日本での発酵食品の歴史!種類や効果・作り方を紹介
「日本の発酵食品の歴史について知りたい」
「どんな種類や効果があるんだろう」
発酵食品に興味がある方は上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。
日本の食文化において、発酵食品は重要な役割を果たしてきました。古代から続くこの技術は、食材の保存だけでなく、栄養価の向上や独特の風味を生み出すために利用され、納豆、味噌、醤油、漬物など、多彩な発酵食品が日本各地で生み出され、その種類は地域ごとに異なります。
日本には様々な発酵食品があり、毎日の食事を豊かにしてくれます。では日本の発酵食品にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は日本の発酵食品の種類や、歴史についてご紹介します。

- 目次
- 1. 日本での発酵食品の歴史
- 1-1. 奈良時代における最古の記録
- 1-2. 平安時代中期の発酵食品の発展
- 1-3. 17世紀の発酵食品の大きな進化
- 2. 日本で発酵食品が栄えた理由とは?
- 2-1. 日本が発酵大国である背景
- 2-2. 麹菌を使用した麹の重要性
- 2-3. 温暖湿潤な気候がもたらす発酵環境
- 3. 伝統的な日本の発酵食品の種類
- 3-1. 食品としての発酵製品
- 3-2. 調味料としての発酵製品
- 3-3. 飲料としての発酵製品
- 4. 代表的な日本の発酵食品とは?
- 4-1. 納豆の特徴と健康効果
- 4-2. ぬか漬けの魅力と作り方
- 4-3. 醤油の種類とその用途
- 4-4. 味噌の種類と料理への活用
- 4-5. 塩麹の使い方と効果
- 5. 日本の発酵食品の文化的意義
- 5-1. 食文化における発酵食品の役割
- 5-2. 地域ごとの発酵食品の特色
- 5-3. 発酵食品がもたらす健康的な食生活
- 6. 発酵食品の現代的な動向とは?
- 6-1. 健康ブームと発酵食品の再評価
- 6-2. 新しい発酵食品のトレンド
- 6-3. 自宅での発酵食品の作り方
- 7. 発酵食品とコミュニティ
- 7-1. 共同作業の促進
- 7-2. 情報共有と学びの場
- 7-3. 地元産業の活性化
- 8. まとめ
01日本での発酵食品の歴史
1-1奈良時代における最古の記録
奈良時代(710年〜794年)には、発酵食品に関する最古の記録が残されています。特に『万葉集』には、酒や味噌に関連する歌があり、当時の人々の食文化を知る手がかりとなり『古事記』や『日本書紀』にも発酵食品の製法や神事での利用が記されています。 この時期には、米を原料とした酒や味噌の原型が存在し、日常生活や祭りにおいて重要な役割を果たしていました。奈良時代の記録は、日本の発酵食品の歴史を理解する上で貴重な資料です。
1-1平安時代中期の発酵食品の発展
平安時代中期(10世紀頃)、日本の発酵食品は大きく発展しました。稲作の普及に伴い、米を利用した発酵食品の需要が高まり、貴族文化の影響で多様化が促進され、この時期には、大豆を原料とした味噌や、醤油の元祖となる発酵調味料が普及し、料理の深い味わいを加える重要な役割を果たしました。 また、野菜を塩や米ぬかで漬け込む漬物の技術も発展し、保存食として重宝され、発酵食品は宴会や神事に欠かせない存在となり、文化的にも重要視されるようになったのです。
1-117世紀の発酵食品の大きな進化
17世紀は、日本の発酵食品にとって大きな進化の時期です。江戸時代の平和な時代に入ると、発酵食品の生産と流通が活発化し、地域特産品が形成され、醤油や味噌は各地で独自の風味を持つようになり、食文化に多様性をもたらしました。 また、発酵技術の向上により、製法が改良され、より高品質な醤油が生産されるようになり、発酵食品は料理の基本調味料として定着し、江戸の庶民文化において重要な役割を果たしたのです。この時期の進化は、日本の食文化に大きな影響を与えたといっても過言ではありません。
01日本で発酵食品が栄えた理由とは?
1-1日本が発酵大国である背景
日本が発酵大国とされる背景には、いくつかの要因があり、四季のある多様な自然環境が発酵に適しており、地域ごとに異なる気候がさまざまな発酵食品を生み出し、米や大豆、野菜などの豊富な農作物が発酵食品の原料として利用され、特に大豆は味噌や納豆に欠かせません。 さらに、発酵技術は奈良時代や平安時代から受け継がれ、伝統的な製法が守られていて、発酵食品は日本の食文化の基礎を成し、最近では健康志向の高まりからその価値が再評価されています。これらの要因が重なり、日本は発酵大国としての地位を確立しているのです。
1-1麹菌を使用した麹の重要性
麹(こうじ)は、主に米や大豆に麹菌を繁殖させたもので、日本の発酵食品において重要な役割を果たします。麹菌はデンプンやたんぱく質を分解する酵素を生成し、味噌や醤油、酒などの発酵プロセスに欠かせません。 また、麹を使用することで独特の甘みや深い風味が生まれ、料理の味を豊かにし、発酵によって生成されるビタミンやアミノ酸は栄養価を向上させ、腸内環境を整える効果もあります。保存性の向上にも寄与し、食品の劣化を防ぐ働きがあり、地域ごとに異なる製法が存在し、日本の食文化の多様性を支え、栄養面や文化面においても大きな影響を与えています。
1-1温暖湿潤な気候がもたらす発酵環境
温暖湿潤な気候は、日本の発酵食品の生産に適した環境を提供しています。この気候は、麹菌や酵母、乳酸菌などの微生物の活動を活発にし、発酵プロセスをスムーズに進行させ、高温多湿な環境は、発酵食品の原料である米や大豆を適切に保存し、食品の劣化を防ぎます。 さらに、湿潤な条件は発酵過程での風味の発展に寄与し、独特の甘みや深い味わいを生み出すと共に、地域ごとに異なる発酵食品が生まれ、地域特性を強化します。 温暖湿潤な気候は、健康効果を持つ発酵食品の生産を支え、日本の食文化の基盤となっているのです。
01伝統的な日本の発酵食品の種類
1-1食品としての発酵製品
発酵製品は、微生物の働きによって原料が変化し、風味や栄養価が向上した食品です。代表的なものには、味噌があり、大豆を主成分として麹菌で発酵させた調味料で、赤味噌、白味噌、合わせ味噌などがあります。醤油は大豆と小麦を原料にした液体調味料で、和食に欠かせない独特の風味を持ち合わせていますね。 納豆は蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させたもので、粘り気と高い栄養価が特徴です。漬物は野菜を塩や麹で漬け込んで発酵させた保存食で、地域ごとに多様な種類があり、酒(日本酒)は米を主原料として発酵させたアルコール飲料です。 ヨーグルトやチーズも発酵製品で、健康効果が注目されていますね。これらの発酵製品は、風味や保存性、栄養価を向上させ、食文化において重要な役割を果たしています。
1-1調味料としての発酵製品
発酵製品は、料理に深い味わいを与える調味料として広く利用されています。上記である味噌は、スープや料理のベースに使われ、醤油は煮物や炒め物、刺身のつけダレに欠かせません。 みりんは米を発酵させた甘味のある調味料で、煮物や照り焼きに深いコクを加え、酢は米や果物を原料にした酸味のある調味料で、寿司やドレッシングに利用されます。 発酵調味料は、料理に風味や深みを加え、日本の食文化において欠かせない存在です。
1-1飲料としての発酵製品
発酵によって生まれる飲料は、風味や健康効果が期待されるものが多く、代表的な例には以下があります。日本酒は米を主成分とし、麹菌と酵母で発酵させたアルコール飲料で、さまざまな種類があり、特に和食と相性が良く、梅酒は梅を使用したリキュールで、甘酸っぱい味わいが特徴で、ストレートや炭酸水割りで楽しめます。 みりんは甘味のある調味料ですが、アルコールを含むため飲用としても楽しめ、ケフィアは乳や水を発酵させた飲料で、プロバイオティクスが豊富です。コンブチャは紅茶を発酵させた飲料で、爽やかな酸味と微炭酸が楽しめますよ。これらの発酵飲料は、豊かな風味だけでなく、健康効果も期待され、日常生活に取り入れられています。
01代表的な日本の発酵食品とは?
1-1納豆の特徴と健康効果
納豆は、蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させた食品で、粘り気と独特の香りが特徴です。高たんぱく質で、ビタミンK2や食物繊維、ミネラルも豊富に含まれ、健康効果としては、腸内環境の改善に寄与し、プロバイオティクスとして消化を助けます。ビタミンK2はカルシウムの吸収を促進し、骨の健康を支えます。 ナットウキナーゼという酵素が血栓を予防し、血液をサラサラにし、免疫力の向上にも寄与し、抗酸化作用が生活習慣病の予防に役立つとされていて、納豆は手軽に取り入れられる健康食品で、日常の食事に加えることが推奨されています。
1-1ぬか漬けの魅力と作り方
ぬか漬けは、ぬか床に含まれる微生物によって発酵し、独特の風味とパリッとした食感が楽しめる日本の伝統的な保存食です。栄養価が高く、特に腸内環境を整える乳酸菌が豊富に含まれ、塩分があるため長期間保存が可能で、常備菜として重宝します。 作り方は簡単で、ぬか(米ぬか)500gに塩50gと水を加えて混ぜ、1日置いて発酵させ、洗った野菜(きゅうりや大根など)をぬか床に埋め込み、冷蔵庫で1日から数日漬けます。好みの味に応じて漬け時間を調整し、取り出して洗い流してから食べましょう。季節の野菜を使って楽しめるぬか漬けは、健康にも良い一品ですよ。
1-1醤油の種類とその用途
日本の醤油は多様で、それぞれ独自の風味と用途があります。代表的な種類には、合わせ醤油(脂味噌)があり、旨味が豊かで煮物や炒め物に幅広く使われ、白醤油は色が薄く甘みがあり、刺身や和え物に最適です。 一般的な濃口醤油は、濃い色と風味が特徴で、煮物や焼き魚の味付けに適し、たまり醤油は大豆のみで作られ、濃厚な味わいがあり、刺身や寿司に使われます。甘口醤油は甘みが強く、照り焼きや甘辛い料理に向いていて、これらの醤油を使い分けることで、料理の味わいを一層引き立てることができるでしょう。
1-1味噌の種類と料理への活用
味噌は日本の伝統的な調味料で、さまざまな種類があります。赤味噌は濃厚な味わいで、煮物や味噌汁、肉料理に活用され、白味噌は甘みがあり、和え物やドレッシング、味噌汁に使うとさっぱりとした味わいになります。 合わせ味噌は赤味噌と白味噌をブレンドしたもので、味噌汁や煮物に幅広く対応し、麦味噌は香ばしい風味が特徴で、九州地方で人気があり、味噌汁やおにぎりに使われます。 たまり味噌は濃厚で、煮物やタレとして肉料理に適し、これらの味噌を使い分けることで、料理の味わいを一層深めることができます。
1-1塩麹の使い方と効果
塩麹は、発酵させた米麹と塩を混ぜた調味料で、さまざまな使い方があります。肉や魚のマリネとして使うと、旨味が増し柔らかくなり、野菜の漬物にも適しており、きゅうりや大根が風味豊かに仕上がります。 調味料として煮物や炒め物に加えることで、塩味と旨味を同時に引き出せ、ドレッシングとしても活用でき、クリーミーでコクのある味わいになりますよ。 効果としては、旨味成分の強化や消化吸収の促進、栄養価の向上、食品の保存性向上が挙げられ、料理に深い味わいを加え、健康にも良い影響を与える優れた調味料です。
01日本の発酵食品の文化的意義
1-1食文化における発酵食品の役割
発酵食品は、食文化において重要な役割を果たしています。 まず、保存方法として食品の劣化を防ぎ、長期間楽しむことができ、栄養価を向上させることで、特にプロバイオティクスが腸内環境を整える助けとなります。
1-1地域ごとの発酵食品の特色
日本の発酵食品は地域ごとに特色があり、土地の風土や文化を反映しています。北海道では甘口の「白味噌」や「数の子漬け」が人気で、東北地方では、福島県の「会津納豆」や「南部漬け」が知られていますね。関東地方では千葉や茨城の「濃口醤油」が多く、煮物によく使われます。 関西地方の京都では甘みのある「西京味噌」が特に魚料理に合い、九州地方では麦を主成分とした「八女の麦味噌」やたまり醤油が有名ですね。沖縄では発酵させた「豆腐よう」や黒糖を使った食品が多く見られ、これらの発酵食品は地域のアイデンティティを強化し、伝統を次世代に伝える重要な役割を果たしているでしょう。
1-1発酵食品がもたらす健康的な食生活
発酵食品は健康的な食生活に多くの利点をもたらし、プロバイオティクスが豊富で腸内環境を改善し、消化吸収を助けることにより、便秘や下痢の予防に寄与します。 また、発酵過程でビタミンやミネラルが増加し、栄養価が向上し、特にビタミンB群やK2が豊富で、健康維持に役立ちますよ。腸内環境の改善は免疫力の向上にもつながり、感染症に対する抵抗力を高めると共に、発酵食品は満腹感を得やすく、過食を防ぐ助けになります。 抗酸化物質も含まれており、老化防止や生活習慣病のリスクを減少させる効果があり、日常的に取り入れることで、バランスの取れた食事を支える重要な要素となるでしょう。
01発酵食品の現代的な動向とは?
1-1健康ブームと発酵食品の再評価
近年の健康ブームに伴い、発酵食品が再評価されています。腸内フローラの重要性が認識され、納豆やヨーグルト、キムチなどのプロバイオティクスが注目を集め、発酵食品の免疫力向上や消化改善に関する科学的研究が進み、その健康効果が裏付けられています。 自然志向の食生活が広まり、添加物が少ない発酵食品が健康的な選択肢として支持され、発酵食品は多様な料理に応用でき、食卓にバリエーションをもたらすでしょう。持続可能な食文化の形成にも寄与し、食品の保存や無駄の削減に役立つため、その価値が再認識されています。発酵食品はより良い食習慣の形成に貢献していますね。
1-1新しい発酵食品のトレンド
近年、新しい発酵食品のトレンドが注目されていて、植物由来の発酵食品が人気で、植物性ヨーグルトや豆乳を使った製品が増加しています。 伝統的な発酵食品に新しいフレーバーを加える試みが進んでおり、フルーツやハーブを使った発酵ドリンクが好まれ、コンブチャや水キムチなどの発酵飲料が特に人気で、健康効果が期待されています。 さらに、発酵技術を利用したスナックやお菓子も増えており、発酵ナッツやフルーツが注目され、発酵食品が健康的で多様な食文化の一部として進化していることを示していますね。
1-1自宅での発酵食品の作り方
自宅で簡単に作れる発酵食品として、納豆、味噌、漬物の作り方を紹介しましょう。 納豆は、200gの大豆を一晩水に浸し、柔らかくなるまで茹で、冷ました大豆に納豆菌を加え、混ぜて清潔な容器に移し、30℃の温かい場所で24時間発酵させます。 味噌は、500gの大豆を一晩水に浸し、柔らかく茹でてからつぶし、米麹500g、塩150gを加え、混ぜて容器に詰め込み、涼しい場所で6ヶ月から1年熟成させましょう。 漬物は、お好みの野菜(きゅうりや大根)に塩をまぶし、しばらく置いて水分を出し、清潔な容器に詰めて重石を乗せ、数日から1週間発酵させます。 これらの発酵食品作りは手軽で、健康的な食生活を楽しむことができます。
01発酵食品とコミュニティ
1-1共同作業の促進
発酵食品の製造プロセスは、共同作業を通じてコミュニティの絆を深める重要な要素です。家族が集まり、味噌や納豆、漬物を作ることで、会話を楽しみながら絆が深まるでしょう。 地域のワークショップでは、住民が共に作業し、知識や技術を共有する機会が増え、これにより、経験豊富な人が初心者を教え、地域全体のスキルが向上します。 共同作業は達成感を共有し、コミュニティを形成する要因となり、発酵食品の製造を通じて文化や伝統が次世代に継承され、より豊かなコミュニティが育まれますよ。発酵食品作りは、人々を結びつける大切なプロセスです。
1-1情報共有と学びの場
発酵食品は、情報共有と学びの場を提供する重要な手段であり、地域で開催されるワークショップでは、参加者が共同で製造プロセスを学び、実践的なスキルを習得します。 高齢者や経験者から伝統的な作り方を学ぶ機会が増え、地域の知識が次世代に受け継がれ、オンラインコミュニティでは、レシピや製造方法が共有され、多様な知識が広がりますよ。 学校の食育プログラムでは、発酵食品作りを通じて子どもたちの食に対する理解が深まり、イベントやフェスティバルでは、製造者から直接学ぶ機会があり、地域の魅力を体感で、これらの取り組みを通じて、発酵食品は私たちの生活を豊かにしています。
1-1地元産業の活性化
発酵食品は地元産業の活性化に重要な役割を果たし、地元の農産物を活用することで、地域の農業が支援され、農家の収入が向上するとともに、発酵食品を専門にした小規模な工房やショップが増え、新たなビジネス機会が生まれます。地域特有の発酵食品がブランド化されることで、観光資源としての価値が高まり、観光客を呼び込む効果もありますよ。 発酵食品関連のビジネスの成長により新たな雇用が生まれ、地域の雇用状況が改善され、持続可能な開発にも寄与し、地域全体の持続可能性を高める要因となります。発酵食品は、地域経済の発展と環境保護を両立させる重要な要素となるでしょう。
01日本の発酵食の歴史
実は日本の発酵食品の歴史は世界的に見ても極めて古いものです。
日本では、縄文時代にはすでに原始的な発酵食品が作られていたと言われています。材料となるのはアワやヒエといった雑穀や、どんぐりなどの木の実。これらを工夫して発酵させた食品が日本の発酵食品のルーツとなっています。
記録として残っているものの中ではもっとも古いのは奈良時代。
8世紀の天平年間の木簡に、「瓜の塩漬け」が作られたという記録が残っています。
さらに時代が進み、平安時代になると、「延喜式」という法令集の中に、酢漬けや粕漬けといった様々なバリエーションの漬物が登場するようになります。
しかしその時代まで、発酵食品は経験則によって作られていたもの。そのメカニズムが解明されたのは十七世紀に入ってからです。
微生物の存在が発酵に大きく関わっていることが解明されて以来、発酵食品はさらに発展、全国各地で盛んに作られていくようになります。
02日本で発酵食が栄えた理由
世界の中でも日本は発酵食品が多彩な国。ではなぜ日本で発酵食品が数多く作られるようになったのでしょうか。
2-1麹菌を使った麹が主流
日本で発酵食品が多く作られるようになった理由のひとつが「麹菌」です。
麹菌は豆や麦、大豆といった穀物に付着しているカビの一種。麹菌は菌糸の先から酵素を分泌しますが、この酵素がでんぷんやたんぱく質を分解し、アミノ酸などを発生させます。
この分解酵素の作用を利用して作られるのが、日本酒や味噌、醤油、漬物といった日本独特の食材や調味料。
この麹菌は日本の「国菌」としても指定されているほどで、すでに平安時代には麹のタネを販売する「種麹屋」という職業が成り立っていたほどだと言います。
ちなみに麹には「糀」という漢字が使われることもありますが、「麹」と「糀」では、「麹」が米や麦、大豆などから作られる麹全体を表すのに対して、「糀」は米から作られる米麹のみを表すというのが一般的です。
2-2日本の温暖湿潤な気候
麹が日本で使われるようになったのは、日本の温暖湿潤な気候も関係しています。
日本は南北に長く、四季がはっきりしているのが特徴ですが、多くの地方は暖かくて湿気が多いという温暖湿潤気候に属しています。
そのため、カビや菌などが繁殖しやすい気候条件にあり、結果としてカビや微生物が使われる発酵食品が盛んになったと考えられています。
一方、乾燥が強いヨーロッパなどでは、チーズなど一部の食品を除いて発酵食品が作られることはありませんが、これはカビが繁殖しにくい気候が原因とされています。
また、日本は周囲を海に囲まれているため、塩が豊富。この塩も発酵食品には欠かせない存在で、こういった気候条件や自然環境が日本の発酵食品の発展を支えているということができます。
03古くからある日本の発酵食品の種類は?
非常に豊富な日本の発酵食品。日本の発酵食品は、食品から調味料、飲み物にも及んでいます。
3-1食品
日本の発酵食品の中で古くから親しまれているのが魚を使った発酵食品です。くさややふなずしなど、日本の各地には個性的な発酵食品があり、それぞれがその地方の名物になっています。
くさやは伊豆諸島の名産で、新鮮なムロアジやトビウオなどを「クサヤ汁」と呼ばれる独特の発酵液に浸したあと天日干ししたもの。
ふなずしは滋賀県の郷土料理で、「ニゴロブナ」などの魚を塩や米などで発酵させたもので、その歴史は奈良時代にまでさかのぼることができるとも言われています。
また、意外に思えるかもしれませんが、日本の食卓に欠かせない「鰹節」も発酵食品の一種。
鰹節は乾燥させたカツオの切り身をカビの一種で発酵させた発酵食品です。
3-2調味料
日本の発酵食品の中でも特に豊富なのが、発酵の力を使った発酵調味料です。発酵調味料の代表が味噌や醤油ですが、それ以外にもお酢やみりんなど、日本には様々な発酵調味料が存在します。
3-3飲料
世界の発酵食品の中でも代表的なものがお酒。たとえばワインやビールなども発酵の力によって作られています。
日本でも、日本酒をはじめ、焼酎や甘酒など様々な発酵飲料が存在します。
04代表的な日本の発酵食品
発酵食品の先進国とも言われている日本。では、日本を代表する発酵食品はどのように作られるのでしょうか。
4-1納豆
納豆は蒸した大豆を納豆菌によって発酵させて作られた食品です。大豆を発酵させることで、大豆がもともと持っている栄養成分に加えてナットウキナーゼなど新しい効果が生まれるだけでなく、風味や旨みもアップします。
納豆はもともと蒸した大豆を稲のわらに包んでいたところ、わらに付着していた納豆菌が大豆に移動して生まれた食品ですが、現在はわらではなく純粋に培養した納豆菌によって作られるのが一般的です。
4-2ぬか漬け
ぬか漬けをはじめとする漬物も、日本を代表する発酵食品のひとつです。
ぬか漬けは材料に付着している乳酸菌が、食材が持っている糖類によって発酵したもの。
それ以外にも、塩漬けや味噌漬け、粕漬、ぬか漬けなど様々な作り方があります。
ぬか漬けの場合、ぬかに水や塩を加えて乳酸発酵させたぬか床が使われますが、下漬けの塩によって野菜の水分が奪われ、そこにぬかの旨みなどが移ることで生まれる発酵食品です。
なお、ぬか漬けというと野菜が真っ先に思い浮かびますが、サンマやニシン、肉、卵など様々な食材が使用されることもあります。
4-3醤油
日本料理の基本的な調味料のひとつである醤油は大豆を発酵させて作られる調味料です。
醤油づくりに欠かせないのが麹菌。醤油づくりは、まず大豆と小麦に麹菌を加えて麹を作ることからスタートします。
その麹に塩と水を混ぜて作られるのが「もろみ」。
もろみを木桶やタンクの中で寝かせることで発酵が進み、大豆のたんぱく質はアミノ酸に、小麦のでんぷんがブドウ糖に変化。熟成したもろみを絞ることで醤油が誕生します。
4-4味噌
味噌も醤油と同じく、大豆を発酵させて作られている調味料です。この味噌づくりにも麹菌が活躍します。
大豆のたんぱく質は麹菌によって変化、さらに乳酸菌や酵母などが加わって、大豆らしい複雑な味わいを生み出します。
なお、味噌には白みそは麦みそ、赤味噌など様々な種類がありますが、これらは麹の種類や発酵させる時間、塩分などが関係します。
もし長い期間寝かせた味噌は、コクや深みが、短期間寝かせた場合には甘味が強い味噌になります。
また、麹にも様々な種類があり、米や麦、大豆などどの種類の麹を使用するかによっても、酸味や塩味、甘味など異なった味わいが生まれます。
4-5塩麹
素材を漬けるだけでなく、そのまま調味料としても使用できることで人気の塩麹。塩麹は、塩と麹だけを使った発酵食品です。
塩麹というと最近誕生した調味料というイメージですが、実は古くから日本の家庭で手作りされていたもの。
塩麹には豊富な酵素が含まれているため、漬けた食材を柔らかくしたり、中まで味を浸透させたりといった効果が生まれます。
01まとめ
今回は、日本の発酵食品の歴史、種類や効果などについて解説していきました。
日本の発酵食品は、長い歴史を持ち、地域ごとに多様な種類が存在します。それぞれが独自の栄養価や健康効果を持ち、私たちの食文化に欠かせない存在であり、発酵食品の作り方も簡単で、家庭で楽しむことができます。腸内環境を整え、健康を促進する発酵食品を日常的に取り入れることで、より良いライフスタイルを実現しましょう。
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日本では、縄文時代にはすでに原始的な発酵食品が作られていたと言われています。材料となるのはアワやヒエといった雑穀や、どんぐりなどの木の実。これらを工夫して発酵させた食品が日本の発酵食品のルーツとなっています。
記録として残っているものの中ではもっとも古いのは奈良時代。
8世紀の天平年間の木簡に、「瓜の塩漬け」が作られたという記録が残っています。
さらに時代が進み、平安時代になると、「延喜式」という法令集の中に、酢漬けや粕漬けといった様々なバリエーションの漬物が登場するようになります。
しかしその時代まで、発酵食品は経験則によって作られていたもの。そのメカニズムが解明されたのは十七世紀に入ってからです。
微生物の存在が発酵に大きく関わっていることが解明されて以来、発酵食品はさらに発展、全国各地で盛んに作られていくようになります。
02日本で発酵食が栄えた理由
世界の中でも日本は発酵食品が多彩な国。ではなぜ日本で発酵食品が数多く作られるようになったのでしょうか。
2-1麹菌を使った麹が主流
日本で発酵食品が多く作られるようになった理由のひとつが「麹菌」です。
麹菌は豆や麦、大豆といった穀物に付着しているカビの一種。麹菌は菌糸の先から酵素を分泌しますが、この酵素がでんぷんやたんぱく質を分解し、アミノ酸などを発生させます。
この分解酵素の作用を利用して作られるのが、日本酒や味噌、醤油、漬物といった日本独特の食材や調味料。
この麹菌は日本の「国菌」としても指定されているほどで、すでに平安時代には麹のタネを販売する「種麹屋」という職業が成り立っていたほどだと言います。
ちなみに麹には「糀」という漢字が使われることもありますが、「麹」と「糀」では、「麹」が米や麦、大豆などから作られる麹全体を表すのに対して、「糀」は米から作られる米麹のみを表すというのが一般的です。
2-2日本の温暖湿潤な気候
麹が日本で使われるようになったのは、日本の温暖湿潤な気候も関係しています。
日本は南北に長く、四季がはっきりしているのが特徴ですが、多くの地方は暖かくて湿気が多いという温暖湿潤気候に属しています。
そのため、カビや菌などが繁殖しやすい気候条件にあり、結果としてカビや微生物が使われる発酵食品が盛んになったと考えられています。
一方、乾燥が強いヨーロッパなどでは、チーズなど一部の食品を除いて発酵食品が作られることはありませんが、これはカビが繁殖しにくい気候が原因とされています。
また、日本は周囲を海に囲まれているため、塩が豊富。この塩も発酵食品には欠かせない存在で、こういった気候条件や自然環境が日本の発酵食品の発展を支えているということができます。
03古くからある日本の発酵食品の種類は?
非常に豊富な日本の発酵食品。日本の発酵食品は、食品から調味料、飲み物にも及んでいます。
3-1食品
日本の発酵食品の中で古くから親しまれているのが魚を使った発酵食品です。くさややふなずしなど、日本の各地には個性的な発酵食品があり、それぞれがその地方の名物になっています。
くさやは伊豆諸島の名産で、新鮮なムロアジやトビウオなどを「クサヤ汁」と呼ばれる独特の発酵液に浸したあと天日干ししたもの。
ふなずしは滋賀県の郷土料理で、「ニゴロブナ」などの魚を塩や米などで発酵させたもので、その歴史は奈良時代にまでさかのぼることができるとも言われています。
また、意外に思えるかもしれませんが、日本の食卓に欠かせない「鰹節」も発酵食品の一種。
鰹節は乾燥させたカツオの切り身をカビの一種で発酵させた発酵食品です。
3-2調味料
日本の発酵食品の中でも特に豊富なのが、発酵の力を使った発酵調味料です。発酵調味料の代表が味噌や醤油ですが、それ以外にもお酢やみりんなど、日本には様々な発酵調味料が存在します。
3-3飲料
世界の発酵食品の中でも代表的なものがお酒。たとえばワインやビールなども発酵の力によって作られています。
日本でも、日本酒をはじめ、焼酎や甘酒など様々な発酵飲料が存在します。
04代表的な日本の発酵食品
発酵食品の先進国とも言われている日本。では、日本を代表する発酵食品はどのように作られるのでしょうか。
4-1納豆
納豆は蒸した大豆を納豆菌によって発酵させて作られた食品です。大豆を発酵させることで、大豆がもともと持っている栄養成分に加えてナットウキナーゼなど新しい効果が生まれるだけでなく、風味や旨みもアップします。
納豆はもともと蒸した大豆を稲のわらに包んでいたところ、わらに付着していた納豆菌が大豆に移動して生まれた食品ですが、現在はわらではなく純粋に培養した納豆菌によって作られるのが一般的です。
4-2ぬか漬け
ぬか漬けをはじめとする漬物も、日本を代表する発酵食品のひとつです。
ぬか漬けは材料に付着している乳酸菌が、食材が持っている糖類によって発酵したもの。
それ以外にも、塩漬けや味噌漬け、粕漬、ぬか漬けなど様々な作り方があります。
ぬか漬けの場合、ぬかに水や塩を加えて乳酸発酵させたぬか床が使われますが、下漬けの塩によって野菜の水分が奪われ、そこにぬかの旨みなどが移ることで生まれる発酵食品です。
なお、ぬか漬けというと野菜が真っ先に思い浮かびますが、サンマやニシン、肉、卵など様々な食材が使用されることもあります。
4-3醤油
日本料理の基本的な調味料のひとつである醤油は大豆を発酵させて作られる調味料です。
醤油づくりに欠かせないのが麹菌。醤油づくりは、まず大豆と小麦に麹菌を加えて麹を作ることからスタートします。
その麹に塩と水を混ぜて作られるのが「もろみ」。
もろみを木桶やタンクの中で寝かせることで発酵が進み、大豆のたんぱく質はアミノ酸に、小麦のでんぷんがブドウ糖に変化。熟成したもろみを絞ることで醤油が誕生します。
4-4味噌
味噌も醤油と同じく、大豆を発酵させて作られている調味料です。この味噌づくりにも麹菌が活躍します。
大豆のたんぱく質は麹菌によって変化、さらに乳酸菌や酵母などが加わって、大豆らしい複雑な味わいを生み出します。
なお、味噌には白みそは麦みそ、赤味噌など様々な種類がありますが、これらは麹の種類や発酵させる時間、塩分などが関係します。
もし長い期間寝かせた味噌は、コクや深みが、短期間寝かせた場合には甘味が強い味噌になります。
また、麹にも様々な種類があり、米や麦、大豆などどの種類の麹を使用するかによっても、酸味や塩味、甘味など異なった味わいが生まれます。
4-5塩麹
素材を漬けるだけでなく、そのまま調味料としても使用できることで人気の塩麹。塩麹は、塩と麹だけを使った発酵食品です。
塩麹というと最近誕生した調味料というイメージですが、実は古くから日本の家庭で手作りされていたもの。
塩麹には豊富な酵素が含まれているため、漬けた食材を柔らかくしたり、中まで味を浸透させたりといった効果が生まれます。
01まとめ
今回は、日本の発酵食品の歴史、種類や効果などについて解説していきました。
日本の発酵食品は、長い歴史を持ち、地域ごとに多様な種類が存在します。それぞれが独自の栄養価や健康効果を持ち、私たちの食文化に欠かせない存在であり、発酵食品の作り方も簡単で、家庭で楽しむことができます。腸内環境を整え、健康を促進する発酵食品を日常的に取り入れることで、より良いライフスタイルを実現しましょう。
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2-1麹菌を使った麹が主流
日本で発酵食品が多く作られるようになった理由のひとつが「麹菌」です。
麹菌は豆や麦、大豆といった穀物に付着しているカビの一種。麹菌は菌糸の先から酵素を分泌しますが、この酵素がでんぷんやたんぱく質を分解し、アミノ酸などを発生させます。
この分解酵素の作用を利用して作られるのが、日本酒や味噌、醤油、漬物といった日本独特の食材や調味料。
この麹菌は日本の「国菌」としても指定されているほどで、すでに平安時代には麹のタネを販売する「種麹屋」という職業が成り立っていたほどだと言います。
ちなみに麹には「糀」という漢字が使われることもありますが、「麹」と「糀」では、「麹」が米や麦、大豆などから作られる麹全体を表すのに対して、「糀」は米から作られる米麹のみを表すというのが一般的です。
2-2日本の温暖湿潤な気候
麹が日本で使われるようになったのは、日本の温暖湿潤な気候も関係しています。
日本は南北に長く、四季がはっきりしているのが特徴ですが、多くの地方は暖かくて湿気が多いという温暖湿潤気候に属しています。
そのため、カビや菌などが繁殖しやすい気候条件にあり、結果としてカビや微生物が使われる発酵食品が盛んになったと考えられています。
一方、乾燥が強いヨーロッパなどでは、チーズなど一部の食品を除いて発酵食品が作られることはありませんが、これはカビが繁殖しにくい気候が原因とされています。
また、日本は周囲を海に囲まれているため、塩が豊富。この塩も発酵食品には欠かせない存在で、こういった気候条件や自然環境が日本の発酵食品の発展を支えているということができます。
03古くからある日本の発酵食品の種類は?
非常に豊富な日本の発酵食品。日本の発酵食品は、食品から調味料、飲み物にも及んでいます。
3-1食品
日本の発酵食品の中で古くから親しまれているのが魚を使った発酵食品です。くさややふなずしなど、日本の各地には個性的な発酵食品があり、それぞれがその地方の名物になっています。
くさやは伊豆諸島の名産で、新鮮なムロアジやトビウオなどを「クサヤ汁」と呼ばれる独特の発酵液に浸したあと天日干ししたもの。
ふなずしは滋賀県の郷土料理で、「ニゴロブナ」などの魚を塩や米などで発酵させたもので、その歴史は奈良時代にまでさかのぼることができるとも言われています。
また、意外に思えるかもしれませんが、日本の食卓に欠かせない「鰹節」も発酵食品の一種。
鰹節は乾燥させたカツオの切り身をカビの一種で発酵させた発酵食品です。
3-2調味料
日本の発酵食品の中でも特に豊富なのが、発酵の力を使った発酵調味料です。発酵調味料の代表が味噌や醤油ですが、それ以外にもお酢やみりんなど、日本には様々な発酵調味料が存在します。
3-3飲料
世界の発酵食品の中でも代表的なものがお酒。たとえばワインやビールなども発酵の力によって作られています。
日本でも、日本酒をはじめ、焼酎や甘酒など様々な発酵飲料が存在します。
04代表的な日本の発酵食品
発酵食品の先進国とも言われている日本。では、日本を代表する発酵食品はどのように作られるのでしょうか。
4-1納豆
納豆は蒸した大豆を納豆菌によって発酵させて作られた食品です。大豆を発酵させることで、大豆がもともと持っている栄養成分に加えてナットウキナーゼなど新しい効果が生まれるだけでなく、風味や旨みもアップします。
納豆はもともと蒸した大豆を稲のわらに包んでいたところ、わらに付着していた納豆菌が大豆に移動して生まれた食品ですが、現在はわらではなく純粋に培養した納豆菌によって作られるのが一般的です。
4-2ぬか漬け
ぬか漬けをはじめとする漬物も、日本を代表する発酵食品のひとつです。
ぬか漬けは材料に付着している乳酸菌が、食材が持っている糖類によって発酵したもの。
それ以外にも、塩漬けや味噌漬け、粕漬、ぬか漬けなど様々な作り方があります。
ぬか漬けの場合、ぬかに水や塩を加えて乳酸発酵させたぬか床が使われますが、下漬けの塩によって野菜の水分が奪われ、そこにぬかの旨みなどが移ることで生まれる発酵食品です。
なお、ぬか漬けというと野菜が真っ先に思い浮かびますが、サンマやニシン、肉、卵など様々な食材が使用されることもあります。
4-3醤油
日本料理の基本的な調味料のひとつである醤油は大豆を発酵させて作られる調味料です。
醤油づくりに欠かせないのが麹菌。醤油づくりは、まず大豆と小麦に麹菌を加えて麹を作ることからスタートします。
その麹に塩と水を混ぜて作られるのが「もろみ」。
もろみを木桶やタンクの中で寝かせることで発酵が進み、大豆のたんぱく質はアミノ酸に、小麦のでんぷんがブドウ糖に変化。熟成したもろみを絞ることで醤油が誕生します。
4-4味噌
味噌も醤油と同じく、大豆を発酵させて作られている調味料です。この味噌づくりにも麹菌が活躍します。
大豆のたんぱく質は麹菌によって変化、さらに乳酸菌や酵母などが加わって、大豆らしい複雑な味わいを生み出します。
なお、味噌には白みそは麦みそ、赤味噌など様々な種類がありますが、これらは麹の種類や発酵させる時間、塩分などが関係します。
もし長い期間寝かせた味噌は、コクや深みが、短期間寝かせた場合には甘味が強い味噌になります。
また、麹にも様々な種類があり、米や麦、大豆などどの種類の麹を使用するかによっても、酸味や塩味、甘味など異なった味わいが生まれます。
4-5塩麹
素材を漬けるだけでなく、そのまま調味料としても使用できることで人気の塩麹。塩麹は、塩と麹だけを使った発酵食品です。
塩麹というと最近誕生した調味料というイメージですが、実は古くから日本の家庭で手作りされていたもの。
塩麹には豊富な酵素が含まれているため、漬けた食材を柔らかくしたり、中まで味を浸透させたりといった効果が生まれます。
01まとめ
今回は、日本の発酵食品の歴史、種類や効果などについて解説していきました。
日本の発酵食品は、長い歴史を持ち、地域ごとに多様な種類が存在します。それぞれが独自の栄養価や健康効果を持ち、私たちの食文化に欠かせない存在であり、発酵食品の作り方も簡単で、家庭で楽しむことができます。腸内環境を整え、健康を促進する発酵食品を日常的に取り入れることで、より良いライフスタイルを実現しましょう。
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280講座以上の資格取得できる通信講座を運営する諒設計アーキテクトラーニング編集部が運営するコラムです。心理カウンセラー、ドッグトレーナー、リンパケアセラピストなど、実践的で需要の高い資格を提供しており、学習者は自分のペースで学べる柔軟なカリキュラムを受けることができます。専門知識を短期間で習得できるよう設計されており、仕事や趣味に役立つスキルを身につけることが可能です。
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3-1食品
日本の発酵食品の中で古くから親しまれているのが魚を使った発酵食品です。くさややふなずしなど、日本の各地には個性的な発酵食品があり、それぞれがその地方の名物になっています。
くさやは伊豆諸島の名産で、新鮮なムロアジやトビウオなどを「クサヤ汁」と呼ばれる独特の発酵液に浸したあと天日干ししたもの。
ふなずしは滋賀県の郷土料理で、「ニゴロブナ」などの魚を塩や米などで発酵させたもので、その歴史は奈良時代にまでさかのぼることができるとも言われています。
また、意外に思えるかもしれませんが、日本の食卓に欠かせない「鰹節」も発酵食品の一種。
鰹節は乾燥させたカツオの切り身をカビの一種で発酵させた発酵食品です。
3-2調味料
日本の発酵食品の中でも特に豊富なのが、発酵の力を使った発酵調味料です。発酵調味料の代表が味噌や醤油ですが、それ以外にもお酢やみりんなど、日本には様々な発酵調味料が存在します。
3-3飲料
世界の発酵食品の中でも代表的なものがお酒。たとえばワインやビールなども発酵の力によって作られています。
日本でも、日本酒をはじめ、焼酎や甘酒など様々な発酵飲料が存在します。
04代表的な日本の発酵食品
発酵食品の先進国とも言われている日本。では、日本を代表する発酵食品はどのように作られるのでしょうか。
4-1納豆
納豆は蒸した大豆を納豆菌によって発酵させて作られた食品です。大豆を発酵させることで、大豆がもともと持っている栄養成分に加えてナットウキナーゼなど新しい効果が生まれるだけでなく、風味や旨みもアップします。
納豆はもともと蒸した大豆を稲のわらに包んでいたところ、わらに付着していた納豆菌が大豆に移動して生まれた食品ですが、現在はわらではなく純粋に培養した納豆菌によって作られるのが一般的です。
4-2ぬか漬け
ぬか漬けをはじめとする漬物も、日本を代表する発酵食品のひとつです。
ぬか漬けは材料に付着している乳酸菌が、食材が持っている糖類によって発酵したもの。
それ以外にも、塩漬けや味噌漬け、粕漬、ぬか漬けなど様々な作り方があります。
ぬか漬けの場合、ぬかに水や塩を加えて乳酸発酵させたぬか床が使われますが、下漬けの塩によって野菜の水分が奪われ、そこにぬかの旨みなどが移ることで生まれる発酵食品です。
なお、ぬか漬けというと野菜が真っ先に思い浮かびますが、サンマやニシン、肉、卵など様々な食材が使用されることもあります。
4-3醤油
日本料理の基本的な調味料のひとつである醤油は大豆を発酵させて作られる調味料です。
醤油づくりに欠かせないのが麹菌。醤油づくりは、まず大豆と小麦に麹菌を加えて麹を作ることからスタートします。
その麹に塩と水を混ぜて作られるのが「もろみ」。
もろみを木桶やタンクの中で寝かせることで発酵が進み、大豆のたんぱく質はアミノ酸に、小麦のでんぷんがブドウ糖に変化。熟成したもろみを絞ることで醤油が誕生します。
4-4味噌
味噌も醤油と同じく、大豆を発酵させて作られている調味料です。この味噌づくりにも麹菌が活躍します。
大豆のたんぱく質は麹菌によって変化、さらに乳酸菌や酵母などが加わって、大豆らしい複雑な味わいを生み出します。
なお、味噌には白みそは麦みそ、赤味噌など様々な種類がありますが、これらは麹の種類や発酵させる時間、塩分などが関係します。
もし長い期間寝かせた味噌は、コクや深みが、短期間寝かせた場合には甘味が強い味噌になります。
また、麹にも様々な種類があり、米や麦、大豆などどの種類の麹を使用するかによっても、酸味や塩味、甘味など異なった味わいが生まれます。
4-5塩麹
素材を漬けるだけでなく、そのまま調味料としても使用できることで人気の塩麹。塩麹は、塩と麹だけを使った発酵食品です。
塩麹というと最近誕生した調味料というイメージですが、実は古くから日本の家庭で手作りされていたもの。
塩麹には豊富な酵素が含まれているため、漬けた食材を柔らかくしたり、中まで味を浸透させたりといった効果が生まれます。
01まとめ
今回は、日本の発酵食品の歴史、種類や効果などについて解説していきました。
日本の発酵食品は、長い歴史を持ち、地域ごとに多様な種類が存在します。それぞれが独自の栄養価や健康効果を持ち、私たちの食文化に欠かせない存在であり、発酵食品の作り方も簡単で、家庭で楽しむことができます。腸内環境を整え、健康を促進する発酵食品を日常的に取り入れることで、より良いライフスタイルを実現しましょう。
- 通信講座の諒設計アーキテクトラーニング編集部
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4-1納豆
納豆は蒸した大豆を納豆菌によって発酵させて作られた食品です。大豆を発酵させることで、大豆がもともと持っている栄養成分に加えてナットウキナーゼなど新しい効果が生まれるだけでなく、風味や旨みもアップします。
納豆はもともと蒸した大豆を稲のわらに包んでいたところ、わらに付着していた納豆菌が大豆に移動して生まれた食品ですが、現在はわらではなく純粋に培養した納豆菌によって作られるのが一般的です。
4-2ぬか漬け
ぬか漬けをはじめとする漬物も、日本を代表する発酵食品のひとつです。
ぬか漬けは材料に付着している乳酸菌が、食材が持っている糖類によって発酵したもの。
それ以外にも、塩漬けや味噌漬け、粕漬、ぬか漬けなど様々な作り方があります。
ぬか漬けの場合、ぬかに水や塩を加えて乳酸発酵させたぬか床が使われますが、下漬けの塩によって野菜の水分が奪われ、そこにぬかの旨みなどが移ることで生まれる発酵食品です。
なお、ぬか漬けというと野菜が真っ先に思い浮かびますが、サンマやニシン、肉、卵など様々な食材が使用されることもあります。
4-3醤油
日本料理の基本的な調味料のひとつである醤油は大豆を発酵させて作られる調味料です。
醤油づくりに欠かせないのが麹菌。醤油づくりは、まず大豆と小麦に麹菌を加えて麹を作ることからスタートします。
その麹に塩と水を混ぜて作られるのが「もろみ」。
もろみを木桶やタンクの中で寝かせることで発酵が進み、大豆のたんぱく質はアミノ酸に、小麦のでんぷんがブドウ糖に変化。熟成したもろみを絞ることで醤油が誕生します。
4-4味噌
味噌も醤油と同じく、大豆を発酵させて作られている調味料です。この味噌づくりにも麹菌が活躍します。
大豆のたんぱく質は麹菌によって変化、さらに乳酸菌や酵母などが加わって、大豆らしい複雑な味わいを生み出します。
なお、味噌には白みそは麦みそ、赤味噌など様々な種類がありますが、これらは麹の種類や発酵させる時間、塩分などが関係します。
もし長い期間寝かせた味噌は、コクや深みが、短期間寝かせた場合には甘味が強い味噌になります。
また、麹にも様々な種類があり、米や麦、大豆などどの種類の麹を使用するかによっても、酸味や塩味、甘味など異なった味わいが生まれます。
4-5塩麹
素材を漬けるだけでなく、そのまま調味料としても使用できることで人気の塩麹。塩麹は、塩と麹だけを使った発酵食品です。
塩麹というと最近誕生した調味料というイメージですが、実は古くから日本の家庭で手作りされていたもの。
塩麹には豊富な酵素が含まれているため、漬けた食材を柔らかくしたり、中まで味を浸透させたりといった効果が生まれます。
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