基本が重要!華道の礼儀作法と生け花の基本について
華道で重要なのは美しく花を生けることと同時に、正しい礼儀作法を身につけること。また、華道は流派によって特徴も異なります。今回は華道の礼儀作法や流派の特徴、生け花の基本などについてご紹介します。
- 目次
01華道の礼儀作法
華道には様々な流派がありますが、そのすべてで礼儀作法が重んじられています。では、華道の礼儀作法とはどのようなものなのでしょうか。
1-1「花は人の心である」
「花は人の心である」とは華道の基本的な考え方を表した言葉です。花は人の心が現れるもの。そのため、花を生けるときには、花を見て感じた感情やその花のどこに美しさを感じたのかなどを表現することが重要です。つまり、華道は単に花を美しく飾るだけでなく、その花を通じて人の心を表現することが大切ということになります。
1-2花を拝見するときの作法
華道の作法といえば、花を生けるときの所作や振舞いなどと考えがちですが、生けられた花を拝見するときにも作法が重要になります。
花を拝見するときには、まず床の間から畳一畳隔てた位置に座ります。
その後、花に向かって一礼してからじっくりと花を拝見します。
花を見るときには、全体の構成を確かめて、それから花材の取り合わせ、花の位置などをゆっくり味わいましょう。もちろん、作品にとっては花だけでなく、花器や花台の存在も重要。自分の興味のある場所だけではなく、作品のすべてをしっかりと拝見するのが花を生けた人への礼儀です。
最後に、花を生けた人への敬意と感謝を込めて一礼を行います。
1-3自由花の作法
自由花は、決まった形にこだわるのではなく、生ける人の自由な心や感性に従って花を生ける形式のひとつです。決まりごとは少なく、花材や器なども様々なものが使用されます。
花を見るときにも、自由花の場合には特別な作法はありません。もちろん、花に近づきすぎる、作品に手を触れるなどやってはいけない行為はありますが、それを守れば自由な感覚で花を眺めればよいでしょう。
ただし、改まった席の場合や、生けた人が近くにいる場合には、まず挨拶をしてから作品を拝見するのが礼儀とされています。
02華道の基本道具
生け花を行うときには、いくつかの基本的な道具が必要です。では、華道にはどんな道具が必要になるのでしょうか。
2-1花ばさみ
華道で欠かせない道具といえば「花ばさみ」です。花ばさみは植物の茎や根、余分な枝などをカットするための道具。一般のハサミよりも鋭い刃が特徴です。花ばさみの刃は、植物の茎を潰さないためにスパっと切断できるもの。一般的なハサミで代用することはできません。
また、流派によっては特定の花ばさみを使用することもあります。
2-2花器
「花器」は花を生けるための器です。花器には様々な大きさや素材のものが用いられます。
花器は単なる器ではなく、生け花にとっては非常に重要な存在。花との調和によって美しさを生み出すのも器の役割です。
2-3剣山
無数の上向きの鋭い針が並んでいるのが「剣山」です。剣山は花を留めるための道具で、華道の道具の中の代表的な存在です。
ただし、すべての生け花で剣山を使用するわけではなく、穴の開いた「亀甲」「七宝」などが留め具として用いられることもあります。
また、作品によってはテープやワイヤーが花留めに使用されます。
2-4花材
「花材」とは、生け花の素材として使用される植物のことです。花材という文字を見ると、お花のことを指しているというイメージですが、実際の生け花では花だけでなく、草や樹木、苔なども使われます。また、作品によっては藻や海藻が使用されることも。さらに流派によってはドライフラワーなどが用いられることもあります。
03華道の流派と特徴
華道を習おうと考えたとき、まず必要なのはどの流派で学ぶかということ。それぞれの流派は華道に対する考え方や歴史、特徴などが異なります。
3-1三大流派
華道には三百を超える流派があると言われていますが、中でも有名なのが「池坊」「草月流」「小原流」の三大流派です。
・池坊
日本最古の流派と言われているのが「池坊」です。池坊は非常に古い歴史を持っている流派で、「立花」「生花」「自由花」の三種類の形式で生け花を行います。
・草月流
草月流の基本となるのは「基本立真型」「基本傾真型」というふたつの形。この二つを中心に、応用展開を行います。
・小原流
小原流では「花意匠」「瓶花」「盛花」「花舞」の四種類の形式を持っている流派です。初心者は「花意匠」から学び始めて、様々な形を身につけていきます。
04生け花の骨組み
華道というと、非常に難しいものというイメージを持っている方も多いはず。生け花にはいくつかの約束事があり、それらを身につけるだけで美しい花を生けられるようになります。
4-1骨組み=役枝(やくし)
一般的な華道の作法では、まず中心になる花を決めることで大きな骨組みが生まれます。
その骨組みの中心になる花材のことは「役枝(やくし)」と呼ばれます。役枝は、いわば作品の主役のこと。
この役枝は、流派によって異なる名称で呼ばれることもあります。
池坊の場合、万物の安定的な構成である「天・地・人」の考え方を組み込み、「真(しん)・副(そえ)・体(たい)」という三つの役枝によって作品が構成されます。
また、草月流の場合にも三つの役枝が用いられますが、呼び方は「真・副・控(ひかえ)」となります。
一方、小原流の場合には役枝は二つとなり、それぞれ「主枝(しゅし)・客枝(しゃくし)」となります。
4-2役枝が三つの場合の生け方
池坊や草月流のように、三つの役枝が用いられる場合、それぞれの役枝には異なる役割が与えられます。
中心となる役枝は「真」。「真」はもっとも長さを取る役枝で、作品の芯となる存在です。そのため、最初に活けられるのが「真」。「真」を中心に、「真」→「副」→「体・控」の順番に生けていきます。
このとき、手前から見ると「真」が奥側に来るように全体のバランスを構成します。さらに上から見て不等辺三角形の形になるのが理想的です。
4-3役枝が二つの場合の生け方
では、役枝が二つの場合にはどのような生け方を行えばよいのでしょうか。
二つの役枝のうち、中心となるのが「主枝」。「主枝」は「真」と同じように作品の中でもっとも長くなる花材で、やはり「真」と同じように、作品の奥側で、中心となる位置に配置します。
一方の「客枝」は、「主枝」を際立たせるように、作品の中心で、最も手前側に配置します。
その後、他の花材を二つの役枝の前後に配置することで生け花が完成します。
これらは生け花の基本的なルールですが、必ずしも守らなければならないものではありません。ただし、初心者の場合、このルールを守って花を生けることで、作品全体の空間構成や生け花の基本を身につけることができます。
05花材の季節感と取り合わせ
生け花で重要なのが、花材の季節感。四季の豊かな国である日本で誕生した華道では、季節の花材をいかに取り入れるかがポイントになります。
この季節感と取り合わせは、すべての流派に共通して重要な要素です。
5-1季節感とは?
華道における季節感を考えるために、まず覚えておきたいのは植物それぞれが持っている旬の季節。果物や野菜に旬があるように、すべての草花や樹木には旬の季節があります。
特に花は季節を象徴するもの。そのため季節感を表す上では、その季節ならではの花材を用いることが重要になります。
植物によっては旬がなく通年で使用できるものもあり、それらを取り入れてはいけないというわけではありませんが、人に見せるための作品やおもてなしの花を生ける場合には、意識的に旬の花材を選ぶことをおすすめします。
5-2一つの作品に取り合わせる花材
お花を生けるときには、いかに旬の花を用いるかが重要です。ただし、いくら旬であっても、その季節に手に入るすべての花を並べて生ければよいというわけではありません。
そこで重要になるのが「取り合わせ」と言う考え方。ひとつの作品の中でどのような花材を組み合わせるかという取り合わせは、作品全体のバランスを保つためにも重要です。
花材の取り合わせについては厳密なルールや規則があるわけではなく、自分のセンスや全体的な調和、色彩のバランスを考慮して選ぶことが必要です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、これらのセンスを磨くためには、先生の作品を見たり、生け花作品に数多く触れたりすることで、自分なりの美の基準を見つけ出すことができます。
06生け花の基本ルール
生け花には様々な花や植物の使い方がありますが、その前提となる基本ルールが存在します。これらの基本ルールを知ることが生け花を学ぶ第一歩です。
6-1花は鑑賞者の方に向ける
生け花は床の間の器や軸などをより美しく見せるという観点から始まった芸術です。床の間に置くことが前提となっていることから、生け花の作品は一方向から観賞されることが基本です。フラワーアレンジメントの場合、全方位から観賞することを想定していますが、生け花の場合、作品は鑑賞者の方に向けるというのが決まりです。
6-2人工物を見せない
生け花は自然を表現するもの。そのため、花器以外の人工物は見せないというのが原則です。
たとえば、器に花を固定する剣山。剣山を使用する場合は、大きな葉や草を低い位置に配置して剣山を隠し、逆に花を上に飾ることで視線を上に誘導します。
また、作品や花材の種類によってはワイヤーやフラワーテープなどが用いられることもありますが、これらも鑑賞者から見える場所に置かないのがルールとなっています。
07生け花を長持ちさせる方法
生け花は基本的には生花で行うもの。そのため、花を長持ちさせることが重要になります。どうすれば生の花を長持ちさせることができるのでしょうか。
7-1水切り
花を長持ちさせるため、まず必要になるのが「水切り」です。水切りとは、花を切る前に根本を水につけて、しっかり水になじませてから水中で茎を切り落とす方法。そうすることで、茎の中に空気が入らず、花を長持ちさせることができます。また、水切りをしたお花は水を吸い上げやすくなっているため、非常に元気な状態に。
水切り後はできるだけ空気に触れないようにして、バケツの水などに漬けておくのがよいでしょう。
7-2水揚げ剤や活力剤を使う
植物は状態によって、どうしても早く元気がなくなってしまうことがあります。そんなときに便利なのが水揚げ剤や活力剤を使うという方法。水揚げ剤や活力剤を使用することで、花を長持ちさせることができます。
7-3水替え
水替えは植物を長持ちさせるための基本中の基本。見た目がキレイだからといって油断していると、あっという間に水が濁って花が元気を失くしてしまうことも。気温の高い夏場は毎日、冬場でも三日おき程度で水を入れ替えましょう。
7-4直射日光、高温を避ける
一度切ったお花にとって直射日光は大敵です。根の付いた状態の場合、植物にとって日光は欠かせないものですが、一度カットした植物にとって、日光は寿命を縮めてしまいます。
風が当たると乾燥するため、直射日光と風の当たる場所は避けましょう。
さらに高温の状態が続くと水の状態も悪くなりやすいので注意が必要です。
08生け花がうまくいかない時の対処法
実際に花を活けていると、思うようにいかないことも多いもの。ではその場合にはどのような対処を行えばよいのでしょうか。
8-1お花が動く、浮く
お花を生けるときに多いのが、お花が動いたり浮いたりしてしまうということ。
その場合、枝や茎を折り曲げる「折り留め」や、根元に竹串を指して瓶の内側にかける「縦割り留め」などの方法を使うことがおすすめです。
また、花器によっては花が動きにくいものとそうでないものがあるため、いくつかを試してみるのも良い方法です。
8-2剣山にうまく刺せない
剣山を使って花を挿す場合、何度も刺し直しているうちに根元が柔らかくなってしまうことがあるもの。
本来は一度で場所を決めるのが理想ですが、それができない場合には、花の根本を斜めに切り落とすとよいでしょう。斜めの断面は面積が広くなるため初心者でも簡単に扱うことができます。
8-3仕上がりの印象が重い
花を生け終わったあと全体を見ると、なんだか印象が重いと感じることがあります。その原因は重心が低くなっていること。
重心が低くなるのを防ぐには、花を挿すたびに全体を確認、重心が下がっていると感じたらそのたびに全体を持ち上げることが必要です。
09まとめ
華道は非常に奥の深いもの。学べば学ぶほど新しい発見に出会うことができます。お花が好き、美しいものに興味があるという方は、ぜひ一度華道を学んでみてはいかがでしょうか。
1-1「花は人の心である」
「花は人の心である」とは華道の基本的な考え方を表した言葉です。花は人の心が現れるもの。そのため、花を生けるときには、花を見て感じた感情やその花のどこに美しさを感じたのかなどを表現することが重要です。つまり、華道は単に花を美しく飾るだけでなく、その花を通じて人の心を表現することが大切ということになります。
1-2花を拝見するときの作法
華道の作法といえば、花を生けるときの所作や振舞いなどと考えがちですが、生けられた花を拝見するときにも作法が重要になります。
花を拝見するときには、まず床の間から畳一畳隔てた位置に座ります。
その後、花に向かって一礼してからじっくりと花を拝見します。
花を見るときには、全体の構成を確かめて、それから花材の取り合わせ、花の位置などをゆっくり味わいましょう。もちろん、作品にとっては花だけでなく、花器や花台の存在も重要。自分の興味のある場所だけではなく、作品のすべてをしっかりと拝見するのが花を生けた人への礼儀です。
最後に、花を生けた人への敬意と感謝を込めて一礼を行います。
1-3自由花の作法
自由花は、決まった形にこだわるのではなく、生ける人の自由な心や感性に従って花を生ける形式のひとつです。決まりごとは少なく、花材や器なども様々なものが使用されます。
花を見るときにも、自由花の場合には特別な作法はありません。もちろん、花に近づきすぎる、作品に手を触れるなどやってはいけない行為はありますが、それを守れば自由な感覚で花を眺めればよいでしょう。
ただし、改まった席の場合や、生けた人が近くにいる場合には、まず挨拶をしてから作品を拝見するのが礼儀とされています。
2-1花ばさみ
華道で欠かせない道具といえば「花ばさみ」です。花ばさみは植物の茎や根、余分な枝などをカットするための道具。一般のハサミよりも鋭い刃が特徴です。花ばさみの刃は、植物の茎を潰さないためにスパっと切断できるもの。一般的なハサミで代用することはできません。
また、流派によっては特定の花ばさみを使用することもあります。
2-2花器
「花器」は花を生けるための器です。花器には様々な大きさや素材のものが用いられます。
花器は単なる器ではなく、生け花にとっては非常に重要な存在。花との調和によって美しさを生み出すのも器の役割です。
2-3剣山
無数の上向きの鋭い針が並んでいるのが「剣山」です。剣山は花を留めるための道具で、華道の道具の中の代表的な存在です。
ただし、すべての生け花で剣山を使用するわけではなく、穴の開いた「亀甲」「七宝」などが留め具として用いられることもあります。
また、作品によってはテープやワイヤーが花留めに使用されます。
2-4花材
「花材」とは、生け花の素材として使用される植物のことです。花材という文字を見ると、お花のことを指しているというイメージですが、実際の生け花では花だけでなく、草や樹木、苔なども使われます。また、作品によっては藻や海藻が使用されることも。さらに流派によってはドライフラワーなどが用いられることもあります。
03華道の流派と特徴
華道を習おうと考えたとき、まず必要なのはどの流派で学ぶかということ。それぞれの流派は華道に対する考え方や歴史、特徴などが異なります。
3-1三大流派
華道には三百を超える流派があると言われていますが、中でも有名なのが「池坊」「草月流」「小原流」の三大流派です。
・池坊
日本最古の流派と言われているのが「池坊」です。池坊は非常に古い歴史を持っている流派で、「立花」「生花」「自由花」の三種類の形式で生け花を行います。
・草月流
草月流の基本となるのは「基本立真型」「基本傾真型」というふたつの形。この二つを中心に、応用展開を行います。
・小原流
小原流では「花意匠」「瓶花」「盛花」「花舞」の四種類の形式を持っている流派です。初心者は「花意匠」から学び始めて、様々な形を身につけていきます。
04生け花の骨組み
華道というと、非常に難しいものというイメージを持っている方も多いはず。生け花にはいくつかの約束事があり、それらを身につけるだけで美しい花を生けられるようになります。
4-1骨組み=役枝(やくし)
一般的な華道の作法では、まず中心になる花を決めることで大きな骨組みが生まれます。
その骨組みの中心になる花材のことは「役枝(やくし)」と呼ばれます。役枝は、いわば作品の主役のこと。
この役枝は、流派によって異なる名称で呼ばれることもあります。
池坊の場合、万物の安定的な構成である「天・地・人」の考え方を組み込み、「真(しん)・副(そえ)・体(たい)」という三つの役枝によって作品が構成されます。
また、草月流の場合にも三つの役枝が用いられますが、呼び方は「真・副・控(ひかえ)」となります。
一方、小原流の場合には役枝は二つとなり、それぞれ「主枝(しゅし)・客枝(しゃくし)」となります。
4-2役枝が三つの場合の生け方
池坊や草月流のように、三つの役枝が用いられる場合、それぞれの役枝には異なる役割が与えられます。
中心となる役枝は「真」。「真」はもっとも長さを取る役枝で、作品の芯となる存在です。そのため、最初に活けられるのが「真」。「真」を中心に、「真」→「副」→「体・控」の順番に生けていきます。
このとき、手前から見ると「真」が奥側に来るように全体のバランスを構成します。さらに上から見て不等辺三角形の形になるのが理想的です。
4-3役枝が二つの場合の生け方
では、役枝が二つの場合にはどのような生け方を行えばよいのでしょうか。
二つの役枝のうち、中心となるのが「主枝」。「主枝」は「真」と同じように作品の中でもっとも長くなる花材で、やはり「真」と同じように、作品の奥側で、中心となる位置に配置します。
一方の「客枝」は、「主枝」を際立たせるように、作品の中心で、最も手前側に配置します。
その後、他の花材を二つの役枝の前後に配置することで生け花が完成します。
これらは生け花の基本的なルールですが、必ずしも守らなければならないものではありません。ただし、初心者の場合、このルールを守って花を生けることで、作品全体の空間構成や生け花の基本を身につけることができます。
05花材の季節感と取り合わせ
生け花で重要なのが、花材の季節感。四季の豊かな国である日本で誕生した華道では、季節の花材をいかに取り入れるかがポイントになります。
この季節感と取り合わせは、すべての流派に共通して重要な要素です。
5-1季節感とは?
華道における季節感を考えるために、まず覚えておきたいのは植物それぞれが持っている旬の季節。果物や野菜に旬があるように、すべての草花や樹木には旬の季節があります。
特に花は季節を象徴するもの。そのため季節感を表す上では、その季節ならではの花材を用いることが重要になります。
植物によっては旬がなく通年で使用できるものもあり、それらを取り入れてはいけないというわけではありませんが、人に見せるための作品やおもてなしの花を生ける場合には、意識的に旬の花材を選ぶことをおすすめします。
5-2一つの作品に取り合わせる花材
お花を生けるときには、いかに旬の花を用いるかが重要です。ただし、いくら旬であっても、その季節に手に入るすべての花を並べて生ければよいというわけではありません。
そこで重要になるのが「取り合わせ」と言う考え方。ひとつの作品の中でどのような花材を組み合わせるかという取り合わせは、作品全体のバランスを保つためにも重要です。
花材の取り合わせについては厳密なルールや規則があるわけではなく、自分のセンスや全体的な調和、色彩のバランスを考慮して選ぶことが必要です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、これらのセンスを磨くためには、先生の作品を見たり、生け花作品に数多く触れたりすることで、自分なりの美の基準を見つけ出すことができます。
06生け花の基本ルール
生け花には様々な花や植物の使い方がありますが、その前提となる基本ルールが存在します。これらの基本ルールを知ることが生け花を学ぶ第一歩です。
6-1花は鑑賞者の方に向ける
生け花は床の間の器や軸などをより美しく見せるという観点から始まった芸術です。床の間に置くことが前提となっていることから、生け花の作品は一方向から観賞されることが基本です。フラワーアレンジメントの場合、全方位から観賞することを想定していますが、生け花の場合、作品は鑑賞者の方に向けるというのが決まりです。
6-2人工物を見せない
生け花は自然を表現するもの。そのため、花器以外の人工物は見せないというのが原則です。
たとえば、器に花を固定する剣山。剣山を使用する場合は、大きな葉や草を低い位置に配置して剣山を隠し、逆に花を上に飾ることで視線を上に誘導します。
また、作品や花材の種類によってはワイヤーやフラワーテープなどが用いられることもありますが、これらも鑑賞者から見える場所に置かないのがルールとなっています。
07生け花を長持ちさせる方法
生け花は基本的には生花で行うもの。そのため、花を長持ちさせることが重要になります。どうすれば生の花を長持ちさせることができるのでしょうか。
7-1水切り
花を長持ちさせるため、まず必要になるのが「水切り」です。水切りとは、花を切る前に根本を水につけて、しっかり水になじませてから水中で茎を切り落とす方法。そうすることで、茎の中に空気が入らず、花を長持ちさせることができます。また、水切りをしたお花は水を吸い上げやすくなっているため、非常に元気な状態に。
水切り後はできるだけ空気に触れないようにして、バケツの水などに漬けておくのがよいでしょう。
7-2水揚げ剤や活力剤を使う
植物は状態によって、どうしても早く元気がなくなってしまうことがあります。そんなときに便利なのが水揚げ剤や活力剤を使うという方法。水揚げ剤や活力剤を使用することで、花を長持ちさせることができます。
7-3水替え
水替えは植物を長持ちさせるための基本中の基本。見た目がキレイだからといって油断していると、あっという間に水が濁って花が元気を失くしてしまうことも。気温の高い夏場は毎日、冬場でも三日おき程度で水を入れ替えましょう。
7-4直射日光、高温を避ける
一度切ったお花にとって直射日光は大敵です。根の付いた状態の場合、植物にとって日光は欠かせないものですが、一度カットした植物にとって、日光は寿命を縮めてしまいます。
風が当たると乾燥するため、直射日光と風の当たる場所は避けましょう。
さらに高温の状態が続くと水の状態も悪くなりやすいので注意が必要です。
08生け花がうまくいかない時の対処法
実際に花を活けていると、思うようにいかないことも多いもの。ではその場合にはどのような対処を行えばよいのでしょうか。
8-1お花が動く、浮く
お花を生けるときに多いのが、お花が動いたり浮いたりしてしまうということ。
その場合、枝や茎を折り曲げる「折り留め」や、根元に竹串を指して瓶の内側にかける「縦割り留め」などの方法を使うことがおすすめです。
また、花器によっては花が動きにくいものとそうでないものがあるため、いくつかを試してみるのも良い方法です。
8-2剣山にうまく刺せない
剣山を使って花を挿す場合、何度も刺し直しているうちに根元が柔らかくなってしまうことがあるもの。
本来は一度で場所を決めるのが理想ですが、それができない場合には、花の根本を斜めに切り落とすとよいでしょう。斜めの断面は面積が広くなるため初心者でも簡単に扱うことができます。
8-3仕上がりの印象が重い
花を生け終わったあと全体を見ると、なんだか印象が重いと感じることがあります。その原因は重心が低くなっていること。
重心が低くなるのを防ぐには、花を挿すたびに全体を確認、重心が下がっていると感じたらそのたびに全体を持ち上げることが必要です。
09まとめ
華道は非常に奥の深いもの。学べば学ぶほど新しい発見に出会うことができます。お花が好き、美しいものに興味があるという方は、ぜひ一度華道を学んでみてはいかがでしょうか。
3-1三大流派
華道には三百を超える流派があると言われていますが、中でも有名なのが「池坊」「草月流」「小原流」の三大流派です。
・池坊
日本最古の流派と言われているのが「池坊」です。池坊は非常に古い歴史を持っている流派で、「立花」「生花」「自由花」の三種類の形式で生け花を行います。
・草月流
草月流の基本となるのは「基本立真型」「基本傾真型」というふたつの形。この二つを中心に、応用展開を行います。
・小原流
小原流では「花意匠」「瓶花」「盛花」「花舞」の四種類の形式を持っている流派です。初心者は「花意匠」から学び始めて、様々な形を身につけていきます。
4-1骨組み=役枝(やくし)
一般的な華道の作法では、まず中心になる花を決めることで大きな骨組みが生まれます。
その骨組みの中心になる花材のことは「役枝(やくし)」と呼ばれます。役枝は、いわば作品の主役のこと。
この役枝は、流派によって異なる名称で呼ばれることもあります。
池坊の場合、万物の安定的な構成である「天・地・人」の考え方を組み込み、「真(しん)・副(そえ)・体(たい)」という三つの役枝によって作品が構成されます。
また、草月流の場合にも三つの役枝が用いられますが、呼び方は「真・副・控(ひかえ)」となります。
一方、小原流の場合には役枝は二つとなり、それぞれ「主枝(しゅし)・客枝(しゃくし)」となります。
4-2役枝が三つの場合の生け方
池坊や草月流のように、三つの役枝が用いられる場合、それぞれの役枝には異なる役割が与えられます。
中心となる役枝は「真」。「真」はもっとも長さを取る役枝で、作品の芯となる存在です。そのため、最初に活けられるのが「真」。「真」を中心に、「真」→「副」→「体・控」の順番に生けていきます。
このとき、手前から見ると「真」が奥側に来るように全体のバランスを構成します。さらに上から見て不等辺三角形の形になるのが理想的です。
4-3役枝が二つの場合の生け方
では、役枝が二つの場合にはどのような生け方を行えばよいのでしょうか。
二つの役枝のうち、中心となるのが「主枝」。「主枝」は「真」と同じように作品の中でもっとも長くなる花材で、やはり「真」と同じように、作品の奥側で、中心となる位置に配置します。
一方の「客枝」は、「主枝」を際立たせるように、作品の中心で、最も手前側に配置します。
その後、他の花材を二つの役枝の前後に配置することで生け花が完成します。
これらは生け花の基本的なルールですが、必ずしも守らなければならないものではありません。ただし、初心者の場合、このルールを守って花を生けることで、作品全体の空間構成や生け花の基本を身につけることができます。
05花材の季節感と取り合わせ
生け花で重要なのが、花材の季節感。四季の豊かな国である日本で誕生した華道では、季節の花材をいかに取り入れるかがポイントになります。
この季節感と取り合わせは、すべての流派に共通して重要な要素です。
5-1季節感とは?
華道における季節感を考えるために、まず覚えておきたいのは植物それぞれが持っている旬の季節。果物や野菜に旬があるように、すべての草花や樹木には旬の季節があります。
特に花は季節を象徴するもの。そのため季節感を表す上では、その季節ならではの花材を用いることが重要になります。
植物によっては旬がなく通年で使用できるものもあり、それらを取り入れてはいけないというわけではありませんが、人に見せるための作品やおもてなしの花を生ける場合には、意識的に旬の花材を選ぶことをおすすめします。
5-2一つの作品に取り合わせる花材
お花を生けるときには、いかに旬の花を用いるかが重要です。ただし、いくら旬であっても、その季節に手に入るすべての花を並べて生ければよいというわけではありません。
そこで重要になるのが「取り合わせ」と言う考え方。ひとつの作品の中でどのような花材を組み合わせるかという取り合わせは、作品全体のバランスを保つためにも重要です。
花材の取り合わせについては厳密なルールや規則があるわけではなく、自分のセンスや全体的な調和、色彩のバランスを考慮して選ぶことが必要です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、これらのセンスを磨くためには、先生の作品を見たり、生け花作品に数多く触れたりすることで、自分なりの美の基準を見つけ出すことができます。
06生け花の基本ルール
生け花には様々な花や植物の使い方がありますが、その前提となる基本ルールが存在します。これらの基本ルールを知ることが生け花を学ぶ第一歩です。
6-1花は鑑賞者の方に向ける
生け花は床の間の器や軸などをより美しく見せるという観点から始まった芸術です。床の間に置くことが前提となっていることから、生け花の作品は一方向から観賞されることが基本です。フラワーアレンジメントの場合、全方位から観賞することを想定していますが、生け花の場合、作品は鑑賞者の方に向けるというのが決まりです。
6-2人工物を見せない
生け花は自然を表現するもの。そのため、花器以外の人工物は見せないというのが原則です。
たとえば、器に花を固定する剣山。剣山を使用する場合は、大きな葉や草を低い位置に配置して剣山を隠し、逆に花を上に飾ることで視線を上に誘導します。
また、作品や花材の種類によってはワイヤーやフラワーテープなどが用いられることもありますが、これらも鑑賞者から見える場所に置かないのがルールとなっています。
07生け花を長持ちさせる方法
生け花は基本的には生花で行うもの。そのため、花を長持ちさせることが重要になります。どうすれば生の花を長持ちさせることができるのでしょうか。
7-1水切り
花を長持ちさせるため、まず必要になるのが「水切り」です。水切りとは、花を切る前に根本を水につけて、しっかり水になじませてから水中で茎を切り落とす方法。そうすることで、茎の中に空気が入らず、花を長持ちさせることができます。また、水切りをしたお花は水を吸い上げやすくなっているため、非常に元気な状態に。
水切り後はできるだけ空気に触れないようにして、バケツの水などに漬けておくのがよいでしょう。
7-2水揚げ剤や活力剤を使う
植物は状態によって、どうしても早く元気がなくなってしまうことがあります。そんなときに便利なのが水揚げ剤や活力剤を使うという方法。水揚げ剤や活力剤を使用することで、花を長持ちさせることができます。
7-3水替え
水替えは植物を長持ちさせるための基本中の基本。見た目がキレイだからといって油断していると、あっという間に水が濁って花が元気を失くしてしまうことも。気温の高い夏場は毎日、冬場でも三日おき程度で水を入れ替えましょう。
7-4直射日光、高温を避ける
一度切ったお花にとって直射日光は大敵です。根の付いた状態の場合、植物にとって日光は欠かせないものですが、一度カットした植物にとって、日光は寿命を縮めてしまいます。
風が当たると乾燥するため、直射日光と風の当たる場所は避けましょう。
さらに高温の状態が続くと水の状態も悪くなりやすいので注意が必要です。
08生け花がうまくいかない時の対処法
実際に花を活けていると、思うようにいかないことも多いもの。ではその場合にはどのような対処を行えばよいのでしょうか。
8-1お花が動く、浮く
お花を生けるときに多いのが、お花が動いたり浮いたりしてしまうということ。
その場合、枝や茎を折り曲げる「折り留め」や、根元に竹串を指して瓶の内側にかける「縦割り留め」などの方法を使うことがおすすめです。
また、花器によっては花が動きにくいものとそうでないものがあるため、いくつかを試してみるのも良い方法です。
8-2剣山にうまく刺せない
剣山を使って花を挿す場合、何度も刺し直しているうちに根元が柔らかくなってしまうことがあるもの。
本来は一度で場所を決めるのが理想ですが、それができない場合には、花の根本を斜めに切り落とすとよいでしょう。斜めの断面は面積が広くなるため初心者でも簡単に扱うことができます。
8-3仕上がりの印象が重い
花を生け終わったあと全体を見ると、なんだか印象が重いと感じることがあります。その原因は重心が低くなっていること。
重心が低くなるのを防ぐには、花を挿すたびに全体を確認、重心が下がっていると感じたらそのたびに全体を持ち上げることが必要です。
09まとめ
華道は非常に奥の深いもの。学べば学ぶほど新しい発見に出会うことができます。お花が好き、美しいものに興味があるという方は、ぜひ一度華道を学んでみてはいかがでしょうか。
この季節感と取り合わせは、すべての流派に共通して重要な要素です。
5-1季節感とは?
華道における季節感を考えるために、まず覚えておきたいのは植物それぞれが持っている旬の季節。果物や野菜に旬があるように、すべての草花や樹木には旬の季節があります。
特に花は季節を象徴するもの。そのため季節感を表す上では、その季節ならではの花材を用いることが重要になります。
植物によっては旬がなく通年で使用できるものもあり、それらを取り入れてはいけないというわけではありませんが、人に見せるための作品やおもてなしの花を生ける場合には、意識的に旬の花材を選ぶことをおすすめします。
5-2一つの作品に取り合わせる花材
お花を生けるときには、いかに旬の花を用いるかが重要です。ただし、いくら旬であっても、その季節に手に入るすべての花を並べて生ければよいというわけではありません。
そこで重要になるのが「取り合わせ」と言う考え方。ひとつの作品の中でどのような花材を組み合わせるかという取り合わせは、作品全体のバランスを保つためにも重要です。
花材の取り合わせについては厳密なルールや規則があるわけではなく、自分のセンスや全体的な調和、色彩のバランスを考慮して選ぶことが必要です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、これらのセンスを磨くためには、先生の作品を見たり、生け花作品に数多く触れたりすることで、自分なりの美の基準を見つけ出すことができます。
6-1花は鑑賞者の方に向ける
生け花は床の間の器や軸などをより美しく見せるという観点から始まった芸術です。床の間に置くことが前提となっていることから、生け花の作品は一方向から観賞されることが基本です。フラワーアレンジメントの場合、全方位から観賞することを想定していますが、生け花の場合、作品は鑑賞者の方に向けるというのが決まりです。
6-2人工物を見せない
生け花は自然を表現するもの。そのため、花器以外の人工物は見せないというのが原則です。
たとえば、器に花を固定する剣山。剣山を使用する場合は、大きな葉や草を低い位置に配置して剣山を隠し、逆に花を上に飾ることで視線を上に誘導します。
また、作品や花材の種類によってはワイヤーやフラワーテープなどが用いられることもありますが、これらも鑑賞者から見える場所に置かないのがルールとなっています。
07生け花を長持ちさせる方法
生け花は基本的には生花で行うもの。そのため、花を長持ちさせることが重要になります。どうすれば生の花を長持ちさせることができるのでしょうか。
7-1水切り
花を長持ちさせるため、まず必要になるのが「水切り」です。水切りとは、花を切る前に根本を水につけて、しっかり水になじませてから水中で茎を切り落とす方法。そうすることで、茎の中に空気が入らず、花を長持ちさせることができます。また、水切りをしたお花は水を吸い上げやすくなっているため、非常に元気な状態に。
水切り後はできるだけ空気に触れないようにして、バケツの水などに漬けておくのがよいでしょう。
7-2水揚げ剤や活力剤を使う
植物は状態によって、どうしても早く元気がなくなってしまうことがあります。そんなときに便利なのが水揚げ剤や活力剤を使うという方法。水揚げ剤や活力剤を使用することで、花を長持ちさせることができます。
7-3水替え
水替えは植物を長持ちさせるための基本中の基本。見た目がキレイだからといって油断していると、あっという間に水が濁って花が元気を失くしてしまうことも。気温の高い夏場は毎日、冬場でも三日おき程度で水を入れ替えましょう。
7-4直射日光、高温を避ける
一度切ったお花にとって直射日光は大敵です。根の付いた状態の場合、植物にとって日光は欠かせないものですが、一度カットした植物にとって、日光は寿命を縮めてしまいます。
風が当たると乾燥するため、直射日光と風の当たる場所は避けましょう。
さらに高温の状態が続くと水の状態も悪くなりやすいので注意が必要です。
08生け花がうまくいかない時の対処法
実際に花を活けていると、思うようにいかないことも多いもの。ではその場合にはどのような対処を行えばよいのでしょうか。
8-1お花が動く、浮く
お花を生けるときに多いのが、お花が動いたり浮いたりしてしまうということ。
その場合、枝や茎を折り曲げる「折り留め」や、根元に竹串を指して瓶の内側にかける「縦割り留め」などの方法を使うことがおすすめです。
また、花器によっては花が動きにくいものとそうでないものがあるため、いくつかを試してみるのも良い方法です。
8-2剣山にうまく刺せない
剣山を使って花を挿す場合、何度も刺し直しているうちに根元が柔らかくなってしまうことがあるもの。
本来は一度で場所を決めるのが理想ですが、それができない場合には、花の根本を斜めに切り落とすとよいでしょう。斜めの断面は面積が広くなるため初心者でも簡単に扱うことができます。
8-3仕上がりの印象が重い
花を生け終わったあと全体を見ると、なんだか印象が重いと感じることがあります。その原因は重心が低くなっていること。
重心が低くなるのを防ぐには、花を挿すたびに全体を確認、重心が下がっていると感じたらそのたびに全体を持ち上げることが必要です。
09まとめ
華道は非常に奥の深いもの。学べば学ぶほど新しい発見に出会うことができます。お花が好き、美しいものに興味があるという方は、ぜひ一度華道を学んでみてはいかがでしょうか。
7-1水切り
花を長持ちさせるため、まず必要になるのが「水切り」です。水切りとは、花を切る前に根本を水につけて、しっかり水になじませてから水中で茎を切り落とす方法。そうすることで、茎の中に空気が入らず、花を長持ちさせることができます。また、水切りをしたお花は水を吸い上げやすくなっているため、非常に元気な状態に。
水切り後はできるだけ空気に触れないようにして、バケツの水などに漬けておくのがよいでしょう。
7-2水揚げ剤や活力剤を使う
植物は状態によって、どうしても早く元気がなくなってしまうことがあります。そんなときに便利なのが水揚げ剤や活力剤を使うという方法。水揚げ剤や活力剤を使用することで、花を長持ちさせることができます。
7-3水替え
水替えは植物を長持ちさせるための基本中の基本。見た目がキレイだからといって油断していると、あっという間に水が濁って花が元気を失くしてしまうことも。気温の高い夏場は毎日、冬場でも三日おき程度で水を入れ替えましょう。
7-4直射日光、高温を避ける
一度切ったお花にとって直射日光は大敵です。根の付いた状態の場合、植物にとって日光は欠かせないものですが、一度カットした植物にとって、日光は寿命を縮めてしまいます。
風が当たると乾燥するため、直射日光と風の当たる場所は避けましょう。
さらに高温の状態が続くと水の状態も悪くなりやすいので注意が必要です。
8-1お花が動く、浮く
お花を生けるときに多いのが、お花が動いたり浮いたりしてしまうということ。
その場合、枝や茎を折り曲げる「折り留め」や、根元に竹串を指して瓶の内側にかける「縦割り留め」などの方法を使うことがおすすめです。
また、花器によっては花が動きにくいものとそうでないものがあるため、いくつかを試してみるのも良い方法です。
8-2剣山にうまく刺せない
剣山を使って花を挿す場合、何度も刺し直しているうちに根元が柔らかくなってしまうことがあるもの。
本来は一度で場所を決めるのが理想ですが、それができない場合には、花の根本を斜めに切り落とすとよいでしょう。斜めの断面は面積が広くなるため初心者でも簡単に扱うことができます。
8-3仕上がりの印象が重い
花を生け終わったあと全体を見ると、なんだか印象が重いと感じることがあります。その原因は重心が低くなっていること。
重心が低くなるのを防ぐには、花を挿すたびに全体を確認、重心が下がっていると感じたらそのたびに全体を持ち上げることが必要です。