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食べられないときに!流動食の基本と、作り方について

高齢者の中には、咀嚼や嚥下の機能が低下することが少なくないもの。そんなときに流動食が用いられることがあります。では、この流動食とはどのようなものなのでしょうか。今回は流動食の基礎知識や作り方などについてご紹介します。

食べられないときに!流動食の基本と、作り方について
目次

01流動食とは?

「流動食」という言葉を聞いたことがあるという方も多いかもしれません。しかし、具体的に流動食がどんな食事かというのは説明するのは難しいもの。では流動食とはどのような食事なのでしょうか。

1-1固形物を除去した流動タイプの食事

流動食とは、簡単に言えば「固形物を除去した食事」ということになります。
食事というと、固形物が欠かせないというイメージですが、高齢者の場合、あごやの筋肉が衰えたり、歯が悪くなったりという理由によって、上手く固形物を食べられないケースが増えていくもの。
しかし、食事を食べられない状態が続くと栄養が不足、体力も低下してしまいます。
そんなときでも必要な栄養を補給、体力を維持するのが流動食の役割です。

1-2流動食の条件

流動食には、いくつかの条件が必要になります。まず重要なのが、噛まずに摂取できるかどうかということ。すでに述べたように、流動食は様々な理由から咀嚼が難しくなった人のための食事。そのため、液状で噛まずに食べられるかどうかが重要になります。
また、消化に良く、刺激が少ないということも重要な条件。
高齢者の場合、咀嚼や嚥下だけでなく、消化や吸収を行う胃腸の能力も低下しているもの。たとえのど越しがよく、摂取しやすいものでも、消化が難しいものや吸収できないものなどは、胃腸の不調の原因となってしまいます。そうなると、さらに体力の低下を招く原因となってしまうことも。
また、刺激が強い食べ物も、胃腸に大きな負担を与えてしまいます。そのため流動食には、消化がよく、刺激が少ないという条件も必要になります。
そのため、流動食は味が淡白で口当たりが良いメニューが用いられます。

1-3流動食が向いている人

では、流動食はどのような人に用いるものなのでしょうか。
咀嚼や嚥下の能力が低下しているからといって、すぐに流動食を食べさせることはあまりおすすめできません。というのも、物を噛んだり飲み込んだりといった機能は使わずにいるとさらに衰えが激しくなるもの。
また、歯が悪いという場合でも、柔らかい食べ物なら歯茎や舌を使えばある程度すりつぶして食べることができます。
そのため、少しでも食べることができる場合には、ミキサー食や軟菜食がおすすめ。
逆に咀嚼や嚥下がかなり難しいという場合には、流動食を用いるのがよいでしょう。
さらに、流動食を用いるときのチェックポイントとして、腸が機能しているかどうかというのも重要な点です。

02流動食の種類

実は一口に流動食といっても、その中には様々な種類があります。では流動食にはどのようなものがあるのでしょうか。

2-1普通流動食

「普通流動食」とは、固形物の摂取ができないときに手作りする流動食のこと。おかゆの上澄みである「重湯」や、具のないスープ、果汁、牛乳などが用いられます。また、たんぱく質を摂取するためにヨーグルトなどが使用されることもあります。
この普通流動食は、手術や絶食などの直後で普通食が摂取できないという場合の一時的な栄養摂取の手段として利用される場合もあります。

2-2濃厚流動食

「濃厚流動食」とは、少量で高カロリーが摂取できる流動食のことです。さらにたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も含まれているため、しっかりと栄養補給を行うことができます。
濃厚流動食は販売するメーカーによって成分や内容なども異なりますが、200ミリリットルのパックひとつで200~400キロカロリーと、少なくても高いカロリーを補うことができます。

2-3特殊流動食

「特殊流動食」とは、特定の疾病に対応した流動食のことです。
たとえば腎臓病で腎臓を保護しなければならない場合、たんぱく質の摂取を制限する必要があります。というのも、たんぱく質を制限しない場合、たんぱく質が小さな形に分解、身体に害を与えてしまうことがあります。
その他にも、膵炎の場合には脂肪を、循環器疾患におけるナトリウムといった具合に、病気によっては特定の栄養素や成分を控える必要があります。
その場合に用いられるのが特殊流動食。特殊流動食では、適切なカロリーなどを補給しながら、危険な成分を避けることができます。

03流動食の作り方とポイント

それでは、家庭で手作りの流動食を作る場合にはどのようなポイントがあるのでしょうか。

3-1主食

一般的に、流動食の主食となるのは重湯です。重湯はおかゆの上澄みで、あまりカロリーや栄養素が含まれていないというイメージですが、実際には炭水化物やたんぱく質を始め、様々な栄養素が含まれています。
また、脂質がゼロなので、消化吸収の際に身体に与える負担も最低限で済ませることができるというメリットもあります。

3-2栄養の補完

重湯にも栄養は含まれていますが、年齢や体調によって、それだけでは必要なカロリーなどが不足してしまうことも。
その場合には、重湯にエネルギーやたんぱく質を補う食材を加えることが必要です。
特に用いられることが多いのが卵黄。卵黄には、代謝に必要なビタミンB群を始め、ビタミンA、ビタミンDなどが非常に豊富。さらに固形の状態に比べると消化や吸収も簡単なので、流動食に栄養を加えるときには最適です。
もし咀嚼や嚥下の機能は低下していても、胃腸の働きには問題がないという場合、牛乳や豆乳にバター、生クリームや脱脂粉乳、チーズを加えるという方法もあります。
この場合、重湯よりも消化や吸収のエネルギーが必要になりますが、より豊富な栄養素を補給することができます。
さらにたんぱく質量を増やす場合には、卵黄だけでなく全卵を加えるのもよい方法。
その場合には、白身魚、豆腐などを加えるという方法もあります。白身魚や豆腐などは消化しやすく、刺激が少ない食材。ミキサーなどを使用して食べやすい状態にすることで、流動食としても役立ちます。

04流動食を調理するときの注意点

流動食は家庭で調理できるもの。ただし、家庭で流動食を調理するためにはいくつかの注意点があります。

4-11食当たりのカロリーが低い

流動食は咀嚼に問題がある高齢者でも用いることができる食事ですが、一食当たりのカロリーが低いという問題があります。
カロリーを補給するためには、量を食べることが必要ですが、食事をすること自体が大変な場合には、たくさんの量を摂取するのは難しいもの。
そのため、流動食を用いる場合には、健康な場合のように三食だけでなく、適切におやつなどを取り入れて、エネルギーを補うようにしましょう。
一度の食事で量を食べるよりも、回数を増やしたほうがカロリーは摂取しやすいもの。甘いものであれば食べやすいというメリットもあるため、ゼリーやアイスなどを組み合わせるとよいでしょう。
目安となるのが1200キロカロリー。一日のトータルの食事量が1200キロカロリーを上回るように食事のメニューの組み合わせを行いましょう。
もし、おやつを組み合わせてもカロリーが不足するという場合には、濃厚流動食の導入を検討する必要があります。

4-2誤嚥を防止

高齢者の食事でもっとも注意しなければならないのが誤嚥です。通常の場合、食事は喉から食道を通り、胃に届きますが、高齢者は舌やのどを上手く使うことができず、食物が誤って気管に流れ込んでしまうことがあります。
もし誤嚥を起こすと、咳が止まらなくなったり、強い痛みを感じたりと言ったことが起こるもの。そうなると、食事自体に不安を感じるようになり、結果としてさらに食欲が減退したり、食べることを我慢してしまうようになってしまいます。
さらに誤嚥が起こった場合、それが肺炎の原因になることも。誤嚥が原因で起きる肺炎は「誤嚥性肺炎」と呼ばれるもので、場合によっては命とりになることもあります。
誤嚥を防ぐためには、流動食に皮や粒が残らないよう、しっかりと濾すこと。また、片栗粉などを使ってとろみをつけ、のど越しをよくすることが重要です。

4-3低栄養を防止する

流動食の大きなデメリットが低栄養です。特に家庭で流動食を作る場合、バリエーションが少ないため、低栄養に陥りがちです。
そのため、一日三度と決めず食事の回数を増やしたり、おやつなどを補うことが必要ですが、どうしても低栄養に陥ってしまう場合には、高栄養・高カロリー食で補いましょう。
市販の濃厚流動食を用いる場合には、開封した場合には飲み切るようにすること。一度開封した濃厚流動食は痛みやすいため保存には向きません。

05流動食レシピ

それでは、家庭で流動食を作る場合には、どのようなメニューがあるのでしょうか。

5-1野菜スープ

野菜スープは流動食の定番。使用する野菜は、ニンジンやジャガイモ、キャベツなどがおすすめです。タマネギを加えると甘味が増し、カロリーも増えますが、タマネギは刺激が強いことがあるので、体調に十分注意しましょう。また、生の状態で摂取すると胃を痛めることがあるため、タマネギを加えるときはしっかりと加熱するようにしましょう。
野菜は鍋で加熱を行いますが、そのときに昆布やカツオのダシ、ブイヨンなどを用いる方法もあります。

5-2卵豆腐

食欲がある場合には、卵豆腐などを用いると栄養素とカロリーを同時に摂取することができます。
卵豆腐は卵と出汁をしっかりと混ぜて蒸し器に入れるだけ。しょうゆや塩は味を見ながら控え目に加えるとよいでしょう。
なお、茶わん蒸しの場合には卵と出汁の比率は1:3の目安ですが、流動食の場合にはできるだけ柔らかくなるように注意しましょう。

06まとめ

食べることは人生の喜びのひとつです。流動食といっても工夫を加えれば、健康を保つだけでなく、食べる楽しみと生きる意欲を取り戻すことにつながります。

この講座は!プロの監修を受けています!

講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
石本淳嗣
石本淳嗣 先生
尼崎食支援研究会運営
1959年大阪生まれ。介護食資格保持者フードスタディマイスター。
石本淳嗣

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