幼児食の鉄分の重要性と取り方
幼児食には味はもちろん、きちんと栄養が取れるかどうかも大事なポイント。数ある栄養素の中でも、幼児食では特に鉄分が重要になります。では、なぜ子どもにとって鉄分の摂取が重要なのでしょうか。今回は幼児食における鉄分の重要性と取り方についてご紹介します。
01乳幼児が不足しがちな鉄分
幼児食は栄養を考えて作られる食事です。ところが、それでも乳幼児にとって鉄分は不足しがち。ではなぜそのようなことが起きるのでしょうか。
1-1生後9か月~2歳に鉄欠乏になりやすい
鉄分は身体の成長に欠かせない栄養素。そのため、特に鉄分には気を使っている人も多いかもしれません。
しかし、それでも特に発育が盛んとなる生後9か月~2歳では鉄分が不足しがちになってしまいます。
食事には注意しているのに、なぜ鉄分が不足してしまうのでしょうか。
これは子どもの成長の速度と関係があります。まず生まれたばかりの乳児の頃は、鉄分が十分に足りている状態ですが、このとき、赤ちゃんの身体の中には母体由来の鉄分が蓄えられています。さらに食事からも鉄分を補給できるため、鉄分が欠乏することはありません。
1-2生後半年ほどで母体由来の鉄がなくなる
しかし、そこから身体は急激なスピードで成長、同時に体内の鉄分も成長のために急速に消費させていきます。
そのため、生後半年ほどになると、赤ちゃんの体内には母体由来の鉄分はなくなってしまいます。
もしその頃に食事から摂取する鉄分が十分ではない場合、どうしても成長に必要な鉄分が不足、結果として鉄欠乏症となってしまいます。さらにその状態が進行すると、鉄欠乏性貧血となることもあり、注意が必要。
なお、このような症状は思春期にも現れますが、乳幼児の場合には生後5ヶ月まで鉄欠乏は起きないと言われています。
逆に言うと、この時期を過ぎると鉄分補給には注意が求められるということになります。
また、母乳は鉄の含有量が低いため、離乳食ではなく母乳を主体としていた場合、鉄欠乏症の危険が高くなります。一方の粉ミルクは鉄分が十分に含まれているため、鉄欠乏症の危険は低くなります。
02鉄分とは?
赤ちゃんの成長にとって重要な鉄分。ではそもそも鉄分とはどのような栄養素なのでしょうか。
2-1全身へ酸素を送り届ける役割
鉄分は、人間が健康な生活を送るために必要不可欠な「必須ミネラル」の一種です。必須ミネラルにはカルシウムやマグネシウムなど16種類が存在し、これらのひとつでも不足した状態になると、人間は健康を保てなくなるだけでなく、命の危険すら起きかねません。
この必須ミネラルの中でも特に重要なのが鉄分。鉄分は全身へ酸素を届ける役割を果たしています。
2-2足りなくなると酸欠状態になる
鉄分のほとんどは血液の中にある「ヘモグロビン」の形で存在しています。このヘモグロビンは身体のあちこちの細胞に酸素を届けたり、不要になった二酸化炭素の排出を行っています。
つまり、人間が正常な呼吸ができるのはヘモグロビンのおかげ。このヘモグロビンが不足した場合、人間は正しい呼吸ができず、酸欠の状態になってしまいます。
2-3鉄欠乏の症状
乳幼児の場合、鉄が欠乏すると酸欠だけではなく様々な症状が現れます。
鉄分が不足する代表的な症状が貧血。貧血は酸素や栄養の運搬役であるヘモグロビンが不足することで発生します。
さらに、鉄が欠乏すると疲れやすくなるといった肉体的な症状もあらわれます。
また、乳幼児の鉄欠乏症の場合、もっとも心配なのが脳への影響。
もし乳幼児の時期に鉄分が不足した場合、ちょっとした刺激でも泣いてしまったり、注意力が散漫になったりといった症状があらわれることもあります。
それに加えて、鉄分が不足すると周囲への関心や認知能力、言語学習能力、記憶力などが低下するとも言われています。
実は鉄には、脳の細胞が活動するときに酵素としても重要な役割を果たしています。そのため、鉄が不足すると、脳や中枢神経の成長にも悪影響を与える可能性があります。
1-1生後9か月~2歳に鉄欠乏になりやすい
鉄分は身体の成長に欠かせない栄養素。そのため、特に鉄分には気を使っている人も多いかもしれません。
しかし、それでも特に発育が盛んとなる生後9か月~2歳では鉄分が不足しがちになってしまいます。
食事には注意しているのに、なぜ鉄分が不足してしまうのでしょうか。
これは子どもの成長の速度と関係があります。まず生まれたばかりの乳児の頃は、鉄分が十分に足りている状態ですが、このとき、赤ちゃんの身体の中には母体由来の鉄分が蓄えられています。さらに食事からも鉄分を補給できるため、鉄分が欠乏することはありません。
1-2生後半年ほどで母体由来の鉄がなくなる
しかし、そこから身体は急激なスピードで成長、同時に体内の鉄分も成長のために急速に消費させていきます。
そのため、生後半年ほどになると、赤ちゃんの体内には母体由来の鉄分はなくなってしまいます。
もしその頃に食事から摂取する鉄分が十分ではない場合、どうしても成長に必要な鉄分が不足、結果として鉄欠乏症となってしまいます。さらにその状態が進行すると、鉄欠乏性貧血となることもあり、注意が必要。
なお、このような症状は思春期にも現れますが、乳幼児の場合には生後5ヶ月まで鉄欠乏は起きないと言われています。
逆に言うと、この時期を過ぎると鉄分補給には注意が求められるということになります。
また、母乳は鉄の含有量が低いため、離乳食ではなく母乳を主体としていた場合、鉄欠乏症の危険が高くなります。一方の粉ミルクは鉄分が十分に含まれているため、鉄欠乏症の危険は低くなります。
2-1全身へ酸素を送り届ける役割
鉄分は、人間が健康な生活を送るために必要不可欠な「必須ミネラル」の一種です。必須ミネラルにはカルシウムやマグネシウムなど16種類が存在し、これらのひとつでも不足した状態になると、人間は健康を保てなくなるだけでなく、命の危険すら起きかねません。
この必須ミネラルの中でも特に重要なのが鉄分。鉄分は全身へ酸素を届ける役割を果たしています。
2-2足りなくなると酸欠状態になる
鉄分のほとんどは血液の中にある「ヘモグロビン」の形で存在しています。このヘモグロビンは身体のあちこちの細胞に酸素を届けたり、不要になった二酸化炭素の排出を行っています。
つまり、人間が正常な呼吸ができるのはヘモグロビンのおかげ。このヘモグロビンが不足した場合、人間は正しい呼吸ができず、酸欠の状態になってしまいます。
2-3鉄欠乏の症状
乳幼児の場合、鉄が欠乏すると酸欠だけではなく様々な症状が現れます。
鉄分が不足する代表的な症状が貧血。貧血は酸素や栄養の運搬役であるヘモグロビンが不足することで発生します。
さらに、鉄が欠乏すると疲れやすくなるといった肉体的な症状もあらわれます。
また、乳幼児の鉄欠乏症の場合、もっとも心配なのが脳への影響。
もし乳幼児の時期に鉄分が不足した場合、ちょっとした刺激でも泣いてしまったり、注意力が散漫になったりといった症状があらわれることもあります。
それに加えて、鉄分が不足すると周囲への関心や認知能力、言語学習能力、記憶力などが低下するとも言われています。
実は鉄には、脳の細胞が活動するときに酵素としても重要な役割を果たしています。そのため、鉄が不足すると、脳や中枢神経の成長にも悪影響を与える可能性があります。
03ヘム鉄と非ヘム鉄
不足すると深刻な症状を招く鉄分。実はこの鉄分にはふたつの種類があります。
3-1ヘム鉄
ヘム鉄は、動物などに含まれている鉄分です。このヘム鉄は効率よく吸収できることが特徴。ヘム鉄はレバー、貝類などに含まれていますが、日本人の一般的な食事ではなかなか摂取できていないのが現状と言われています。
3-2非ヘム鉄
非ヘム鉄は、植物などに含まれている鉄分です。このヘム鉄は一般的な食事に含まれることが多く、食材では小松菜、ひじき、豆乳などに豊富に含まれています。ただし、ヘム鉄に比べると吸収の効率が悪いと言われているため、自分ではしっかりと鉄分を摂取しているつもりでも、食べた食材から鉄分を吸収しきれずに、結果として鉄分不足に陥ってしまうということも考えられます。
04鉄分を摂りいれるポイント
このように、鉄分は非常に重要な役割を果たしながらも、十分に摂取することが難しい栄養素です。
では鉄分を摂取するときにはどのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。
4-1離乳食初期から取り入れる
鉄分を摂取するときには、離乳食の初期の段階から取り入れるのがおすすめです。すでに説明したように、乳児の間は母親の身体を通じて送られた鉄分が体内に豊富に存在していますが、それもやがて使い切ってしまうため、鉄分が不足しがちになってしまいます。
それを防ぐためにも、できるだけ早い離乳食の初期段階から積極的に鉄分を取り入れることが必要です。
ただし、鉄分を過剰に摂取した場合には嘔吐や下痢、腹痛の原因となります。ひどい場合には肝硬変や脂肪肝の原因となることもあります。普通に食事を摂取しているだけではこのような状態にはなりませんが、サプリなどを使用するときには十分に注意しましょう。
4-2ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂る
鉄分は摂取するだけでなく、体内への吸収率を上げることが重要です。
そんなときに役立つのがビタミンCや動物性タンパク質。これらの栄養素は、鉄分の吸収率をアップさせてくれます。特に野菜に含まれる非ヘム鉄の食材を食べるときには、ビタミンCや動物性タンパク質も同時に摂取するようにしましょう。
また、カルシウムや食物繊維は、鉄分の吸収を阻害する栄養素です。たとえば牛乳などと一緒に鉄分を摂取すると、鉄分の吸収率は低下するので注意が必要です。
4-3おすすめの食材
幼児食で鉄分を補給するときには小松菜、ほうれん草、海苔、きなこ、納豆、レバーなどの食材がおすすめです。
特に小松菜やほうれん草はアレンジがしやすく、幼児食には最適です。ただし、ほうれん草に含まれるシュウ酸も鉄分の吸収を妨げるので、しっかり灰汁をとってから利用しましょう。
また、きなこや納豆などの大豆製品、海苔、ヘム鉄であるレバーなども摂取したい食品です。
もし下処理などが手間な場合には、ベビーフードなどを利用するという方法もあります。
4-4タンニンは鉄の吸収を妨げるから注意
鉄分は他の栄養素との組み合わせによって吸収が阻害されることもあります。
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるタンニンも鉄の吸収を妨げる栄養素です。
そのため、緑茶を飲むときは食事中は避けるといった工夫が必要になります。
05まとめ
元気に成長するためにはしっかり栄養を含んだ幼児食を与えることが重要です。鉄分だけでなく、他にも様々な栄養が必要となるため、気になったからはさらに詳しく勉強してみてはいかがでしょうか。
3-1ヘム鉄
ヘム鉄は、動物などに含まれている鉄分です。このヘム鉄は効率よく吸収できることが特徴。ヘム鉄はレバー、貝類などに含まれていますが、日本人の一般的な食事ではなかなか摂取できていないのが現状と言われています。
3-2非ヘム鉄
非ヘム鉄は、植物などに含まれている鉄分です。このヘム鉄は一般的な食事に含まれることが多く、食材では小松菜、ひじき、豆乳などに豊富に含まれています。ただし、ヘム鉄に比べると吸収の効率が悪いと言われているため、自分ではしっかりと鉄分を摂取しているつもりでも、食べた食材から鉄分を吸収しきれずに、結果として鉄分不足に陥ってしまうということも考えられます。
では鉄分を摂取するときにはどのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。
4-1離乳食初期から取り入れる
鉄分を摂取するときには、離乳食の初期の段階から取り入れるのがおすすめです。すでに説明したように、乳児の間は母親の身体を通じて送られた鉄分が体内に豊富に存在していますが、それもやがて使い切ってしまうため、鉄分が不足しがちになってしまいます。
それを防ぐためにも、できるだけ早い離乳食の初期段階から積極的に鉄分を取り入れることが必要です。
ただし、鉄分を過剰に摂取した場合には嘔吐や下痢、腹痛の原因となります。ひどい場合には肝硬変や脂肪肝の原因となることもあります。普通に食事を摂取しているだけではこのような状態にはなりませんが、サプリなどを使用するときには十分に注意しましょう。
4-2ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂る
鉄分は摂取するだけでなく、体内への吸収率を上げることが重要です。
そんなときに役立つのがビタミンCや動物性タンパク質。これらの栄養素は、鉄分の吸収率をアップさせてくれます。特に野菜に含まれる非ヘム鉄の食材を食べるときには、ビタミンCや動物性タンパク質も同時に摂取するようにしましょう。
また、カルシウムや食物繊維は、鉄分の吸収を阻害する栄養素です。たとえば牛乳などと一緒に鉄分を摂取すると、鉄分の吸収率は低下するので注意が必要です。
4-3おすすめの食材
幼児食で鉄分を補給するときには小松菜、ほうれん草、海苔、きなこ、納豆、レバーなどの食材がおすすめです。
特に小松菜やほうれん草はアレンジがしやすく、幼児食には最適です。ただし、ほうれん草に含まれるシュウ酸も鉄分の吸収を妨げるので、しっかり灰汁をとってから利用しましょう。
また、きなこや納豆などの大豆製品、海苔、ヘム鉄であるレバーなども摂取したい食品です。
もし下処理などが手間な場合には、ベビーフードなどを利用するという方法もあります。
4-4タンニンは鉄の吸収を妨げるから注意
鉄分は他の栄養素との組み合わせによって吸収が阻害されることもあります。
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるタンニンも鉄の吸収を妨げる栄養素です。
そのため、緑茶を飲むときは食事中は避けるといった工夫が必要になります。
05まとめ
元気に成長するためにはしっかり栄養を含んだ幼児食を与えることが重要です。鉄分だけでなく、他にも様々な栄養が必要となるため、気になったからはさらに詳しく勉強してみてはいかがでしょうか。
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- 幼児食の鉄分の重要性と取り方
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