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小学校における食育とは?楽しみながら学べる事例も紹介

小学校における食育とは、子どもたちが「食」に関する正しい知識や習慣を身につけ、健康的な食生活を送れるようにすることを目的とした取り組みです。
この食育は、単に知識を学ぶだけではなく、楽しみながら学べるような工夫がされています。

また、子どもたち自らが料理を作る活動を通して、食材の特徴や調理方法を学ぶことができるでしょう。
このように、小学校の食育では、楽しみながら学べるさまざまな事例が実践されており、子どもたちの健やかな成長を支えています。
子どもが成長する上で、食についての知識や関心を深める「食育」は非常に重要な存在です。特に、心身の成長が著しい小学生時代に行われる食育は、子どもの生涯にわたって大きな影響をもたらすといっても過言ではありません。それでは、実際には小学校ではどのような食育が行われているのでしょうか。今回は小学校における食育の取り組みについてご紹介します。

どんなことをやってるの?小学校における食育の取り組み
目次

01食育の意義と目標とは?

食育の意義と目標とは?以下の通りです。
・食への関心を高める
・楽しみながら食の楽しさを学ぶ
・家庭や地域と連携して子どもの食生活を支える
こちらを順にご紹介します。

1-1食への関心を高める

食育とは、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人を育てることを目的としています。
まず、食は生命を維持する上で必要不可欠なものであり、適切な食習慣は健康の保持・増進につながるでしょう。
しかし現代では、食に関する知識の不足や、利便性を求める食生活の影響で、栄養バランスの偏りや肥満、生活習慣病などの問題が生じています。
食育を通して、食の大切さや正しい食習慣を身につけることで、健康的な生活を送ることができます。
また、食は地域の伝統や文化と深く結びついており、食文化を継承していくことも食育の目標の1つです。
地域の食材や郷土料理を知り、食べ継ぐことで、地域への理解と愛着を深めることができます。
さらに、環境への配慮や食料自給率の向上など、食に関する社会的課題にも食育は貢献できます。
食に関する知識を深め、食の大切さを実感することで、持続可能な社会の実現につながるのです。

1-2楽しみながら食の楽しさを学ぶ

食育の大きな柱の1つに、楽しみながら食の大切さを学ぶということがあります。
単に知識を教え込むだけではなく、食を楽しむ体験を通して、食の魅力や価値を実感できるようにすることが重要です。
まず、食材の栽培や調理の体験は、食への関心を高め、食の大切さを実感する良い機会となり、自分の手で食材を育て、調理する過程を体験することで、食べ物がどのように作られるのかを理解し、食への感謝の気持ちが育まれます。
また、家族や地域の人々と一緒に食事を楽しむことも大切です。
会話を弾ませながら、楽しく食事を共にすることで、食事の楽しみ方を学ぶことができます。
食事を通じたコミュニケーションの大切さを体感できるのです。
さらに、郷土料理や季節の食べ物を味わうことで、食文化の多様性を知り、その魅力を感じることもできます。
食べ物には、その土地の歴史や風土が反映されていることを知り、食に対する興味や愛着を深めることができるでしょう。
このように、食を楽しむ体験を通して、食の価値や大切さを実感的に学ぶことは、食育の重要な目的の1つなのです。

1-3家庭や地域と連携して子どもの食生活を支える

食育において、子どもの健全な食生活を支えるためには、家庭や地域と連携して取り組むことが重要です。
なぜなら、子どもの食習慣は家庭環境や地域の食文化の影響を大きく受けるからです。
まず、家庭においては、親が子どもの食生活の第一の担い手となります。
親が食育の意義を理解し、バランスの良い食事を提供したり、食事を通じて家族とのコミュニケーションを深めるなど、家庭での取り組みが不可欠です。
そのためには、親に対する食育の支援が求められます。
一方、地域においても、学校給食の充実や農山漁村との交流、地域の祭りや食文化の継承など、子どもが食の大切さを学べる機会を設けることが重要です。
地域ぐるみで子どもを育てる環境を整備することで、子どもの健全な食生活を支えることができるのです。
さらに、家庭と地域が連携して取り組むことで、より効果的な食育が期待できます。
例えば、地域の食材を使った家庭料理教室の開催など、家庭と地域が協力しながら食育を進めることで、子どもの食への関心を高め、健康的な食生活の習得につながるでしょう。
このように、子どもの食生活を支えるためには、家庭や地域が一体となって食育に取り組むことが不可欠です。
子どもたちが心身ともに健やかに育つよう、みんなで力を合わせていくことが食育の重要な目標なのです。

02小学校における食育の具体的な取り組みは?

小学校における食育の具体的な取り組みは?以下の通りです。
・給食を活用した食育
・園芸活動を通じた食育
・教科横断的な食育プログラム
・保護者・地域との連携
こちらを順にご紹介します。

2-1給食を活用した食育

小学校において、給食は食育を実践する上で大変重要な機会となります。
単に給食を提供するだけでなく、それを通して子どもたちの食に関する知識や習慣の形成を図ることができるのです。
まず、給食の時間には、栄養バランスや地場産物の活用、食べ残しの削減など、給食そのものを教材として活用できます。
給食を通して、子どもたちが栄養の大切さや食べ物の背景にある食文化を学べるようにします。
また、給食の準備や配膳、後片付けの活動に子どもたちを参加させることで、食事の流れを体験的に学べます。
自分の手で食事の準備をすることで、食べ物への感謝の心が育まれるでしょう。
さらに、給食の時間を活用して、栄養士や地域の生産者などを招き、食に関する講話を行うこともできます。
専門家から直接話を聞くことで、子どもたちの関心が高まり、食への理解が深まります。
加えて、給食で提供される地場産物を活用して、その産地や生産者、調理方法などについて学習する取り組みも有効です。
地域の食文化を知ることで、子どもたちの地域への愛着も育てることができます。
このように、小学校の給食は、子どもたちの食に関する知識や実践力、食に対する心情を育むための重要な教材となるのです。
給食を最大限に活用した食育の取り組みが求められています。

2-2園芸活動を通じた食育

小学校において、園芸活動を通じた食育は非常に効果的な取り組みの一つと言えます。
野菜や果物の栽培を通して、子どもたちが食べ物の大切さや成長の過程を体験的に学べるからです。
まず、学校の校庭や空き地を利用して、野菜の栽培を行うことができ、子どもたちが自ら種まきや水やり、収穫といった一連の作業を行うことで、食べ物がどのように作られているかを理解できます。
また、収穫した野菜を給食で活用したり、調理体験をさせることで、食べ物への愛着や感謝の心を育むことができ、食べ物の生産から調理、そして食べるまでの流れを体験的に学べるのです。
さらに、野菜の生育状況を観察したり、生産者と交流することで、季節の変化や自然の循環、食品の生産背景などについて学習できます。
こうした取り組みを通して、子どもたちの食に対する理解を深めることができるでしょう。
加えて、園芸活動は、教科横断的な学習にも活用できます。
例えば、算数では面積や重量の計算に、理科では植物の生長過程の観察に、国語では収穫物を使った作文の執筆に、といった具合です。
このように、小学校の園芸活動は、食に関する知識や技術、食への関心を育むとともに、他教科の学習にも活用できる、非常に効果的な食育の取り組みなのです。

2-3教科横断的な食育プログラム

小学校における食育では、各教科の学習内容と関連付けることで、より効果的な取り組みができます。
教科横断的なアプローチを通して、子どもたちの食に関する知識や行動、意識を総合的に高めることができるのです。
まず、国語の時間には、食に関する図書の講読や食事に纏わるエッセイの執筆などを行うことができます。
言語活動を通して、子どもたちの食に対する感性や表現力を培うことができるでしょう。
算数の時間では、食品の重量や容量、栄養成分の割合などを扱うことで、食べ物の特性を数値的に理解させることができます。
さらに、食品ロスの削減など、食に関する課題解決学習にも取り組めます。
理科の時間には、植物の栽培や食品の変質といった、食に関する自然現象を扱うことができます。
食べ物の生産や加工、保存の仕組みを科学的に理解させることが可能です。
また、社会科の時間には、地域の食文化や伝統行事、食産業などについて学習する機会が設けられます。
食べ物を通して地域社会とのつながりを知ることで、子どもたちの地域への理解が深まります。
さらに、体育の時間は、適切な食事とからだの関係について考える場として活用でき、運動と栄養のバランスを理解させ、健康的なライフスタイルの基礎を築くことができるでしょう。
このように、各教科の特性を活かしながら、食に関する学習を行うことで、子どもたちの食に対する知識や行動、意識を総合的に高めることができるのです。
教科横断的な食育プログラムの導入が求められています。

2-4保護者・地域との連携

小学校における食育を効果的に行うためには、保護者や地域社会との連携が不可欠です。
学校内だけでなく、家庭や地域で子どもたちの食育を推進することで、より深い理解と定着が期待できます。
まず、保護者との連携では、学校の食育の取り組みについて定期的な情報共有を行うことが大切です。
家庭で子どもたちの食習慣を確認したり、家庭での食育活動を依頼したりと、学校と家庭が一体となった取り組みが重要です。
また、保護者を対象とした食育講座の開催も効果的です。
食材の選び方や調理方法、栄養バランスの重要性など、保護者自身の食に関する知識や意識を高めることができます。
さらに、家庭での食習慣改善につながる提案もできるでしょう。
次に、地域との連携では、地域の食に関するリソースを活用することが考えられます。
例えば、地域の農家や生産者、料理人などを招いて、子どもたちが直接交流する機会を設けることで、食べ物の生産過程や調理の技術、地域の食文化について学べます。
また、学校給食の食材調達においても、地元の食材を積極的に活用することで、地域との連携を深められるでしょう。
地域の食材を活用することで、子どもたちの郷土愛や食への関心も高まります。
さらに、学校の食育活動に地域住民が参加する機会を設けることも大切です。
地域のお祭りや行事と連携したり、地域の人材を活用したりすることで、子どもたちの食育に地域全体で取り組むことができます。
このように、保護者や地域社会と連携しながら食育に取り組むことで、子どもたちの食に関する理解を深め、健全な食生活の習慣化につなげていくことができるのです。

03事例紹介:楽しみながら学ぶ小学校の食育活動

事例紹介:楽しみながら学ぶ小学校の食育活動は以下の通りです。
・収穫体験と地場産品の食べ比べ
・地域の伝統料理を学ぶ
・米作り体験学習
・地域食材を使った調理実習
こちらを順にご紹介します。

3-1収穫体験と地場産品の食べ比べ

小学校における食育活動では、子どもたちが楽しみながら学べるプログラムが重要です。
その中でも、収穫体験と地場産品の食べ比べは特に効果的な取り組みといえます。
まず、収穫体験では、学校の敷地内や近隣の畑などで、野菜や果物の栽培から収穫までの一連の流れを体験させることができます。
土に触れ、植物の成長過程を観察し、最終的に自分の手で収穫することで、食べ物の生産過程を実感できます。
この収穫体験では、単に作業を行うだけでなく、収穫した食材を使って調理する活動も組み合わせると良いでしょう。
子どもたち自身が収穫した食材を使って料理を作ることで、食べ物への愛着や理解がより深まります。
次に、地場産品の食べ比べでは、地域で収穫される食材と、スーパーなどで購入できる同種の食材を用意し、味や食感、見た目の違いを比較させます。
例えば、地元の農家から直接仕入れたトマトと、スーパーで購入したトマトを食べ比べさせるなど、地域性や生産方法の違いが及ぼす影響を体感させることができるでしょう。
こうした体験を通して、子どもたちは食べ物の新鮮さや旬の大切さ、地域の食材の魅力について理解を深めていきます。
地場産品への関心や愛着も醸成されるでしょう。
さらに、収穫体験と食べ比べを組み合わせることで、食べ物の生産から消費までの一連のプロセスを体験的に学べるのが大きな特徴です。
食育活動を通して、子どもたちの食に対する興味関心を引き出し、健全な食生活の基礎を築くことができるのです。

3-2地域の伝統料理を学ぶ

地域の伝統料理を学ぶことは、単に料理の技術を習得するだけではありません。
その背景にある地域の食文化や歴史、作り手の想いなどに触れることで、食への理解を深めることができます。
例えば、地域の高齢者や料理人を招いて、郷土料理の調理実習を行うなどの取り組みが考えられ、子どもたちは、講師から直接、料理の作り方や由来について学ぶことができます。
また、地域の祭りや行事と連携して、伝統料理を実際に調理・試食する機会を設けるのも効果的です。
子どもたちは、地域の人々と触れ合いながら、自分たちで料理を作り上げる喜びを感じられるでしょう。
さらに、地域の食材を活用した料理教室を開催することで、地元の食材の魅力や活用方法を学べ、地域の特産品を使って、子どもたちが自分で創造性を発揮しながら料理を作り上げていく過程は、大変興味深い体験となります。
このように、地域の伝統料理を学ぶ取り組みは、単なる調理実習にとどまらず、地域の食文化を理解し、郷土愛を育むことにもつながるでしょう。
また、高齢者や地域の人々との交流を通して、食を通じたコミュニケーションの大切さも学べるでしょう。
楽しみながら食育に取り組むことで、子どもたちの健全な食生活の実現につながるのです。

3-3米作り体験学習

小学校における食育活動の中で、米作りの体験学習は大変効果的な取り組みだと言えます。
子どもたちが米の生産過程を体験的に学び、食べ物の大切さを理解することができるからです。
まず、春には田植えの体験を行います。
子どもたちが自ら苗を土に植え付ける様子は、生命の神秘を感じられる貴重な機会となり、土に触れ、汗を流しながら作業する中で、食べ物を作る大変さを体得できるでしょう。
その後の夏には、稲の成長を見守る活動を行い、子どもたちは定期的に田んぼを訪れ、稲の成長過程を観察し、穂が膨らんでいく様子を見守ることで、食べ物が育つまでの時間と労力を感じられるはずです。
そして、秋には収穫の時期がやってきます。
子どもたち自らが稲を刈り取り、脱穀する作業を体験します。
さらに、収穫した米を使って炊飯する活動も行い、自分たちの手で育てた米を食べることで、一連の米作りの流れを体験的に学べるのです。
この一連の米作り体験を通じて、子どもたちは食べ物の生産過程への理解を深めるだけでなく、自然の恵みや生命の大切さについても学べるはずです。
また、同じ地域の仲間と協力して作業を行うことで、コミュニケーション能力の育成にもつながります。
楽しみながら米作りに取り組むことで、子どもたちの食への関心を高め、健全な食生活の基盤を築くことができるでしょう。

3-4地域食材を使った調理実習

小学校における食育活動の中で、地域の食材を活用した調理実習は大変有効な取り組みだと言えます。
子どもたちが自分の地域の食材の魅力や活用方法を学べるからです。
まず、地域の特産品や季節の食材を使って、子どもたち自らが料理を作ることができます。
例えば、近隣の農家から直接、旬の野菜を提供してもらい、それらを使ったメニューを考案して調理する、といった活動が考えられます。
子どもたちは、食材の特徴や調理方法について学びながら、自分の創造性を発揮して料理を作り上げていき、そのプロセスを通して、地域の食材への理解を深めていくことができるでしょう。
さらに、地域の料理人や食に関わる専門家を講師として招き、料理教室を開催することも効果的です。
子どもたちは、地元の人々から直接、料理の作り方や由来について学ぶことができます。
また、地域の行事と連携して、伝統料理の調理・試食を行うのも良いでしょう。
子どもたちは、祭りや行事の雰囲気の中で、地域の人々と交流しながら、郷土料理を味わえる機会を得られるはずです。
このように、地域の食材を活用した調理実習は、単なる調理技術の習得にとどまらず、地域の食文化に対する理解を深めることにもつながります。
さらに、地域の人々との交流を通して、食を通じたコミュニケーションの大切さも学べるでしょう。
楽しみながら食育に取り組むことで、子どもたちの健全な食生活の実現につながるのです。

04これからの小学校における食育の展望とは?

これからの小学校における食育の展望とは?以下の通りです。
・子どもの主体的な学びと実践力の育成
・地域に根ざした食文化の継承
・学校・地域・家庭が一体となった食育推進
こちらを順にご紹介します。

4-1子どもの主体的な学びと実践力の育成

小学校の食育活動においては、子どもたちの主体的な学びと実践力の育成が重要な鍵となってくると考えられます。
従来の食育は、教師による一方向的な知識伝達が主流でしたが、これからは子どもたち自身が課題を発見し、主体的に学習を進めていくアプローチが求められます。
例えば、子どもたちが自分の食生活を振り返り、課題を見出す活動から始め、その解決策を自ら考え、実践することが重要です。
そのためには、子どもたちの興味・関心に基づいた学習機会を設けることが不可欠です。
地域の食文化や食材、調理方法について子どもたち自らが学び、発見することで、より主体的に学習に取り組むことができるでしょう。
また、単なる知識の習得にとどまらず、子どもたち自身が実際に料理を作ったり、農作業に従事したりするなど、体験的な学習を通して、食に関する実践力を身につけていくことも重要です。
さらに、地域の人々と交流しながら、食に関する意見交換や情報共有を行うことで、子どもたちの食に対する理解をより深めることができ、地域の人々と協働して取り組むことで、子どもたちのコミュニケーション能力の向上にもつながるはずです。
これからの食育においては、子どもたち一人ひとりが主体的に学び、自ら実践できる力を身につけることが重要です。
そうした取り組みを通して、子どもたちが健全な食生活を送れるよう支援していくことが求められるでしょう。

4-2地域に根ざした食文化の継承

小学校における食育の取り組みにおいて、地域に根ざした食文化の継承は重要な課題となっています。
子どもたちが地域の伝統的な食文化に触れ、それを学び、継承していくことが求められているのです。
地域によって異なる特色ある食文化は、そこに暮らす人々のアイデンティティーや生活様式を反映しています。
例えば、ある地域の郷土料理には、その土地の気候や風土、歴史的背景が色濃く反映されています。
こうした地域の食文化を子どもたちに伝えていくことは、単に料理の作り方を学ぶだけでなく、その背景にある地域の歴史や風土、生活習慣などを理解することにもつながります。
小学校の食育活動では、地域の食材を活用した料理教室の開催や、地域の料理人を講師に招くといった取り組みが行われ、これらの活動を通して、子どもたちは地域の食文化の魅力や価値を直接体験することができるでしょう。
また、地域の行事と連携した食文化の継承プログラムの実施も効果的です。
祭りやお祝いの際に伝統的な料理を作り、食べ合う活動に参加することで、子どもたちは地域の食文化を体感し、継承する大切さを学べるはずです。
さらに、地域の人々と交流しながら、昔からの食習慣や料理の由来などを聞き取り、ワークショップなどで共有していくことも重要です。
こうした取り組みを通して、子どもたちが地域の食文化を理解し、大切に思う気持ちを育んでいくことができるでしょう。
小学校の食育においては、地域に根ざした食文化の継承が今後ますます重要になってくると考えられます。

4-3学校・地域・家庭が一体となった食育推進

小学校における食育の成功には、学校、地域、家庭が一体となった取り組みが不可欠です。
それぞれの主体が密接に連携し、子どもたちの健全な食生活を支援していく必要があるでしょう。
学校では、教科指導や給食を通して、子どもたちの基礎的な食育を行います。
教科では食に関する知識を習得し、給食では実際の食事を通して適切な食習慣を身につけていきます。
一方、地域では、農家や食品事業者、地域の料理人などが参加し、食育イベントの開催や食材の提供、調理実習の実施など、学校の取り組みをサポートします。
地域の食文化を学び、体験する機会を設けることで、子どもたちの関心を引き出すことができるでしょう。
そして家庭では、保護者が子どもの食生活をしっかりと管理し、学校や地域での取り組みと連携しながら、家庭内での食育を推進します。
保護者が子どもの食習慣形成に大きな影響を与えるため、家庭での食育は重要不可欠です。
学校、地域、家庭がそれぞれの役割を果たしながら、密接に連携していくことで、子どもたちの健全な食生活の実現につながります。
例えば、学校が地域の食材を活用した給食メニューを提供し、地域の人々が調理方法を指導する。
また、家庭ではその給食の内容を踏まえ、同様の料理を作って子どもたちと一緒に食べる。このように、学校、地域、家庭が一体となって取り組むことで、子どもたちの食への関心を高め、望ましい食習慣の定着を促すことができるのです。
このように、小学校における食育の推進には、学校・地域・家庭が連携・協働していくことが不可欠です。

01学校ではどのように「食育」が行われているか

学校での食育はどのように行われているのでしょうか。ここでご紹介しましょう。

1-1給食を教材とした取り組み

小学校の現場では様々な食育への取り組みが行われていますが、もっとも一般的なのは給食を教材とした食育です。たとえば、その日の給食に使われた材料を、栄養素ごとに分けて掲示し、子どもたちに食事と栄養素のつながりなどを意識させるといった方法です。
しかし、この食育は最近始まったものではありません。食育といえば、つい最近始まった新しい教育だと考えがちですが、同様の取り組みは栄養教育や食教育といった形で昔から行われ続けていました。かつてはそれほど詳しいものではなく、ごはんやパンなどの炭水化物を白、肉や魚、卵などたんぱく質を中心にしたものを赤、野菜などを緑と言った色分けで表示、健康な身体づくりにはバランスのよい食事が必要であることを教えていました。もしかすると、小学校時代を思い出せば記憶があるという方もいるかもしれません。
これらは子どもたちに食事に興味を持たせるうえでは、非常に有効な伝統的な手法と言えます。

1-2栽培活動

理科や生活などの科目では、学校で食べられる野菜を栽培するといったことも行われますが、これもひとつの食育の手法と言えるでしょう。平成17年に施行された「食育基本法」では、バランスの良い食に関する知識を身につけることや、その食習慣を身につけるだけでなく、食べ物や、その食べ物を作る人に感謝の心を持つという点も重要な要素として挙げられています。特に都会では、野菜などの栽培を行う畑なども身近な存在ではなく、「野菜を育てる」というイメージを抱くことも難しいものですが、自分たちの手で野菜などを栽培することで、より生産者を身近に感じ、感謝の心を持つことにもつながるといえます。

1-3収穫した作物を調理

食育が重視するのは、食べることはもちろん、食べ物を大切にすることです。そのため、学校で育て、収穫した作物は自分たちの手で調理を行うことになります。「育てる」から「食べる」までをひとつの流れとして認識することは、子どもたちの食への関心や興味を高めることにもつながります。

1-4給食材料の下処理の手伝い

学校によっては、給食に使われる材料をした処理する手伝いなどを行うこともあります。たとえば、グリンピースやソラマメのさやをむく、トウモロコシの皮をはぐといった作業を行うことで、食材についての関心を深めることができます。また、多くの小学校では給食の食材として、地元産の野菜が使われています。自分たちが暮らしている郷土では、どの季節にどのような野菜を収穫しているのかといった点にも関心を抱くことができるだけでなく、子どもたちにとっては「食材を選択する」「調理の方法を知る」といった複合的な知識に触れるというメリットもあります。
また、最近では皮のついた野菜や、調理する前の魚を見たことがない、触れたことがないという子どもも少なくありません。これらの調理の手伝いを行うことで、食べ物と人とのかかわりを知ることもできます。

1-5食育の授業

食育は、授業の中に取り入れられることもあります。たとえば「味覚」や「食事」に関する授業では、子どもたちは普段何気なく感じていることや行っていることを深く考える導入となります。
そのほか「朝ごはんを食べる」「野菜を食べる」といった、偏食や食習慣などについての授業も行われます。家庭での食育は、お手伝いといったことが中心になりますが、小学校では発表や話し合いといったコミュニケーション能力を育てるための食育も行われています。

02小学校における食育の事例紹介

それでは、実際の小学校の現場における食育の事例を見てみましょう。

2-1葛飾区の小学校「マナー給食・バイキング給食」

葛飾区の小学校で実際に行われているのは「マナー給食」です。これは、正しいお箸の持ち方や使い方から、茶碗、汁椀の持ち方、和食器の配膳のルール、骨のついた魚の食べ方についてレクチャーを受けたあと、実際に給食を通じて、マナーの実践を学ぶ授業です。
このマナー給食では、お頭付きの焼き魚を提供、家庭ではなかなか丸ごとの魚を提供する機会も少なくなっているため、伝統的な和食について学ぶという点でも、非常に教育高い教育効果が期待できます。
このマナー給食では、和食だけでなく洋食のマナーについて学ぶこともあります。洋食のマナー給食では、食器の配置やナイフやフォーク、スプーンの並べ方、ナプキンの使い方といった洋食の食べ方の基本について学んだあと、給食を通じて学んだマナーを実際に体験します。
それ以外にも、葛飾区の小学校では、「バイキング給食」という食育も行われています。
これは一学期に一度行われるデザートバイキングで、季節のフルーツや学期ごとに異なるケーキをデザートとして提供するもの。特に六年生の場合、卒業を祝って、体育館で行う「卒業バイキング給食」を実施しています。
これらユニークな給食は、子どもたちの食への関心を高めるために行われるもの。実際に給食を食べる前には、短い栄養指導などを行うことで、これから食べるものが身体にどのような影響を与えるかと言うことを学ぶこともできます。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~taiiku-bo/syokuikukakari/data/handbook.pdf
(出典:細田小学校における食育の取り組み 「マナー給食・バイキング給食」)

2-2兵庫県教育委員会食育ハンドブック、「昔の道具と人々のくらし」「国産と外国産の豆腐」

兵庫県では「学校における食育実践プログラム」を策定、翌年から栄養教諭の配置を進め、様々な食育が行われています。
たとえば、小学三年生の社会科の授業で行われたのは「昔の道具と人々の暮らし」。かつては家庭の重要な調理道具であった七輪を実際に使用して、昔の暮らしを実感するとともに、子どもたちの意欲を高める目的で行われたものです。この授業では、地域の人々の食文化や生活の変化、先人の苦心などを体験することができます。
また、小学校五年生の社会科で行われたのは、「国産と外国産の豆腐」。身近な食材である豆腐をテーマに、食料自給率の低下や食料輸入の問題へ関心を深め、今後自分たちが取り組むべき課題を考えるための授業です。
授業の流れは、買い物に行ったときに国産・外国産のどちらの豆腐を買うか、それぞれの子どもが選択、その理由を話合い、実際に国産と外国産のものを食べ比べて味を確かめます。
その際、給食で使われている豆腐は外国産であることを知らせるのがこの授業のポイント。
その後、豆腐の材料である大豆だけでなく、国産の農産物の状況や、日本の食料自給率の現状などをゲストティーチャーを招いて授業を行います。
そのほかにも、兵庫県では「お弁当」や「ふるさとの料理」など、子どもたちに親しみのあるテーマを選び、様々な食育の授業に取り組んでいます。
(出典:「兵庫県教育委員会、食育ハンドブック」)

03まとめ

小学校における食育は、楽しみながら学べるよう工夫されています。
単に知識を詰め込むのではなく、子どもたちの五感を通じて食の大切さを体感できる取り組みが行われています。
また、子どもたち自らが調理実習に取り組むこともあります。
食材の特徴や調理方法を学びながら、楽しみながら料理を作ることで、食への興味関心を高めることができます。
さらに、地域の人々を招いて食文化の紹介をしてもらうなど、交流を通じて食への理解を深める取り組みも行われています。
このように、小学校の食育では、楽しみながら学べるさまざまな体験的な活動が用意されています。
子どもたちが食の大切さを実感し、健やかな成長につなげることができるでしょう。小学校でも大きな注目を集めている食育。今後、小学校の教諭を目指す人にとって、食育の知識を身につけることは必要不可欠といえるかもしれません。

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あい 先生
スピリチュアルカウンセラー
1978年生まれ。札幌市出身。
フードアナリストの資格を持つ占い師として、風水や西洋占星術など占いを活用した「ラッキー〇〇」として有名企業の企画の執筆も手掛ける。

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