを原料として糖分を作りだすことで、糖化によってでんぷんが糖分に変化することで、初めて酵母が働くことができます。
この糖化のときに重要な働きをするのが酵素。でんぷんにはある条件を満たすことで含まれている酵素が働くという特徴があります。
たとえばビールの原料となるのは「麦」ですが、麦の状態のままではうまく酵素が働くことができません。そのため、麦を少しだけ発芽させて「麦芽」の状態にすることで、酵素が働きやすくなり、アルコール発酵をスムーズに行うことができます。
また、日本酒の場合には麹の力によってでんぷんが分解、ブドウ糖になることで酵母が働くようになります。
2-3分解するときにアルコールと二酸化炭素が発生
酵母は原料となる糖分を別の状態に作り変えます。このとき生まれるのがアルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)。この酵母によってアルコールが生まれる現象が「アルコール発酵」と呼ばれるもの。
また、炭酸ガスはビールなどの炭酸の泡のもとになります。
ここで気になるのが、すべてのアルコールに炭酸の泡が含まれているわけではないということ。では、炭酸ガスが含まれているものと含まれていないものではどのような違いがあるのでしょうか。
実はこの違いは、発酵の状態の違いと大きな関係があります。
ビールや発泡性のワインなど、炭酸を入れたい場合には密閉状態での発酵が行われます。そうすることで、発生した炭酸を逃がさず、そのまま飲み物に閉じ込めることができるのです。
逆に炭酸の泡が必要でない場合には、密閉しない状態で発酵を行います。そうすることで炭酸ガスが徐々に抜けて、発泡しない状態のアルコールを作ることができます。
03味噌が出来るメカニズム
日本を代表する発酵食品である味噌。味噌づくりにも発酵のメカニズムが用いられています。
3-1大豆、麹菌、塩に乳酸菌と酵母菌を投入
味噌づくりのスタートとなるのが麹菌です。この麹を原料となる大豆に加えて塩と共に混ぜ合わせます。そのとき、同時に加えるのが乳酸菌と酵母菌。つまり、味噌は麹菌と乳酸菌、酵母菌の三つの菌によって作られる発酵食品ということになります。
3-2アミラーゼやプロテアーゼといった酵素が出来る
麹菌によって生まれるのが、アミラーゼやプロテアーゼと呼ばれる酵素です。
これらの酵素の働きによって、でんぷんやたんぱく質の分解が進み、ぶどう糖、アミノ酸、脂肪酸が生まれます。
このぶどう糖は味噌の甘さの元になり、アミノ酸と脂肪酸はうま味や香りのもととなります。
一方、乳酸菌は発酵することで大豆独特のにおいを消し、酵母菌はアルコールを生成、味噌を長期保存できるようにするほか、香りのもとともなります。
3-3独特な風味やビタミン類が生成される
このように、様々な菌類の働きによって生み出されるのが味噌の特徴。そのため、味噌は独特の風味を持った調味料になります。
また、これらの菌によってビタミン類が生成、味噌の栄養価を高める上でも一役買っています。
01まとめ
発酵のメカニズムは、微生物が有機物を分解し、新たな物質を生成する過程で非常に興味深いです。
特に、酵母や細菌が糖をアルコールや酸に変える様子は、食品の風味や保存性を高める重要な要素です。
この自然のプロセスを利用することで、多様な発酵食品が生まれ、私たちの食文化を豊かにしています。
微生物の働きがもたらす変化を理解することで、発酵食品の魅力を感じられるでしょう。
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1-1微生物の力によってアルコールや炭酸ガスを作りだす
「発酵」とは、簡単に言えば「微生物の力によって食品が変化すること」ということになります。
たとえば味噌や醤油などを作るときには麹菌という微生物が欠かせません。この麹菌の働きによって作られるのがアルコールや炭酸ガス。
これらの成分の働きによって食材には様々な栄養素が生まれたり、長期保存が可能になったりと様々な変化が生まれます。
この発酵は様々な細菌やカビなどによっても起きることがあります。
1-2人間にとって有効な微生物が働くこと
細菌やカビが食材に付着するというと、一般的には食べ物が痛んだり、カビが生えて食べられなくなったりするというイメージです。
しかし実は、食材の発酵と腐敗は、「微生物の働きによって食材が変化する」という点では変わりません。
では発酵と腐敗とはどのように異なるのでしょうか。
簡単に言えば、発酵と腐敗の違いとは人間にとって有益かどうか。もし微生物の働きによって、食材に人間の健康に役立つ栄養素が生まれたり、腐りにくくなったりという場合、それは「発酵」と呼ばれます。
一方、微生物の働きで変化した食材を人間が食べた場合、体調が悪化したり、食中毒が起きたりといった症状が現れるときには、それは「腐敗」と呼ばれることになります。
1-3発酵食品の仕組み
食材を様々な形に作り替える発酵。食材が発酵するとき、そこではどんな現象が起きているのでしょうか。
1-4微生物が持つ酵素が作用
発酵には微生物が関わっているというのはすでに説明した通りですが、さらに詳しく見た場合、食品を発酵をさせるときには、微生物が持っている酵素が大きな役割を果たしています。
酵素とは、簡単に言えば生き物の活動をサポートするために働く化学物質のこと。
酵素には消化を助ける消化酵素、食べ物からエネルギーを作り、それを活動に役立てる代謝酵素、さらに代謝酵素の働きを助ける食物酵素などがありますが、発酵食品に豊富に含まれているのは食物酵素です。
味噌や醤油、納豆、ヨーグルト、チーズといった発酵食品には豊富な食物酵素が含まれていますが、この食物酵素は身体の中に入ると免疫機能を高めたり、腸内環境を整えたりといった形で働き、人間の健康に役立ってくれます。
1-5でんぷん質やタンパク質を分解
一方、食材を発酵させるときには微生物が持っている消化酵素が働きます。
微生物は栄養として、でんぷんやたんぱく質、糖分などを分解、それをエサにして自分の働きを強めていきます。
このときに発生するのが、アルコールや炭酸ガス。このアルコールや炭酸ガスの働きによって食材は変化、新しい物質が生まれることで、通常の食品から発酵食品へと生まれ変わります。
02お酒が出来るメカニズム
発酵によって生まれる飲料といえばお酒。お酒ができるときにはどのようなメカニズムが働いているのでしょうか。
2-1原料に酵母を加える
お酒造りに欠かせないのが「酵母」です。酵母とは、私たちの生活環境に生息している細菌類の総称。英語ではイーストと呼ばれ、パン作りにも用いられるものです。
お酒造りに用いられるのが「培養酵母」と呼ばれるもので、ほぼすべてのお酒にはこの酵母が加えられています。
特にお酒造りには、酒蔵に住み着いている酵母が作用、原材料をお酒に変化させる働きを行っています。
2-2デンプンを糖分に分解
この酵母のエサとなっているのが糖分。糖分がなければ酵母は働くことができません。たとえば、ワインなどの場合、原料となるブドウに含まれている糖分を酵母が分解します。
しかし、日本酒やウイスキー、ビールなどの原料となる米や麦といった穀類には糖分は含まれていません。米や麦の主成分となるのはでんぷん。でんぷんだけでは酵母は働くことができず、お酒も造れないということになります。
このときに必要なのが「糖化」と呼ばれているものです。糖化とは、でんぷんを原料として糖分を作りだすことで、糖化によってでんぷんが糖分に変化することで、初めて酵母が働くことができます。
この糖化のときに重要な働きをするのが酵素。でんぷんにはある条件を満たすことで含まれている酵素が働くという特徴があります。
たとえばビールの原料となるのは「麦」ですが、麦の状態のままではうまく酵素が働くことができません。そのため、麦を少しだけ発芽させて「麦芽」の状態にすることで、酵素が働きやすくなり、アルコール発酵をスムーズに行うことができます。
また、日本酒の場合には麹の力によってでんぷんが分解、ブドウ糖になることで酵母が働くようになります。
2-3分解するときにアルコールと二酸化炭素が発生
酵母は原料となる糖分を別の状態に作り変えます。このとき生まれるのがアルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)。この酵母によってアルコールが生まれる現象が「アルコール発酵」と呼ばれるもの。
また、炭酸ガスはビールなどの炭酸の泡のもとになります。
ここで気になるのが、すべてのアルコールに炭酸の泡が含まれているわけではないということ。では、炭酸ガスが含まれているものと含まれていないものではどのような違いがあるのでしょうか。
実はこの違いは、発酵の状態の違いと大きな関係があります。
ビールや発泡性のワインなど、炭酸を入れたい場合には密閉状態での発酵が行われます。そうすることで、発生した炭酸を逃がさず、そのまま飲み物に閉じ込めることができるのです。
逆に炭酸の泡が必要でない場合には、密閉しない状態で発酵を行います。そうすることで炭酸ガスが徐々に抜けて、発泡しない状態のアルコールを作ることができます。
03味噌が出来るメカニズム
日本を代表する発酵食品である味噌。味噌づくりにも発酵のメカニズムが用いられています。
3-1大豆、麹菌、塩に乳酸菌と酵母菌を投入
味噌づくりのスタートとなるのが麹菌です。この麹を原料となる大豆に加えて塩と共に混ぜ合わせます。そのとき、同時に加えるのが乳酸菌と酵母菌。つまり、味噌は麹菌と乳酸菌、酵母菌の三つの菌によって作られる発酵食品ということになります。
3-2アミラーゼやプロテアーゼといった酵素が出来る
麹菌によって生まれるのが、アミラーゼやプロテアーゼと呼ばれる酵素です。
これらの酵素の働きによって、でんぷんやたんぱく質の分解が進み、ぶどう糖、アミノ酸、脂肪酸が生まれます。
このぶどう糖は味噌の甘さの元になり、アミノ酸と脂肪酸はうま味や香りのもととなります。
一方、乳酸菌は発酵することで大豆独特のにおいを消し、酵母菌はアルコールを生成、味噌を長期保存できるようにするほか、香りのもとともなります。
3-3独特な風味やビタミン類が生成される
このように、様々な菌類の働きによって生み出されるのが味噌の特徴。そのため、味噌は独特の風味を持った調味料になります。
また、これらの菌によってビタミン類が生成、味噌の栄養価を高める上でも一役買っています。
01まとめ
発酵のメカニズムは、微生物が有機物を分解し、新たな物質を生成する過程で非常に興味深いです。
特に、酵母や細菌が糖をアルコールや酸に変える様子は、食品の風味や保存性を高める重要な要素です。
この自然のプロセスを利用することで、多様な発酵食品が生まれ、私たちの食文化を豊かにしています。
微生物の働きがもたらす変化を理解することで、発酵食品の魅力を感じられるでしょう。
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2-1原料に酵母を加える
お酒造りに欠かせないのが「酵母」です。酵母とは、私たちの生活環境に生息している細菌類の総称。英語ではイーストと呼ばれ、パン作りにも用いられるものです。
お酒造りに用いられるのが「培養酵母」と呼ばれるもので、ほぼすべてのお酒にはこの酵母が加えられています。
特にお酒造りには、酒蔵に住み着いている酵母が作用、原材料をお酒に変化させる働きを行っています。
2-2デンプンを糖分に分解
この酵母のエサとなっているのが糖分。糖分がなければ酵母は働くことができません。たとえば、ワインなどの場合、原料となるブドウに含まれている糖分を酵母が分解します。
しかし、日本酒やウイスキー、ビールなどの原料となる米や麦といった穀類には糖分は含まれていません。米や麦の主成分となるのはでんぷん。でんぷんだけでは酵母は働くことができず、お酒も造れないということになります。
このときに必要なのが「糖化」と呼ばれているものです。糖化とは、でんぷんを原料として糖分を作りだすことで、糖化によってでんぷんが糖分に変化することで、初めて酵母が働くことができます。
この糖化のときに重要な働きをするのが酵素。でんぷんにはある条件を満たすことで含まれている酵素が働くという特徴があります。
たとえばビールの原料となるのは「麦」ですが、麦の状態のままではうまく酵素が働くことができません。そのため、麦を少しだけ発芽させて「麦芽」の状態にすることで、酵素が働きやすくなり、アルコール発酵をスムーズに行うことができます。
また、日本酒の場合には麹の力によってでんぷんが分解、ブドウ糖になることで酵母が働くようになります。
2-3分解するときにアルコールと二酸化炭素が発生
酵母は原料となる糖分を別の状態に作り変えます。このとき生まれるのがアルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)。この酵母によってアルコールが生まれる現象が「アルコール発酵」と呼ばれるもの。
また、炭酸ガスはビールなどの炭酸の泡のもとになります。
ここで気になるのが、すべてのアルコールに炭酸の泡が含まれているわけではないということ。では、炭酸ガスが含まれているものと含まれていないものではどのような違いがあるのでしょうか。
実はこの違いは、発酵の状態の違いと大きな関係があります。
ビールや発泡性のワインなど、炭酸を入れたい場合には密閉状態での発酵が行われます。そうすることで、発生した炭酸を逃がさず、そのまま飲み物に閉じ込めることができるのです。
逆に炭酸の泡が必要でない場合には、密閉しない状態で発酵を行います。そうすることで炭酸ガスが徐々に抜けて、発泡しない状態のアルコールを作ることができます。
03味噌が出来るメカニズム
日本を代表する発酵食品である味噌。味噌づくりにも発酵のメカニズムが用いられています。
3-1大豆、麹菌、塩に乳酸菌と酵母菌を投入
味噌づくりのスタートとなるのが麹菌です。この麹を原料となる大豆に加えて塩と共に混ぜ合わせます。そのとき、同時に加えるのが乳酸菌と酵母菌。つまり、味噌は麹菌と乳酸菌、酵母菌の三つの菌によって作られる発酵食品ということになります。
3-2アミラーゼやプロテアーゼといった酵素が出来る
麹菌によって生まれるのが、アミラーゼやプロテアーゼと呼ばれる酵素です。
これらの酵素の働きによって、でんぷんやたんぱく質の分解が進み、ぶどう糖、アミノ酸、脂肪酸が生まれます。
このぶどう糖は味噌の甘さの元になり、アミノ酸と脂肪酸はうま味や香りのもととなります。
一方、乳酸菌は発酵することで大豆独特のにおいを消し、酵母菌はアルコールを生成、味噌を長期保存できるようにするほか、香りのもとともなります。
3-3独特な風味やビタミン類が生成される
このように、様々な菌類の働きによって生み出されるのが味噌の特徴。そのため、味噌は独特の風味を持った調味料になります。
また、これらの菌によってビタミン類が生成、味噌の栄養価を高める上でも一役買っています。
01まとめ
発酵のメカニズムは、微生物が有機物を分解し、新たな物質を生成する過程で非常に興味深いです。
特に、酵母や細菌が糖をアルコールや酸に変える様子は、食品の風味や保存性を高める重要な要素です。
この自然のプロセスを利用することで、多様な発酵食品が生まれ、私たちの食文化を豊かにしています。
微生物の働きがもたらす変化を理解することで、発酵食品の魅力を感じられるでしょう。
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3-1大豆、麹菌、塩に乳酸菌と酵母菌を投入
味噌づくりのスタートとなるのが麹菌です。この麹を原料となる大豆に加えて塩と共に混ぜ合わせます。そのとき、同時に加えるのが乳酸菌と酵母菌。つまり、味噌は麹菌と乳酸菌、酵母菌の三つの菌によって作られる発酵食品ということになります。
3-2アミラーゼやプロテアーゼといった酵素が出来る
麹菌によって生まれるのが、アミラーゼやプロテアーゼと呼ばれる酵素です。
これらの酵素の働きによって、でんぷんやたんぱく質の分解が進み、ぶどう糖、アミノ酸、脂肪酸が生まれます。
このぶどう糖は味噌の甘さの元になり、アミノ酸と脂肪酸はうま味や香りのもととなります。
一方、乳酸菌は発酵することで大豆独特のにおいを消し、酵母菌はアルコールを生成、味噌を長期保存できるようにするほか、香りのもとともなります。
3-3独特な風味やビタミン類が生成される
このように、様々な菌類の働きによって生み出されるのが味噌の特徴。そのため、味噌は独特の風味を持った調味料になります。
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