早いうちから取り組みたい!幼児期からの食育のメリットやポイント

早いうちから取り組みたい!幼児期からの食育のメリットやポイント

子どもの成長にとって、非常に重要なのが食。そのためにも正しい食の知識を身につけ、関心を高める食育は不可欠です。特に幼児期からの食育は非常に有効だと考えられています。今回は幼児期から食育を行うメリットや、そのときのポイントをご紹介します。

幼児から食育を行うことのメリット

3歳までに培われた味覚が一生影響を与えると言われている

ピアノやバイオリンなどの音楽、サッカーや水泳など、どのようなジャンルでも幼児期から教育を行うことは非常に高い効果があるといわれています。そのなかでも、食育は幼児期から行うと、非常にメリットがあるもの。

その理由には人間の味覚が関係しています。

味覚は心身の成長と同様、様々な味を経験することで鍛えられていくものだと考えがちですが、実は味覚の成長は生まれる前から始まっています。さらに生まれてからは成長の速度が速くなり、3歳の頃にはほぼ決まると言われています。そのときに決まった味覚は、その後子どもが感じる味の基本となるため、3歳までの幼児期にしっかりとした食育を行うことは、子どもの一生を通じて非常に重要となるのです。

味覚の仕組み

甘味、塩味、酸味、苦味、うま味

調理法や食材、味付けによって、料理には様々な味があります。しかし、実はどのように複雑な味であっても、5つの基本の味に分類することができます。それが「五味」「基本味」と呼ばれるもので、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つで成り立っています。これらの味の濃淡や組み合わせによって、様々な味が生まれますが、実はこれらの味には、それぞれ人間の身体にメッセージを伝えるという役割があります。

甘味が伝えているのは、エネルギーとなる糖の存在。甘いものといえば砂糖が思い浮かびますが、そのほかにも米や小麦などの炭水化物も、しっかり味わっているとほのかな甘みを感じるもの。これら糖分は人間の活動にとって必要不可欠なもの。栄養分の中でも非常に重要な存在です。一般的に子どもは甘いものが好きなものですが、それは糖分を補給しようという本能から生まれているものです。

一方、塩味が伝えているのは「ミネラル」。ミネラルもまた人間の活動には不可欠なもので、骨の形成に重要な役割を果たしている他、たんぱく質や脂質の成分となる、体液や血液のバランスを保つ、脳からの指令を伝えるなどの働きがあります。

また、うま味もたんぱく質や、たんぱく質が分解したアミノ酸の存在を伝えることで、「美味しい」「食べたい」と感じることができます。

逆に、酸味や苦味が伝えているのは「食べてはいけない」というサイン。酸味は食物が腐敗したり、果物が未成熟だったりと言った場合に感じるもの。苦味も人間の身体に有害だと判断するためのひとつの基準です。いわば、これらは「危険な食べ物」のサイン。大人になると、たとえ酸っぱい食べ物や苦い食べ物であっても、見た目やにおい、なによりもこれまでの経験によって「危険ではなく食べられるもの」と判断できますが、まだまだ食の経験が少ない子どもの場合には、味覚が「食べないほうがいい」と判断してしまいます。子どもが酸っぱいものや苦いものを嫌うのはこのため。

たとえばピーマンやホウレン草など、苦いものが苦手なのも当然のこと。しかし、それを放置しておくと、大人になってもこれらの食品が食べられない、いわゆる「子ども舌」の持ち主になってしまいます。

正しい食育には、子どもの舌に経験を積ませるという役割もあります。

味蕾(みらい)の役割と発達

それでは、どうすれば子供の舌を正しく成長させることができるのでしょうか。それを考える前に、まず人間が味を感じる仕組みについてみていきましょう。

人間は舌で味を感じますが、もっと正確に言うと、味を感じるのは、舌にある「味蕾」という器官で、この部分が味を感じています。この味蕾は、妊娠7週目ごろから生まれ、14週目ごろには大人とほぼ同じ構造になります。生まれてからも味蕾の数は増えていきますが、味蕾の数がピークとなるのが約三か月ごろまで。その後、五か月を過ぎるころから、少しずつ鈍感になっていきます。

鈍感になるというと、よくないことのように聞こえるかもしれませんが、それにもきちんとした理由があります。それまでの期間、赤ちゃんが口にするのはお母さんのおっぱいだけ。生後すぐの赤ちゃんは病気になりやすいため自分が安全だと理解できるものしか食べることができません。それが少しずつ鈍感になることで、おっぱいだけではなく、離乳食を受け付けるようになるのです。

幼児の味覚の幅を広げるポイント

それでは、具体的に幼児期に食育を行うには、どのようなポイントがあるのでしょうか。

色々な素材の味を経験させる

幼児期におけるもっとも重要な食育は、様々な素材の味を経験させるということ。甘味や塩味、うま味はもちろん、酸味や苦味などの味を経験させることで子どもは複雑な味を感じることができるようになります。また、酸味や苦味のあるものでも、「危険なものではない」と判断することができるため、好き嫌いを減らすこともできます。ただし注意したいこともあります。それはケチャップやマヨネーズ、ドレッシングなどは使わないということ。これらの調味料は味が強く、素材の味が分からなくなってしまうだけでなく、食べ過ぎると濃い味付けに慣れてしまい、大人になっても濃い味を求めるようになってしまいます。

繰り返し食べることで嗜好を定着させる

子どもにとって重要なのは、「これは食べても安全」と理解すること。たとえ苦いものや酸っぱいものでも、食べてもいいと教えることが重要です。そのときに必要なのが、繰り返し食べること。何度も同じものを食べることで、身体は「危険なものではない」と判断、苦いものや酸っぱいものを食べる基礎を作ってくれます。

また、複雑な味の和風だしなども、毎日の食事に加えることで美味しさが味覚に刷り込まれ、大人になっても和食の繊細な美味しさを感じることができます。

食事が楽しいと感じる環境をつくる

食育といえば、食に関する教育と思われがちですが、なによりも大切なのは「食事の楽しさ」を教えることです。そのため、まずは食事を楽しめる環境を作りましょう。共稼ぎなど、夫婦ともに多忙な現代社会では、ついつい食べない子どもをしかったり、無理に食べさせようとしたりしてしまいがちですが、「食べてくれたらそれでいい」といった気持ちで食卓を楽しむことが何よりも大切になります。

好き嫌いは学習による

子どもによって好き嫌いの数には違いがありますが、実は好き嫌いは学習の結果によるものです。

安全学習

安全学習とは、「食べたことがあるものは安全」というものです。そのため、一度も食べたことがないという理由で「嫌い」と思い込んでしまうこともあります。

嫌悪学習

嫌悪学習は「食べたときに具合が悪くなった」という記憶をもとに「嫌い」だと判断することです。この場合は、「具合が悪い」という記憶を「食べても大丈夫」という記憶で上書きすることが必要です。

嗜好学習

嗜好学習とは、「食べたら具合が良くなった」と学習することで、食べ物自体を好きになることです。

連想学習

連想学習は食べ物の味とは関係なく、食卓の雰囲気など、食べ物と記憶が結びつくことを指します。

まとめ

子どもが食べ物を食べない、好き嫌いをするといったことには、きちんとした理由があります。この子のためだからと無理に食べさせることが逆効果になることもあるため、幼児期の食育には正しい知識を身につけることも必要になります。

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