スタディ模型ってなに?スタディ模型の目的や作り方について
「スタディ模型」というものをご存じでしょうか?スタディ模型は建築模型の種類のひとつ。スタディ模型には様々な目的があり、さらに細かい種類に分けることができます。今回はスタディ模型について、さらに作り方についてもご紹介します。
- 目次
01スタディ模型とは?
実際の建築物のミニチュアである建築模型。スタディ模型は建築物の中でも、設計の内容を確認するために作られます。
スタディ模型は別名「ボリューム模型」「検討模型」などと言われるもの。図面の上で行われた設計が立体になった場合、どのような問題が起きるのか、このままの設計で問題がないのかなどを検討するために作られます。
建築模型といえば、きれいに塗装されていたり、周囲の人や緑地などを作ったりと精密なものを想像しがちですが、スタディ模型の場合には、チェックしたい一部分だけが細かく作られ、あとの部分は簡易化されることも珍しくありません。
また、設計の段階や用途によって作り方も変わるため、模型作りには精密さだけでなくスピードも必要。そのため、加工しやすいボール紙やスチレンボードなどが用いられることもあります。
02スタディ模型を作る目的
建築や設計を行うのはプロの建築士や設計士。そういった人の場合、図面ですべてが想像できるのではと考える人も多いかもしれません。
しかし、経験豊富な建築士や設計士であっても、図面と実際の建物では、空間のイメージが異なることも少なくもの。たとえば、十分に思えた空間が狭すぎたり、全体のバランスがおかしかったりという問題も起こってしまいます。
それを防ぐのもスタディ模型。特にスタディ模型による検証が行われるのが建築設計の初期段階ですが、この段階でスタディ模型を作ることで、設計と実際の建築物のイメージのずれや間違いを修正していきます。
つまりスタディ模型は、建築物のバランスや間取り、収まりなどを検証するためには欠かせない存在だということができます。
03スタディ模型の種類
理想的な建築を行うためには欠かせないスタディ模型。スタディ模型には、さらに段階や用途によっても種類や呼び方の違いが生まれます。
3-1初期段階
設計初期で作られるスタディ模型はボリューム模型やブロック模型と呼ばれています。ボリューム模型やブロック模型の主な目的は形を確認するということ。特にデザイン性の高い場合には、最初に形をしっかり決めておくことが重要。この段階で間違いが生まれた場合、あとでミスが見つかるとすべての作業がやり直しになってしまいます。
それを防ぐのがボリューム模型やブロック模型の役割です。
3-2設計内容が固まってくる頃
設計内容が固まってくる頃になると、「詳細模型」や「ディティール模型」が作られます。建築物は大きな形だけでなく、細かな点に気を配ることも必要なもの。詳細模型やディティール模型の役割はそれらの詳細を点検することです。
二次元の図面の場合、図面だけでは分からなかった問題が発生することもあるため、詳細模型やディティール模型はスタディ模型の中でも特に重要な存在ということができます。
3-3大規模開発時の動線計画
マンションや商業施設、公的施設などの場合、建物だけでなく人の流れが重要になることも。
人の流れである動線が混乱すると、集客に問題が出るだけでなく、緊急時などには大きなトラブルに発展することも考えられます。それを防ぐために作られるために作られるのが「動線検討模型」です。動線は図面だけではなかなかイメージを作りにくいもの。立体的な動線検討模型を作ることで、発生が予想される動線の問題を解決に導きます。
動線検討模型は施設だけでなく、都市開発などにも用いられることがあります。
3-4住民説明に使う模型
スタディ模型は基本的には建築士や設計士など、建築物を作る人が参考にするもの。しかし、スタディ模型の中には、建築物を作る人ではなく、建築にくわしくない人に対して説明する目的で使用されるものがあります。
それが「説明模型」と呼ばれるもの。説明模型はその名前が示すように、「どのような建物ができるのか」を説明するために作られます。説明模型は住民説明などに用いられるため、周囲の風景も含んだイメージをつかみやすい模型を作る必要があります。
3-5ボリュームスタディとは
スタディ模型を作るときに知っておきたいのが「ボリュームスタディ」という考え方です。
ボリュームスタディとは、最初に建築の大まかな形を何パターンか決めておいて、そこから最適なものを選びだしていく建築の手法。
ボリュームスタディでは、最初に決めるパターンと、論理的な帰結として最適なものを選ぶことが重要。
そのためには、細かい部分だけに注目せず、いくつものアイデアを自由に出すことや、これまでにどのような建築が作られてきたのかといった知識が必要になります。
04まとめ
スタディ模型は建築には欠かせないもの。スタディ模型を作るだけでも、建築についてより深い知識を身につけることにつながります。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
小林裕貴 先生
小林建築模型運営
1995年生まれ。福岡県出身。建築専門学校を卒業後、建築模型の世界へ。福岡を拠点に全国から模型製作の受注を受けている。
80,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
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スタディ模型は別名「ボリューム模型」「検討模型」などと言われるもの。図面の上で行われた設計が立体になった場合、どのような問題が起きるのか、このままの設計で問題がないのかなどを検討するために作られます。
建築模型といえば、きれいに塗装されていたり、周囲の人や緑地などを作ったりと精密なものを想像しがちですが、スタディ模型の場合には、チェックしたい一部分だけが細かく作られ、あとの部分は簡易化されることも珍しくありません。
また、設計の段階や用途によって作り方も変わるため、模型作りには精密さだけでなくスピードも必要。そのため、加工しやすいボール紙やスチレンボードなどが用いられることもあります。
02スタディ模型を作る目的
建築や設計を行うのはプロの建築士や設計士。そういった人の場合、図面ですべてが想像できるのではと考える人も多いかもしれません。
しかし、経験豊富な建築士や設計士であっても、図面と実際の建物では、空間のイメージが異なることも少なくもの。たとえば、十分に思えた空間が狭すぎたり、全体のバランスがおかしかったりという問題も起こってしまいます。
それを防ぐのもスタディ模型。特にスタディ模型による検証が行われるのが建築設計の初期段階ですが、この段階でスタディ模型を作ることで、設計と実際の建築物のイメージのずれや間違いを修正していきます。
つまりスタディ模型は、建築物のバランスや間取り、収まりなどを検証するためには欠かせない存在だということができます。
03スタディ模型の種類
理想的な建築を行うためには欠かせないスタディ模型。スタディ模型には、さらに段階や用途によっても種類や呼び方の違いが生まれます。
3-1初期段階
設計初期で作られるスタディ模型はボリューム模型やブロック模型と呼ばれています。ボリューム模型やブロック模型の主な目的は形を確認するということ。特にデザイン性の高い場合には、最初に形をしっかり決めておくことが重要。この段階で間違いが生まれた場合、あとでミスが見つかるとすべての作業がやり直しになってしまいます。
それを防ぐのがボリューム模型やブロック模型の役割です。
3-2設計内容が固まってくる頃
設計内容が固まってくる頃になると、「詳細模型」や「ディティール模型」が作られます。建築物は大きな形だけでなく、細かな点に気を配ることも必要なもの。詳細模型やディティール模型の役割はそれらの詳細を点検することです。
二次元の図面の場合、図面だけでは分からなかった問題が発生することもあるため、詳細模型やディティール模型はスタディ模型の中でも特に重要な存在ということができます。
3-3大規模開発時の動線計画
マンションや商業施設、公的施設などの場合、建物だけでなく人の流れが重要になることも。
人の流れである動線が混乱すると、集客に問題が出るだけでなく、緊急時などには大きなトラブルに発展することも考えられます。それを防ぐために作られるために作られるのが「動線検討模型」です。動線は図面だけではなかなかイメージを作りにくいもの。立体的な動線検討模型を作ることで、発生が予想される動線の問題を解決に導きます。
動線検討模型は施設だけでなく、都市開発などにも用いられることがあります。
3-4住民説明に使う模型
スタディ模型は基本的には建築士や設計士など、建築物を作る人が参考にするもの。しかし、スタディ模型の中には、建築物を作る人ではなく、建築にくわしくない人に対して説明する目的で使用されるものがあります。
それが「説明模型」と呼ばれるもの。説明模型はその名前が示すように、「どのような建物ができるのか」を説明するために作られます。説明模型は住民説明などに用いられるため、周囲の風景も含んだイメージをつかみやすい模型を作る必要があります。
3-5ボリュームスタディとは
スタディ模型を作るときに知っておきたいのが「ボリュームスタディ」という考え方です。
ボリュームスタディとは、最初に建築の大まかな形を何パターンか決めておいて、そこから最適なものを選びだしていく建築の手法。
ボリュームスタディでは、最初に決めるパターンと、論理的な帰結として最適なものを選ぶことが重要。
そのためには、細かい部分だけに注目せず、いくつものアイデアを自由に出すことや、これまでにどのような建築が作られてきたのかといった知識が必要になります。
04まとめ
スタディ模型は建築には欠かせないもの。スタディ模型を作るだけでも、建築についてより深い知識を身につけることにつながります。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
小林裕貴 先生
小林建築模型運営
1995年生まれ。福岡県出身。建築専門学校を卒業後、建築模型の世界へ。福岡を拠点に全国から模型製作の受注を受けている。
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あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
しかし、経験豊富な建築士や設計士であっても、図面と実際の建物では、空間のイメージが異なることも少なくもの。たとえば、十分に思えた空間が狭すぎたり、全体のバランスがおかしかったりという問題も起こってしまいます。
それを防ぐのもスタディ模型。特にスタディ模型による検証が行われるのが建築設計の初期段階ですが、この段階でスタディ模型を作ることで、設計と実際の建築物のイメージのずれや間違いを修正していきます。
つまりスタディ模型は、建築物のバランスや間取り、収まりなどを検証するためには欠かせない存在だということができます。
03スタディ模型の種類
理想的な建築を行うためには欠かせないスタディ模型。スタディ模型には、さらに段階や用途によっても種類や呼び方の違いが生まれます。
3-1初期段階
設計初期で作られるスタディ模型はボリューム模型やブロック模型と呼ばれています。ボリューム模型やブロック模型の主な目的は形を確認するということ。特にデザイン性の高い場合には、最初に形をしっかり決めておくことが重要。この段階で間違いが生まれた場合、あとでミスが見つかるとすべての作業がやり直しになってしまいます。
それを防ぐのがボリューム模型やブロック模型の役割です。
3-2設計内容が固まってくる頃
設計内容が固まってくる頃になると、「詳細模型」や「ディティール模型」が作られます。建築物は大きな形だけでなく、細かな点に気を配ることも必要なもの。詳細模型やディティール模型の役割はそれらの詳細を点検することです。
二次元の図面の場合、図面だけでは分からなかった問題が発生することもあるため、詳細模型やディティール模型はスタディ模型の中でも特に重要な存在ということができます。
3-3大規模開発時の動線計画
マンションや商業施設、公的施設などの場合、建物だけでなく人の流れが重要になることも。
人の流れである動線が混乱すると、集客に問題が出るだけでなく、緊急時などには大きなトラブルに発展することも考えられます。それを防ぐために作られるために作られるのが「動線検討模型」です。動線は図面だけではなかなかイメージを作りにくいもの。立体的な動線検討模型を作ることで、発生が予想される動線の問題を解決に導きます。
動線検討模型は施設だけでなく、都市開発などにも用いられることがあります。
3-4住民説明に使う模型
スタディ模型は基本的には建築士や設計士など、建築物を作る人が参考にするもの。しかし、スタディ模型の中には、建築物を作る人ではなく、建築にくわしくない人に対して説明する目的で使用されるものがあります。
それが「説明模型」と呼ばれるもの。説明模型はその名前が示すように、「どのような建物ができるのか」を説明するために作られます。説明模型は住民説明などに用いられるため、周囲の風景も含んだイメージをつかみやすい模型を作る必要があります。
3-5ボリュームスタディとは
スタディ模型を作るときに知っておきたいのが「ボリュームスタディ」という考え方です。
ボリュームスタディとは、最初に建築の大まかな形を何パターンか決めておいて、そこから最適なものを選びだしていく建築の手法。
ボリュームスタディでは、最初に決めるパターンと、論理的な帰結として最適なものを選ぶことが重要。
そのためには、細かい部分だけに注目せず、いくつものアイデアを自由に出すことや、これまでにどのような建築が作られてきたのかといった知識が必要になります。
04まとめ
スタディ模型は建築には欠かせないもの。スタディ模型を作るだけでも、建築についてより深い知識を身につけることにつながります。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
小林裕貴 先生
小林建築模型運営
1995年生まれ。福岡県出身。建築専門学校を卒業後、建築模型の世界へ。福岡を拠点に全国から模型製作の受注を受けている。
80,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
3-1初期段階
設計初期で作られるスタディ模型はボリューム模型やブロック模型と呼ばれています。ボリューム模型やブロック模型の主な目的は形を確認するということ。特にデザイン性の高い場合には、最初に形をしっかり決めておくことが重要。この段階で間違いが生まれた場合、あとでミスが見つかるとすべての作業がやり直しになってしまいます。
それを防ぐのがボリューム模型やブロック模型の役割です。
3-2設計内容が固まってくる頃
設計内容が固まってくる頃になると、「詳細模型」や「ディティール模型」が作られます。建築物は大きな形だけでなく、細かな点に気を配ることも必要なもの。詳細模型やディティール模型の役割はそれらの詳細を点検することです。
二次元の図面の場合、図面だけでは分からなかった問題が発生することもあるため、詳細模型やディティール模型はスタディ模型の中でも特に重要な存在ということができます。
3-3大規模開発時の動線計画
マンションや商業施設、公的施設などの場合、建物だけでなく人の流れが重要になることも。
人の流れである動線が混乱すると、集客に問題が出るだけでなく、緊急時などには大きなトラブルに発展することも考えられます。それを防ぐために作られるために作られるのが「動線検討模型」です。動線は図面だけではなかなかイメージを作りにくいもの。立体的な動線検討模型を作ることで、発生が予想される動線の問題を解決に導きます。
動線検討模型は施設だけでなく、都市開発などにも用いられることがあります。
3-4住民説明に使う模型
スタディ模型は基本的には建築士や設計士など、建築物を作る人が参考にするもの。しかし、スタディ模型の中には、建築物を作る人ではなく、建築にくわしくない人に対して説明する目的で使用されるものがあります。
それが「説明模型」と呼ばれるもの。説明模型はその名前が示すように、「どのような建物ができるのか」を説明するために作られます。説明模型は住民説明などに用いられるため、周囲の風景も含んだイメージをつかみやすい模型を作る必要があります。
3-5ボリュームスタディとは
スタディ模型を作るときに知っておきたいのが「ボリュームスタディ」という考え方です。
ボリュームスタディとは、最初に建築の大まかな形を何パターンか決めておいて、そこから最適なものを選びだしていく建築の手法。
ボリュームスタディでは、最初に決めるパターンと、論理的な帰結として最適なものを選ぶことが重要。
そのためには、細かい部分だけに注目せず、いくつものアイデアを自由に出すことや、これまでにどのような建築が作られてきたのかといった知識が必要になります。