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タイ古式整体セラピスト®

タイ古式マッサージとタイ伝統医学の深い繋がり

タイ古式マッサージは、単なるリラクゼーションの手法にとどまらず、何世代にもわたって受け継がれてきたタイ伝統医学の重要な要素です。
タイ伝統医学の根底には、心身のバランスとエネルギーの調和を重視する哲学があり、マッサージはその実践の一部として発展してきました。
美容やダイエットにも効果が期待できるタイ古式マッサージ。その理論的なベースとなっているのがタイに伝わる伝統医学です。では、タイの伝統医学とはどのようなものなのでしょうか。今回はタイの伝統医学の考え方についてご紹介します。

奥が深い!タイの伝統医学について
目次

01タイ伝統医学の基本概念

タイ伝統医学は、何千年もの歴史を持つ健康管理と治療の体系であり、現代に至るまで多くの人々に恩恵をもたらしてきました。 現代医学とは異なる視点から、身体と心のバランスを重視し、自然界との調和を求めるこの医学は、東南アジア特有の風土と文化の中で育まれてきました。 タイ伝統医学の基本概念を理解することで、その重要性と歴史的背景をより深く知れます。

1-1タイ伝統医学の重要性とその定義

タイ伝統医学は、単なる治療法にとどまらず、全体的な健康とウェルビーイングを促進するための包括的なアプローチです。 その根底には、人間の体と心、そして環境との調和を重視する哲学があります。 ここでは、タイ伝統医学がいかにして個人の健康を支えるか、その重要性と基本的な定義について詳しく解説していきます。

健康とバランスの維持

タイ伝統医学の中心にあるのは、身体、心、そしてスピリットのバランスを維持することです。 このバランスが崩れると、病気や不調が生じると考えられています。 従って、タイ伝統医学では、予防を重視し、自然治癒力を高めることで健康を保つことが求められます。 これには、食事、運動、精神的な安定が重要な要素となります。

自然界との調和

タイ伝統医学は、自然界との調和を大切にします。 自然のサイクルに従った生活や、季節ごとの食事、植物を使った薬草療法などがその一例です。 これにより、人々は自然のリズムに合わせて生活でき、心身の健康を維持できます。

1-1古代から続くタイ伝統医学の歩み

タイ伝統医学の歴史は、古代にまで遡ります。 インド、中国、そして東南アジアの文化的な影響を受けながら、タイ独自の医学体系が発展してきました。 この歴史的背景を理解することで、タイ伝統医学がいかにして今日まで受け継がれてきたのか、その重要なポイントを知れます。

初期の影響と発展

タイ伝統医学は、インドのアーユルヴェーダや中国の伝統医学から多大な影響を受けています。 これらの医学がタイに伝わる過程で、タイの風土や文化と融合し、独自の発展を遂げました。 特に、仏教の影響を強く受けており、宗教的な儀式や瞑想が治療の一部として取り入れられています。

中世から現代への変遷

中世に入ると、タイ伝統医学は王宮や寺院を中心に体系化され、教育や文献の整備が進みました。 現代においても、タイ伝統医学は多くの人々に利用されており、特にマッサージやハーブ療法は国際的にも知られています。 こうした歴史の積み重ねが、タイ伝統医学を今日の地位に押し上げたのです。

1-1健康を支えるエネルギーライン「セン」の役割

タイ伝統医学において、「セン」と呼ばれるエネルギーラインは、身体の健康と密接に関連しています。 センは体内を流れる生命エネルギーの通り道であり、このエネルギーの流れがスムーズであることが、心身の健康を保つために重要とされています。 ここでは、センの役割とその健康への影響について詳しく解説します。

センの構造と機能

センは体内に72,000本存在すると言われ、そのうち10本が特に重要視されています。 これらのラインが滞ると、エネルギーの流れが悪くなり、病気や不調の原因になるとされています。 タイ伝統医学では、このエネルギーラインを整えることが、健康の維持に欠かせないと考えられています。

センを刺激する治療法

センのエネルギーをスムーズに流すために、タイ古式マッサージや指圧が用いられます。 これらの治療法は、センを刺激し、エネルギーの流れを改善することで、身体のバランスを整え、病気を予防する効果が期待されています。

014つの基本要素とタイ伝統医学

タイ伝統医学において、健康とバランスの維持は4つの基本要素、「地(ち)」「水(すい)」「風(ふう)」「火(か)」の調和によって達成されるとされています。 これらの要素は、身体と心のすべての機能を支える基盤であり、それぞれが特定の生理的および心理的な役割を果たしています。 ここでは、この4つの要素のうち「地」「風」「火」の詳細を探り、タイ伝統医学の深遠な世界について解説していきます。

1-1身体と心を構成する「地」の要素

「地」の要素は、身体の構造や安定性、精神の落ち着きを象徴します。 タイ伝統医学では、「地」は骨、筋肉、皮膚、臓器など、身体を形作るすべての物質的な部分を支配していると考えられています。 この要素がしっかりと機能することで、身体は強固で安定した状態を保て、心もまた安定した状態を維持します。

「地」の要素が健康に与える影響

「地」の要素がバランスを崩すと、身体的には筋肉の硬直や関節の痛み、慢性的な疲労感などが現れることがあります。 また、精神的には不安定さや焦燥感が増し、ストレスに対する抵抗力が低下することが考えられます。 これを防ぐためには、適度な運動やバランスの取れた食事が重要です。 特に、タイ伝統医学では、温かい食事や根菜類を積極的に摂取することが「地」の要素を強化する方法とされています。

1-1生命力を司る「風」のエネルギー

「風」の要素は、身体のすべての運動とエネルギーの流れを支配しています。 呼吸や血液の循環、消化、さらには神経の伝達まで、すべての動的なプロセスが「風」の影響を受けています。 タイ伝統医学においては、この「風」のエネルギーが正しく流れることが、生命力を維持し、心身の健康を保つために不可欠とされています。

「風」のエネルギーとそのバランス

「風」のエネルギーが乱れると、体内の循環が滞り、冷えや消化不良、神経系の不調が引き起こされる可能性があります。 また、精神的には集中力の低下やイライラ感が生じることが考えられます。 これを予防するためには、適切な呼吸法やストレッチ、ヨガなどのリラクゼーション方法が有効です。 タイ伝統医学では、瞑想や呼吸法を取り入れることで、「風」のエネルギーのバランスを整えることが推奨されています。

1-1体内のバランスを整える「火」の役割

「火」の要素は、消化や代謝、体温の維持など、すべての変換プロセスに関わっています。 この要素は、食べ物をエネルギーに変え、体内の余分なものを燃焼させる働きを持っています。 タイ伝統医学では、「火」がしっかりと機能することで、体内のバランスが保たれ、健康が維持されると考えられています。

「火」のバランスがもたらす効果

「火」の要素が強すぎると、体内で炎症が起こりやすくなり、消化器系のトラブルや皮膚の問題が現れることがあります。 一方で、「火」が弱いと、消化不良や代謝の低下が見られ、エネルギーレベルの低下や肥満につながる可能性があります。 タイ伝統医学では、スパイスや温かい飲み物を取り入れることで、「火」のバランスを保つことが奨励されています。 また、適度な運動も「火」を活性化するのに有効です。

01タイ古式マッサージの理論と実践

タイ古式マッサージは、タイ伝統医学の重要な要素であり、数百年にわたって人々の健康を支えてきました。 このマッサージは単なるリラクゼーションの手法としてだけでなく、身体と心のバランスを整えるための包括的な治療法としても高く評価されています。 タイ古式マッサージの理論と実践を理解することで、その真の価値を見出せます。

1-1エネルギーの流れを促進するマッサージの技術

タイ古式マッサージの中心には、身体のエネルギーの流れを促進する技術が存在します。 このエネルギーの流れが円滑であることは、健康維持にとって非常に重要です。 タイ古式マッサージは、身体の特定のポイントやラインに対して圧をかけたり、ストレッチを行ったりすることで、エネルギーの流れをスムーズにし、体内のバランスを整えることを目指します。

マッサージ技術の基本

タイ古式マッサージでは、手、肘、膝、足などを使ってリズミカルに身体を圧迫することが一般的です。 この圧迫は、筋肉をほぐし、血液の循環を促進するとともに、エネルギーラインを刺激します。 特にストレッチを組み合わせることで、筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を広げる効果があります。

リズムと呼吸の調和

タイ古式マッサージの実践においては、施術者と受け手のリズムと呼吸の調和が重要です。 施術者は、受け手の呼吸に合わせて圧をかけるタイミングを調整することで、エネルギーの流れをより効果的に促進します。 この調和が取れていると、施術の効果はさらに高まり、心身ともに深いリラクゼーションが得られます。

1-1「セン」ラインへのアプローチとその効果

タイ古式マッサージにおいて、特に重要視されるのが「セン」と呼ばれるエネルギーラインへのアプローチです。 この「セン」は、体内に流れるエネルギーの通り道であり、健康維持の鍵を握っています。 「セン」への適切なアプローチは、身体の調和を取り戻し、様々な不調を改善するために不可欠です。

センの理論的背景

「セン」とは、タイ伝統医学におけるエネルギーの経路を指し、人体には72,000本ものセンが存在するとされています。 その中でも、10本が特に重要であり、これらが主要なエネルギーの流れを担っています。 これらのセンが滞ると、エネルギーの循環が悪くなり、心身の不調を引き起こすと考えられています。

センを刺激する技法

タイ古式マッサージでは、センを刺激するために特定のポイントを圧迫したり、ストレッチを行ったりします。 これにより、エネルギーの滞りが解消され、体内のバランスが回復します。 また、施術によってセンのエネルギーが活性化されることで、免疫力が向上し、自然治癒力が高まる効果も期待できます。

センへのアプローチによる具体的な効果

「セン」ラインへのアプローチによって得られる効果は多岐にわたります。 例えば、肩こりや腰痛の緩和、消化機能の改善、精神的なリラックスなどです。 また、センの流れを整えることで、全身のエネルギーがバランスよく巡り、心身の調和が取れるようになります。 これにより、慢性的な疲労やストレスが軽減され、全体的な健康状態が向上します。

01タイ伝統医学における治療法と施術

タイ伝統医学は、古くから伝わる総合的な医療体系であり、心と身体の調和を重視したアプローチを採用しています。 この医学の目的は、身体の健康を保つだけでなく、精神的な安定も実現することです。 タイ伝統医学における治療法と施術は、自然界の要素と深く関連しており、それぞれの施術が全体的なバランスを整えるために設計されています。 ここでは、心身の調和を保つための施術法と、4大元素のバランスを整える治療法について詳しく解説していきます。

1-1心身の調和を保つための施術法

タイ伝統医学において、心身の調和を維持することは健康の基盤とされています。 これを達成するための施術法は多岐にわたり、それぞれが特定の目的と効果を持っています。 心身の調和を保つための施術法について理解することは、タイ伝統医学を実際に取り入れる上で重要です。

瞑想と呼吸法

瞑想と呼吸法は、心身の調和を保つために不可欠な施術法です。 タイ伝統医学では、これらの方法が心を落ち着かせ、精神的な安定を促進すると信じられています。 特に、瞑想はストレスの軽減や集中力の向上に効果があり、呼吸法はエネルギーの流れを整え、内面的なバランスを保つ役割を果たします。 これらの施術法は、日常生活の中でも簡単に取り入れられ、持続的な健康維持に貢献します。

ハーブ療法

ハーブ療法もまた、タイ伝統医学において重要な施術法の一つです。 タイでは、古来よりハーブが様々な病気の予防と治療に使用されてきました。 ハーブは、体内の毒素を排出し、免疫力を高める効果があるとされています。 タイ伝統医学では、ハーブティーやハーブバス、またはハーブを用いたマッサージが行われ、心身の調和を保つための自然な治療法として広く利用されています。

1-1 4大元素のバランスを整える治療法

タイ伝統医学の基礎には、自然界の4大元素、すなわち「地(ち)」「水(すい)」「風(ふう)」「火(か)」のバランスを保つことが重要であるという考え方があります。 これらの元素がバランスを保つことで、体内のエネルギーが正しく循環し、健康が維持されるとされています。 4大元素のバランスを整える治療法は、それぞれの元素が果たす役割に基づいて行われます。

「地」の要素を強化する治療法

「地」の要素は、身体の構造や安定性を象徴しています。 この要素がバランスを崩すと、身体の弱体化や精神的不安定が引き起こされることがあります。 これを防ぐために、タイ伝統医学では、食事療法や特定のハーブ、根菜類の摂取が推奨されています。 これにより、「地」の要素を強化し、身体の基盤を安定させることが可能です。

「水」の要素を調整する治療法

「水」の要素は、体内の液体の流れや感情バランスの象徴です。 この要素が不均衡になると、むくみや感情の乱れが生じることがあります。 タイ伝統医学では、冷却効果のあるハーブや、水分補給、特定のマッサージが「水」の要素を整えるために利用されます。 これにより、身体内の水分バランスが調整され、感情の安定も図られます。

「風」の要素を整える治療法

「風」の要素は、呼吸や循環、神経系の働きを司っています。 この要素が乱れると、呼吸器系の不調や神経過敏が生じる可能性があります。 これを調整するために、タイ伝統医学では、適切な呼吸法やリラクゼーションの技法が取り入れられています。 特に、アロマセラピーやヨガが「風」の要素を整えるのに有効です。

「火」の要素をバランスさせる治療法

「火」の要素は、消化や代謝、体温調整に関与しています。 この要素が過剰になると、炎症や消化不良が起こりやすいです。 タイ伝統医学では、「火」の要素をバランスさせるために、スパイスの使用や温かい飲み物の摂取が奨励されています。 また、適度な運動も「火」の要素を調整する効果があり、健康維持に寄与します。 タイ伝統医学における治療法と施術は、心身の調和を保つことを中心に設計されており、4大元素のバランスを整えることが基礎です。 これらの治療法は、自然との調和を大切にしながら、身体と心を健康に保つための総合的なアプローチを提供します。

01タイ伝統医学と現代医療の融合

タイ伝統医学は、長い歴史と深い文化的背景を持つ療法であり、現代医療との融合が進む中で、新たな可能性が広がっています。 タイ伝統医学の根幹には、身体と心の調和を図る総合的なアプローチがあり、これが現代医療における治療法と補完し合う形で、患者により良いケアを提供する基盤となっています。 ここでは、伝統医学と現代医学がどのように相互作用し、どのように融合しているのかを詳しく解説していきます。

1-1伝統医学と現代医学の相互作用

伝統医学と現代医学は、それぞれ異なる方法論と視点を持っていますが、両者が相互に補完し合うことで、より包括的な医療が可能です。 タイ伝統医学は、予防と健康維持に重点を置き、自然治癒力を高めることを目指します。 一方、現代医学は、急性疾患や重篤な病気の治療に優れています。 これらの異なるアプローチが融合することで、患者はより全体的なケアを受けられます。

相互作用の具体例

具体的には、タイ古式マッサージが西洋医学のリハビリテーションと組み合わされるケースがあります。 例えば、運動機能の回復を目指す患者に対して、タイ古式マッサージが血行促進や筋肉の柔軟性向上を助け、リハビリ効果を高める役割を果たします。 また、ハーブ療法が現代の薬物療法と併用されることで、副作用の軽減や免疫力の強化が期待されることもあります。 これらの相互作用は、患者の治療効果を向上させるために重要です。

統合医療としてのアプローチ

タイでは、統合医療という形で伝統医学と現代医学が共存しています。 これにより、患者は一つの病院で両方のアプローチから治療を受けられ、最適な治療法を選択できます。 統合医療は、特に慢性疾患や難治性疾患に対する治療において、良好な結果をもたらすことが多く、世界中で注目されています。

1-1タイ古式マッサージの現代的応用とその可能性

タイ古式マッサージは、単なるリラクゼーションの手法にとどまらず、現代社会におけるさまざまな健康問題に対して有効な治療法として再評価されています。 特に、ストレス社会において、心身の緊張を解きほぐすための手段として広く利用されています。 ここでは、タイ古式マッサージの現代的応用と、今後の可能性について解説します。

現代社会におけるストレス管理

現代社会において、ストレスは多くの健康問題の原因となっています。 タイ古式マッサージは、深いリラクゼーションを提供し、ストレスホルモンのレベルを下げる効果があるとされています。 また、呼吸法やストレッチを組み合わせたマッサージは、心と身体の緊張を緩和し、全体的な健康を促進します。 このため、企業やスポーツ団体でもタイ古式マッサージが導入されるケースが増えてきているのです。

リハビリテーションへの応用

タイ古式マッサージは、リハビリテーション分野でもその効果が注目されています。 例えば、スポーツ障害や手術後の回復過程で、筋肉の柔軟性を高め、痛みを軽減するために利用されることがあります。 タイ古式マッサージの穏やかな圧力とリズミカルな動きが、血流を改善し、回復を促進するため、リハビリプログラムに取り入れることが有効です。

メンタルヘルスへの寄与

さらに、タイ古式マッサージは、メンタルヘルスの向上にも貢献します。 心身の調和を取り戻すことを目的としたこの療法は、うつ病や不安障害などの精神的な不調にも有効です。 マッサージによって、セロトニンやエンドルフィンといった「幸福ホルモン」が分泌され、精神的な安定をもたらします。 このため、心理療法やカウンセリングと併用されることも多いです。 タイ伝統医学と現代医療の融合は、単なる治療法の選択肢を超えて、患者にとってより良い結果をもたらす新しい医療の形を提示しています。 伝統医学の持つ自然治癒力を高める力と、現代医学の科学的な治療法が相互に補完し合うことで、より包括的なケアが提供されることが期待されます。 タイ古式マッサージをはじめとする伝統的な手法が、現代の多様な健康ニーズに応える手段として、今後さらに発展していくことでしょう。

01タイ伝統医学

世界各国には、それぞれの風土や文化に根差した伝統医学が存在しています。
伝統医学の中には、中国の漢方医学のように理論的な体型を持つものや、経験的な民間療法まで様々な種類がありますが。やがて西洋医学が発展し、世界中に広がっていくと、伝統医学はいかがわしいもの、非科学的なものとして排除されていきますが、現在では西洋医学では完治できない病気や病名をつけることができない症状や不調に対する西洋医学の代替療法として、伝統医療は見直される方向に向かっています。
タイの場合、伝統医学の起源は今から約2500年ほど前だと言われています。当時、釈迦の主治医であったとされるシヴァカ・ゴマラパット師が伝える医術が、仏教の伝来と共にタイに伝わったというのが通説となっていて、そのためタイの医学はインドの仏教医学や、アーユルヴェーダに大きな影響を受けています。さらに、当時世界最大の文明国であった中国からは中国の伝統医学である中医学が伝わり、それらがミックスされて、タイの風土や文化に合うような形で発展していきました。

1-1 土(地)・水・風・火の4大元素が基盤

タイの伝統医学がインドの医学であるアーユルヴェーダに強い影響を受けているというのはすでに説明した通りですが、このアーユルヴェーダの考え方がタイの伝統医学の基礎となっています。その代表的な存在が「タート」と呼ばれるものです。
「タート」とは、簡単に言えば世の中のあらゆるものを構成する要素のこと。
アーユルヴェーダでは、宇宙の構成要素を土、水、火、風、空の五種類として考えますが、タイの伝統医学では「土(地)・水・風・火」の四つの元素が基盤となっています。
タイの伝統医学では、人間の身体はこれら四つの元素によって構成されると考えます。また、人間だけでなく、宇宙もこの四つによって構成され、宇宙と人間の身体は別々の存在ではなく、それぞれがお互い密接な関係を持っているといるというのがタイ伝統医学の基礎となる考え方です。
この四つの要素は誰の身体にもそれぞれが持っているもので、これらがバランスを保っているとき、身体は健康な状態でいると考えられます。
また、これらの四つの要素のバランスに加えて、季節や気候、年代、場所、生活習慣などの兼ね合いが人間の病気の原因と考えます。

024大元素理論

それでは、タイの伝統医学で用いられる「土(地)・水・風・火」の四つの元素とはそれぞれどのようなものなのでしょうか。

2-1「土」

「土」は「タート・ディン」とも呼ばれる要素です。簡単に言えば、土の要素を持っているものは、火で燃やすと土に返る性質を持っているものです。
人間の身体で土の要素として分類されるものは約20種類あり、髪、毛、爪、歯、皮膚、筋肉、内臓といったものが土に当たります。
また、タイの伝統医学では人間のタイプも四種類に分類され、身体や骨格が大きく、紙が黒く、声がよく通り、太っていて頑丈といったタイプの人は「土」タイプの人だと考えれます。

2-2「水」

「水」は「タート・ナーム」と呼ばれる要素です。水の要素を持っているものは、流れたり、浸透したりといった性質を持っているものです。
人間の身体の中で水の要素として分類されるものは約12種類あり、血液、汗、胆汁、涙、リンパ液、脂肪といったものが水に当たります。
人間のタイプでいうと、スタイルがよく、涙の量が多く、身体のバランスが良く、暑さや寒さに強く、性格的には消極的な人は「水」タイプの人だと考えられます。

2-3「風」

「風」は「タート・ロム」と呼ばれる要素です。風の要素を持っているものは、流れる、動くといった性質を持っています。
人間の身体の中で風の要素として分類されるものは約6種類あり、頭から足へと流れるもの、足から頭へと流れるもの、内臓の中で動くもの、呼吸、血液の循環といったものが風に当たります。
人間のタイプでいうと、やせ型で髪は薄く、寒さに弱く、声が小さく、性格的には熱しやすく冷めやすいといった人は「風」タイプの人だと考えられます。

2-4「火」

「火」は「タート・ファイ」と呼ばれる要素です。火の要素を持っているものは、熱を発生させるという性質を持っています。
人間の身体の中で火の要素として分類されるものは約4種類あり、体温、高熱、消化のエネルギーなどが火にあたります。
人間のタイプでいうと、食欲が旺盛で髪は柔らかく、暑さに弱く、性格的には忍耐力に欠けるといった人は「火」タイプの人だと考えられます。

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03伝統医学のタイ古式マッサージ

タイ古式マッサージはタイの伝統医学の考え方に基づいて行われるものです。では、タイ古式マッサージとタイの伝統医学とは具体的にはどのような関係にあるのでしょうか。

3-1タイ古式マッサージを用いて4要素の流れをよくする

タイ古式マッサージは、これまで説明してきた四つの要素のうち「風」とのつながりが大きいと考えられています。
タイの古式マッサージは指圧とストレッチを組み合わせた施術を行いますが、そのときに重要になるのが「セン」と呼ばれるエネルギーラインを刺激するということです。
エネルギーラインとは、人間の身体の中でのエネルギーの通り道のこと。中国の伝統医学でも「経絡」というエネルギーの流れる通り道についての考え方が用いられますが、「セン」もこれと同じく、体内のエネルギーが移動するときに通る場所と考えることができます。
もし「セン」が良好な状態であれば、エネルギーは自由に身体の中を移動できますが、もしこの通り道が滞っている場合、エネルギーは必要な場所に届くことができず、また身体の中で生まれた老廃物はきちんと排出することができなくなり、溜まり続けてしまいます。
そこでタイ古式マッサージでは「セン」の近くを指圧することで、エネルギーの流れを整えて身体を正常な状態へと導きます。
これは、先ほどの四つの要素で考えた場合、「風」の流れを整えるということになります。
また、「セン」の近くには血液が流れる血管や、リンパの通り道であるリンパ腺が位置しています。そのため、「セン」を指圧することは、筋肉が動いたときにポンプの役割を果たすのと同様に、血管やリンパ管の流れを促進します。そのとき、血液は身体のあちこちに酸素や栄養分を届け、リンパは体内の不要な水分や老廃物を排出します。つまり、これは四つの要素のうち「水」の流れが整えられるということ。
さらにタイ古式マッサージは指圧に加えて、ヨガに似たポージングのストレッチが行われます。これは身体の歪みを矯正し、筋肉や骨、内臓といった「土」の要素を整えることにつながります。また、ストレッチの際は深い呼吸を行いリラックスすることで、感情を鎮めて「火」のバランスを取ります。
このように、タイ古式マッサージでは施術を通して「セン」を刺激し、身体の中のバランスを整えていきます。

3-210本のラインのうち半数以上は足にある

重要な10本の「セン」は、タイの医学では非常に大切なものとされ、それぞれ違う場所や症状を司っています。そのため、タイ古式マッサージでは、症状によってどのラインを刺激するかということが定められています。
この10本の「セン」には、舌先から始まってのどや胸を経由してみぞおちにいたるもの、へそからスタートして腹部、胸部を経由して手を通って指先に至るものなど様々なものがあり、流派によって細かい部分が異なることもありますが、その半数以上が下半身を通っているという点では代わりはありません。
タイ古式マッサージは足の部分のマッサージが中心となりますが、「セン」が下半身に多く通っていることがその理由です。
また、タイ古式マッサージでは、肩や首に不調があったとしても、常に全身をくまなく刺激して、特に下半身を集中的に施術することがあります。もし上半身のトラブルであっても、下半身の施術が多く、それに納得できないということもありますが、「セン」は全身を通っていて、それが集中していることから、タイ古式マッサージでは、下半身へのアプローチが中心となることは知っておくとよいでしょう。

01まとめ

タイ古式マッサージは、タイ伝統医学の一部として、心身のバランスを保つための重要な役割を果たしています。 エネルギーライン「セン」を刺激し、自然治癒力を高めるこの手法は、現代においても多くの人々に利用されています。 タイ伝統医学の哲学に基づくタイ古式マッサージは、リラクゼーションだけでなく、全体的な健康をサポートする療法として今後もその価値を発揮し続けるでしょう。

この講座は!プロの監修を受けています!

講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
小野しずか
小野しずか 先生
セラピスト活動歴10年以上
医療従事者として病院で勤務する中で身体のケアの大切さに興味を持ち、国内に留まらずバリやタイの現地技術や知識を学び続け、追求。
サロンを営みながら、体得した技術と知識を日本で伝えたいと思いスクールを始め、セラピスト育成にも努める。
タイ古式マッサージ・バリニーズ・筋膜ストレッチが専門分野。
小野しずか

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