どんなことをやってるの?小学校における食育の取り組み

どんなことをやってるの?小学校における食育の取り組み

子どもが成長する上で、食についての知識や関心を深める「食育」は非常に重要な存在です。特に、心身の成長が著しい小学生時代に行われる食育は、子どもの生涯にわたって大きな影響をもたらすといっても過言ではありません。それでは、実際には小学校ではどのような食育が行われているのでしょうか。今回は小学校における食育の取り組みについてご紹介します。

学校ではどのように「食育」が行われているか

給食を教材とした取り組み

小学校の現場では様々な食育への取り組みが行われていますが、もっとも一般的なのは給食を教材とした食育です。たとえば、その日の給食に使われた材料を、栄養素ごとに分けて掲示し、子どもたちに食事と栄養素のつながりなどを意識させるといった方法です。

しかし、この食育は最近始まったものではありません。食育といえば、つい最近始まった新しい教育だと考えがちですが、同様の取り組みは栄養教育や食教育といった形で昔から行われ続けていました。かつてはそれほど詳しいものではなく、ごはんやパンなどの炭水化物を白、肉や魚、卵などたんぱく質を中心にしたものを赤、野菜などを緑と言った色分けで表示、健康な身体づくりにはバランスのよい食事が必要であることを教えていました。もしかすると、小学校時代を思い出せば記憶があるという方もいるかもしれません。

これらは子どもたちに食事に興味を持たせるうえでは、非常に有効な伝統的な手法と言えます。

栽培活動

理科や生活などの科目では、学校で食べられる野菜を栽培するといったことも行われますが、これもひとつの食育の手法と言えるでしょう。平成17年に施行された「食育基本法」では、バランスの良い食に関する知識を身につけることや、その食習慣を身につけるだけでなく、食べ物や、その食べ物を作る人に感謝の心を持つという点も重要な要素として挙げられています。特に都会では、野菜などの栽培を行う畑なども身近な存在ではなく、「野菜を育てる」というイメージを抱くことも難しいものですが、自分たちの手で野菜などを栽培することで、より生産者を身近に感じ、感謝の心を持つことにもつながるといえます。

収穫した作物を調理

食育が重視するのは、食べることはもちろん、食べ物を大切にすることです。そのため、学校で育て、収穫した作物は自分たちの手で調理を行うことになります。「育てる」から「食べる」までをひとつの流れとして認識することは、子どもたちの食への関心や興味を高めることにもつながります。

給食材料の下処理の手伝い

学校によっては、給食に使われる材料をした処理する手伝いなどを行うこともあります。たとえば、グリンピースやソラマメのさやをむく、トウモロコシの皮をはぐといった作業を行うことで、食材についての関心を深めることができます。また、多くの小学校では給食の食材として、地元産の野菜が使われています。自分たちが暮らしている郷土では、どの季節にどのような野菜を収穫しているのかといった点にも関心を抱くことができるだけでなく、子どもたちにとっては「食材を選択する」「調理の方法を知る」といった複合的な知識に触れるというメリットもあります。

また、最近では皮のついた野菜や、調理する前の魚を見たことがない、触れたことがないという子どもも少なくありません。これらの調理の手伝いを行うことで、食べ物と人とのかかわりを知ることもできます。

食育の授業

食育は、授業の中に取り入れられることもあります。たとえば「味覚」や「食事」に関する授業では、子どもたちは普段何気なく感じていることや行っていることを深く考える導入となります。

そのほか「朝ごはんを食べる」「野菜を食べる」といった、偏食や食習慣などについての授業も行われます。家庭での食育は、お手伝いといったことが中心になりますが、小学校では発表や話し合いといったコミュニケーション能力を育てるための食育も行われています。

小学校における食育の事例紹介

それでは、実際の小学校の現場における食育の事例を見てみましょう。

葛飾区の小学校「マナー給食・バイキング給食」

葛飾区の小学校で実際に行われているのは「マナー給食」です。これは、正しいお箸の持ち方や使い方から、茶碗、汁椀の持ち方、和食器の配膳のルール、骨のついた魚の食べ方についてレクチャーを受けたあと、実際に給食を通じて、マナーの実践を学ぶ授業です。

このマナー給食では、お頭付きの焼き魚を提供、家庭ではなかなか丸ごとの魚を提供する機会も少なくなっているため、伝統的な和食について学ぶという点でも、非常に教育高い教育効果が期待できます。

このマナー給食では、和食だけでなく洋食のマナーについて学ぶこともあります。洋食のマナー給食では、食器の配置やナイフやフォーク、スプーンの並べ方、ナプキンの使い方といった洋食の食べ方の基本について学んだあと、給食を通じて学んだマナーを実際に体験します。

それ以外にも、葛飾区の小学校では、「バイキング給食」という食育も行われています。

これは一学期に一度行われるデザートバイキングで、季節のフルーツや学期ごとに異なるケーキをデザートとして提供するもの。特に六年生の場合、卒業を祝って、体育館で行う「卒業バイキング給食」を実施しています。

これらユニークな給食は、子どもたちの食への関心を高めるために行われるもの。実際に給食を食べる前には、短い栄養指導などを行うことで、これから食べるものが身体にどのような影響を与えるかと言うことを学ぶこともできます。

http://www.hyogo-c.ed.jp/~taiiku-bo/syokuikukakari/data/handbook.pdf

(出典:細田小学校における食育の取り組み 「マナー給食・バイキング給食」)

兵庫県教育委員会、食育ハンドブックより「昔の道具と人々のくらし」「国産と外国産の豆腐」

兵庫県では平成18年に「学校における食育実践プログラム」を策定、翌年から栄養教諭の配置を進め、様々な食育が行われています。

たとえば、小学三年生の社会科の授業で行われたのは「昔の道具と人々の暮らし」。かつては家庭の重要な調理道具であった七輪を実際に使用して、昔の暮らしを実感するとともに、子どもたちの意欲を高める目的で行われたものです。この授業では、地域の人々の食文化や生活の変化、先人の苦心などを体験することができます。

また、小学校五年生の社会科で行われたのは、「国産と外国産の豆腐」。身近な食材である豆腐をテーマに、食料自給率の低下や食料輸入の問題へ関心を深め、今後自分たちが取り組むべき課題を考えるための授業です。

授業の流れは、買い物に行ったときに国産・外国産のどちらの豆腐を買うか、それぞれの子どもが選択、その理由を話合い、実際に国産と外国産のものを食べ比べて味を確かめます。

その際、給食で使われている豆腐は外国産であることを知らせるのがこの授業のポイント。

その後、豆腐の材料である大豆だけでなく、国産の農産物の状況や、日本の食料自給率の現状などをゲストティーチャーを招いて授業を行います。

そのほかにも、兵庫県では「お弁当」や「ふるさとの料理」など、子どもたちに親しみのあるテーマを選び、様々な食育の授業に取り組んでいます。

http://www.hyogo-c.ed.jp/~taiiku-bo/syokuikukakari/data/handbook.pdf

(出典:「兵庫県教育委員会、食育ハンドブック」)

まとめ

小学校でも大きな注目を集めている食育。今後、小学校の教諭を目指す人にとって、食育の知識を身につけることは必要不可欠といえるかもしれません。

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