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認知療法・認知行動療法とは?メリットとデメリット・治療の流れを紹介

「認知療法・認知行動療法」とは心理療法の一種です。
この療法では物事の捉え方や思考などの「認知」に働きかけ、悲観的な考え方や行動の修正を助けます。
うつ病や統合失調症などの治療に効果があるとされています。
薬物療法と違い、副作用がなく再発しにくいのがこの療法のメリットです。
今回は、認知療法・認知行動療法の概要と期待できる効果、治療の流れをご紹介します。
心理学に興味のある方や、実際に勉強しているという方もぜひ参考にしてみてください。

目次

01認知療法とは

「認知療法(cognitive therapy)」とは、アメリカの精神科医アーロン・T・ベック(Aaron Temkin Beck)が提唱したうつ病患者のための心理療法です。
うつ病の研究をしていたベックは、うつ病患者が自分や周囲、将来に対して否定的・悲観的な思考を持つことに注目。
そしてそのようなネガティブな思考を患者自身に認知させ、その考え方を修正させて新しい考え方ができるように導いていくようにしました。これが「認知療法」の特徴です。
否定的・悲観的な思考を修正させるため、カウンセラーはその思考にいたる理由や別の考え方がないかを患者に質問していきます。物事の捉え方や思考などの「認知」にアプローチし、考え方や行動を修正していくのは「認知療法」特有の手法です。

02行動療法とは

「行動療法(behavior therapy)」とは、心理療法の一つで、相談者の問題行動を分析して正常な反応を示せるように助ける療法です。
「行動療法」では、相談者が抱える行動上の問題(恐怖症・習癖など)そのものに着目します。行動上の問題は以下のような理由により起きていると考えられています。
《相談者が抱える行動上の問題》
① ある場面に対し何らかの原因で不適切な行動や感情を結びつけてしまい、そのまま習慣化してしまった。
②ある場面に対して、適切な行動や感情をまだ身についていない。

この行動療法では、相談者とカウンセラーが一緒に治療目標を立て、さまざまな技法を用いて不適切な行動や感情を修正していきます。
他の心理療法と違うのは「さまざまな技法」を用いるという点です。
一般的な心理療法では、基本的にどんな症状であっても、一定の技法で治療していきます。一方行動療法では、症状や治療目標の設定に応じて異なる技法を用いるのです。

03認知行動療法とは

認知行動療法とは
「認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy)」とは、「認知療法」と「行動療法」の長所をそれぞれ取り入れ融合させた心理療法です。
現在では「認知療法」「認知行動療法」に差異はなく、ほぼ同じ意味で使われています。
「認知行動療法」は問題点を具体的にし、行動や思考などを少しずつ変えていくことで、問題解決を目指します。
例をあげて、もう少し具体的に見ていきましょう。

3-1「自動思考」に働きかける

以下の場面を想像してみてください。
あなたは残業で帰宅が夜遅くなってしまいました。帰り道、突然雨が降ってきます。しかし傘を持っていません。
そのときあなたは以下のうちどのような思考をするでしょうか?

・天気予報では雨は降らないって言っていたのに、嘘ばっかり!
・もう少し早く終わるように頑張ればよかった
・みんな私に仕事を押し付けてひどい!
・あのコンビニで傘を買おう

どのような思考を持つかは人により異なります。
このようにある出来事に対し、瞬間的に頭に浮かぶ思考のことを「自動思考」と言います。
認知行動療法では、この「自動思考」に着目し、ストレスに負けない柔軟な考え方ができるように働きかけます。
悲観的にも楽観的にもなりすぎず、バランスの取れた考え方をして上手に問題に対処できるよう助けていくのです。

04認知療法・認知行動療法の効果とメリット・デメリット

認知療法・認知行動療法は、以下の精神疾患の治療において効果があるとされています。

《効果の期待できる精神疾患》
・うつ病
・パニック障害
・PTSD(心的外傷後ストレス障害)
・強迫性障害
・社交不安障害
・不眠症
・摂食障害
・統合失調症 など

しかしどんな治療でも、人によって合う・合わないがあります。認知療法・認知行動療法でも同じことです。ここでは、認知療法・認知行動療法のメリット・デメリットをご紹介します。

4-1認知療法・認知行動療法のメリット

認知療法・認知行動療法のメリットには、以下があげられます。

・治療による回復率が高い
・再発しにくい
・副作用がない割に、薬物治療と同じような効果が期待できる
・治療のみならず、予防の点でも役立つ

治療による回復率が高いことや、薬物治療と比べ再発しにくいのが利点です。

4-2認知療法・認知行動療法のデメリット

認知療法・認知行動療法のデメリットには以下があげられます。

・即効性がなく、短期間での効果は期待できない
・効果が出にくい、合わない相談者もいる

認知療法・認知行動療法を取り入れる際は、長期的な視点で取り組む必要があります。

05認知療法・認知行動療法の流れ

認知療法・認知行動療法の流れ
認知療法・認知行動療法はどのような流れで行われるのでしょうか?
ここからは厚生労働省の「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」を参考に、うつ病の場合の治療の流れをご紹介します。
この治療では認知療法・認知行動療法の代表的な技法である「コラム法(認知再構成法)」「問題解決技法」を利用して、進めていきます。

面接は16~20回程度を想定します。
相談者の状況を見て回数を判断することが重要です。

《認知行動療法の流れ》
① 症状に関する問診・療法の理解
② 治療目標の設定・活動量を増やす
③ 7つのコラムのうち3つのコラムを使いこなす
④ コラム法を進める・問題解決技法
⑤ コラム法仕上げる・スキーマ(心の法則)に気づく
⑥ 治療の終了と再発防止

上記の流れで治療を進めながら、毎回ホームワーク(宿題)を出します。
自らの力で行うホームワークは、面接で話したことを再度考察したり、行動に移したりするのに必要なものです。
次回治療の開始の際に、ホームワークの確認をします。
各項目の詳細を見ていきましょう。

5-1① 症状に関する問診・療法の理解

医師の問診がまだ行われていない場合、成育歴や現在の生活の様子、病気に関する家族の理解度などを確認していきます。
うつ病やこれから行っていく認知行動療法について、相談者にも理解してもらうことが重要です。
問診後に相談者の問題点を整理し、相談者へ伝えます。問題点の中でも、どの問題に対しこれからアプローチしていくかを決定します。

5-2② 治療目標の設定・活動量を増やす

問題に対する治療目標を決めます。
治療目標とは「自分がコントロールできる行動」などです。大きな目標(全般的目標)と、具体的に自分で行動する目標(具体的目標)に分けて決めます。

たとえば…
全般的目標:仕事を終わらせる など
具体的目標:期限に間に合うように資料を作る・朝のうちに提出書類を仕上げる など

このように自分から何かをすることで、相談者自身を活性化していきます。

5-3③ 7つのコラムのうち3つのコラムを使いこなす

治療目標の設定をしたら、次は「コラム法」という技法を使って治療していきます。
コラム法とは、下記の表を埋めていくことで、新たな考え方ができるように促すものです。
以下の図の「7つのコラム」の中から最初の3つのコラムを使っていきます。「状況」「気分」「自動思考」です。

③ 7つのコラムのうち3つのコラムを使いこなす

引用:厚生労働省|うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)

「状況」:最近つらいと感じた出来事を具体的に記載します。
「気分」:不安・恥・心配など、そのときの気分を書き出します。その気持ちを何%ぐらい感じたか、気分のレベルも書き出します。
「自動思考」:そのときに思ったことや、「自分のこと」「他の人のこと」「今後のなりゆき」についてそれぞれ記載します。

最初はカウンセラーが聞きながら書き出していき、慣れてきたら相談者自身に書いてもらいます。

5-4④ コラム法を進める・問題解決技法

ここでは「問題解決技法」を使い、自らの力で問題を解決するための計画を立てたり、その考え方を身につけていったりします。
このステップでは、7つのコラムのうち残りの4つを完成させましょう。
それと同時に、バランスの取れた見方ができるように意識します。
具体的には、以下の3つのアプローチを実施します。

①事実に基づいて考える
②認知のかたよりに注目
③視点を変える
事実に基づいて考える
まず「自動思考」に記載した内容を裏づける事実を「根拠」に記載します。次に、第三者だったら、過去や未来の自分だったらどう考えるかを質問しその内容を「反証」に記載します。事実に基づいて考えることが大切です。
認知のかたよりに注目
私たちは誰もが下図にあるように「認知(物事の見方や思考回路)のかたより」を持っています。うつ状態では顕著になりがちです。
認知のかたよりに注目
引用:厚生労働省|うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)

自動思考にこのかたよりがないかどうかを検証します。
視点を変える
「バランス思考」を記載するために、視点を変えて自動思考を見直してみます。
「友人や家族が同じ考えをしていた場合、なんとアドバイスするか?」「自分の友人だったら、どのようにアドバイスをくれるか?」などと、視点を変えてみましょう。

5-5⑤ コラム法を仕上げる・スキーマ(心の法則)に気づく

人の考えや行動には個々に法則(スキーマ)があり、そのパターンが自動思考を作っています。
うつ病の場合マイナスのスキーマが優勢になり、それが自動思考に影響を与えているのです。
自分自身のスキーマに気づけると、マイナスの自動思考から抜け出すきっかけとなり、うつ病の再発防止になります。このステップは相談者が主導して行うのが理想です。

5-6⑥ 治療の終了と再発防止

相談者主導で作業できるようになってきたら、治療終了の準備を提案し、今までの治療の振り返りをします。さらに以下のことを周知します。

・治療が終わってからも、身についたスキルを日常的に使うこと
・うつ病が再発する可能性もあること
・再発した場合の対処法

そして治療の成果は相談者自身の努力によることを強調します。

06認知療法・認知行動療法は自分でもできる

認知療法・認知行動療法は自分で取り組んでも効果が期待できます。
ここでは自分で行える方法をご紹介します。

6-1自分で7つのコラムをやってみる

自分で行う場合は、上記でご紹介した7つのコラムを自分で作成してみたり、日記形式で「よかったこと」「よくなかったこと」「改善する方法」を書き込んだりする方法などがあります。
また、認知行動療法を取り入れたWEBサイトなども活用できます。自分に合った方法を見つけられるといいですね。

6-2心理資格を取得する

ストレス社会と呼ばれる昨今、誰もが精神疾患のリスクを抱えています。
認知療法・認知行動療法だけでなく、心理療法にはさまざまな種類があります。
心理学は、精神疾患だけでなく今後の生活にも役立てられる知識です。もう少し詳しく学んでみたい方は、資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか?
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07まとめ

「認知療法・認知行動療法」とは、瞬間的に思い浮かぶ思考(自動思考)に着目し、悲観的・否定的な思考を現実的・柔軟な思考に変えるよう促していく療法です。
うつ病やパニック障害、PTSDなど多くの精神疾患に効果があるとされています。
また、薬物療法と比べて副作用がないことや、予防にも役立つことから非常に注目されています。
個人で心理療法を取り入れたいと考えている方は、通信教育で心理資格を取得するのもおすすめです。
心理資格が気になる方は、お気軽に「諒設計アーキテクトラーニング」まで、お問い合わせください。

この講座は!プロの監修を受けています!

講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
あーちゃん 先生
精神科クリニック勤務
1992年生まれ。静岡市出身。精神科クリニック勤務と学校のスクールカウンセラーを兼任しており、普段はカウンセリングや知能検査を実施している。

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