家族問題を解決する家族カウンセリングとは?その基礎知識について
家族というと温かいイメージを持った言葉ですが、家族の中に問題を抱えているという方も少なくありません。そんな家族の問題を解決する方法として注目されているのが家族カウンセリング。家族カウンセリングを行うことで、多くの家族が問題を解決しています。今回は家族カウンセリングの基礎知識についてご紹介します。

- 目次
- 1. 家族カウンセリングとは?
- 1-1. 家族を対象としたカウンセリング
- 1-2. 家族の中にある問題を改善する心理療法
- 1-3. 家族員全体を対象として行う
- 2. 個人カウンセリングとの違い
- 2-1. 家族ぐるみで適切な対処法を工夫する
- 2-2. 個人で相談する場合もあれば、複数人でおこなう場合もある
- 3. 家族カウンセリングをうけるメリット
- 3-1. 専門性の高い提案をしてもらえる
- 3-2. 第三者視点がはいって冷静になれる
- 3-3. 問題を改善し、家族感の理解を深める
- 4. 家族カウンセリングの治療内容
- 4-1. 家族を一つの集団として考える
- 5. 家族カウンセリングの相談対象
- 5-1. 不登校、引きこもり
- 5-2. 児童虐待
- 6. まとめ
01家族カウンセリングとは?
1-1家族を対象としたカウンセリング
「家族カウンセリング」は、簡単に言えば家族を対象としたカウンセリングです。
通常のカウンセリングといえば、カウンセラーと相談者が一対一になり、考えていることや悩んでいることを打ち明けるというものですが、家族カウンセリングはひとつの家族が同じ部屋に集まり、集団でカウンセリングを行います。
1-2家族の中にある問題を改善する心理療法
家族カウンセリングで対象となるのは、家族の中にある問題です。たとえば、家族の誰かひとりに問題がある場合でも、その原因が家族全体にあることは珍しくありません。家族カウンセリングでは、家族の中のひとりの問題を取り扱うと同時に、家族全体の問題をカウンセリングを通じて改善に導きます。
1-3家族員全体を対象として行う
たとえば子どもが不登校になってしまったという場合、家族会議では「誰が悪いのか」「何が悪いのか」といった「悪者探し」「原因探し」になってしまうことがあります。しかし家族カウンセリングでは、このようには考えません。
家族カウンセリングの対象となるのは、家族の全員。対象を個人ではなく家族全体に置くことで、表面的なものだけではなく、問題の根底にあるものから解きほぐしていくのが家族カウンセリングです。
02個人カウンセリングとの違い
2-1家族ぐるみで適切な対処法を工夫する
家族カウンセリングと個人カウンセリングの違いは、参加する人数だけではありません。
個人カウンセリングの場合、相談者が話をして、カウンセラーがそれを聞くという形式。そのため、カウンセラーがアドバイスを行うことで問題の解決や相談者の気づきを導きます。
一方、家族カウンセリングの場合、カウンセラーが家族にアドバイスを行うかというとそうではありません。家族カウンセリングとは、いわば家族の力を借りながら行うカウンセリング。
カウンセラーはアドバイスを行うというよりも、家族それぞれの意見を調整して、よりスムーズな話し合いやコミュニケーションを行うという立場です。
つまり家族カウンセリングは、家族ぐるみで適切な対処法を工夫するためのカウンセリングだということができるでしょう。
2-2個人で相談する場合もあれば、複数人でおこなう場合もある
家族カウンセリングの基本となるのは、家族全員が集まって話し合いを行う、いわば家族会議です。
しかし、家族が最初から集まって話し合いができることばかりとは限りません。また、家族の組み合わせによっては話しやすいことや話しにくいことがあるもの。
その場合、個人カウンセリングになる場合もあれば、家族の中の複数人でカウンセリングを行う場合もあります。
03家族カウンセリングをうけるメリット
3-1専門性の高い提案をしてもらえる
家族カウンセリングと家庭で行う家族会議の大きな違いは、カウンセラーが存在するかどうかということです。
カウンセラーは心理学や人間関係のスペシャリスト。その視点から、専門性の高い提案を行います。
もし家族だけで話し合っている場合、どうしてもそれぞれの意見を主張するだけ、それを聞いているだけということになりがち。
また、家族会議の場合にはどうしても原因を探したり、互いに文句を言ったりといった結論になってしまいがちですが、家族カウンセリングではカウンセラーという専門家が立ち会うため、話が脱線することなく、常に問題の解決に焦点を当てることができます。
3-2第三者視点がはいって冷静になれる
家族は非常に近い存在。そのため、どうしても冷静に話し合うことは難しいものです。そのため、最初は冷静に話し合っていても、やがて感情が高ぶって、感情論になってしまいがち。
しかし、そこに第三者であるカウンセラーが存在することで、第三者視線が入り冷静に話し合いを進めることができます。
また、カウンセラーが家族のコミュニケーションを助けてくれるため、普段はなかなか口下手で話せない人でも、きちんと自分の意見を述べることができます。
3-3問題を改善し、家族感の理解を深める
家族カウンセリングの大きなメリットは、家族の問題解決能力を引き出すことができるという点です。
通常のカウンセリングの場合、どうしても個人に焦点が当たるため、「治療」という考え方になりがち。その場合、「いうことを聞いていれば問題は解決する」と受け身になってしまい、一度問題が解決しても、また再び同じような問題が発生することも否定できません。
しかし家族カウンセリングの場合、家族が一緒になり問題に立ち向かうという意識が生まれることから、問題解決だけでなく家族間の理解を深めることにも役立ちます。
04家族カウンセリングの治療内容
4-1家族を一つの集団として考える
家族カウンセリングの場合、家族をひとつの人間集団としてとらえて行われます。
このように、人の集まりを人間集団としてとらえる考え方は「システム論」と呼ばれます。
システム論では、家族の中で起きる問題の原因は家族システム自体に問題を発生させる要素だけでなく、問題を維持してしまう理由があると考えます。
この問題を維持させるシステムを、問題を解決できるシステムに変化させるための方法が家族カウンセリング。
家族カウンセリングでは、コミュニケーションや家族の構造などに着目、問題解決できるシステムの構築を目指します。
05家族カウンセリングの相談対象
5-1不登校、引きこもり
子どものいる家族の問題として少なくないのが不登校や引きこもりです。不登校や引きこもりには、いじめなどのはっきりした理由があるものもあり、その場合は原因となる問題を取り除くことで、子どもは再び学校に通うことができます。
しかし、不登校や引きこもりの中には、はっきりとした問題が見られないというケースも少なくありません。
その場合、家族カウンセリングを行うことで、問題の改善を促すことにつながります。
5-2児童虐待
児童虐待は現代社会の大きな問題です。この児童虐待の場合も、家族カウンセリングを行うことで問題を改善できる可能性があります。
たとえば、育児ノイローゼといったことが原因の場合、家族カウンセリングは問題解決に有効な手法だといわれています。
06まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!

-
夫婦・家族心理資格のおすすめ5選!取得方法やかかる費用は?
-
離婚しない夫婦の特徴と理由について
-
夫婦喧嘩が子供に与える影響とトラウマについて
-
夫婦カウンセリングの効果について
-
働かない夫の心理とは?働かない夫を働かせる方法について
-
親子関係の悩みと改善方法について
-
家族問題を解決する家族カウンセリングとは?その基礎知識について
-
モラハラ夫の心理とは?特徴と対処法
-
乳幼児に多いブランケット症候群とは?原因と解決策
-
離婚するべき?DV夫の特徴と対処法について
-
DVの種類と被害者の特徴
-
家族療法に関するおすすめの本10選
-
家族心理における日本と海外の違い
-
家族心理教育とは
-
家族心理の目的とは?
-
現代家族と家族心理学
-
家族心理学とは何か?1から丁寧に解説!
-
家族心理の発達段階