実はひとつじゃない!タルト生地の種類と特徴、使い分けについて

実はひとつじゃない!タルト生地の種類と特徴、使い分けについて

スイーツの中でもファンが多いお菓子と言えばタルトです。自分でも美味しいタルトを作ってみたいと思っている方も多いかもしれません。実はタルト生地には様々な種類があります。今回はタルト生地の種類や特徴、使い分けについてご紹介します。

タルト生地の種類

フルーツやクリームだけでなく、サクサクした生地もタルトの魅力。タルトを作るためには、タルト生地だけを先に焼いたり、生地にフルーツやクリームを詰めてから焼いたりと様々な方法がありますが、実はタルト生地自体にも違いがあります。

一般的に使われることが多いのがシュクレ生地、ブリゼ生地、サブレ生地の三種類。生地を意味するフランス語から、パートシュクレ、パートブリゼ、パートサブレと呼ばれることもあります。なおブリゼ生地はフォンセ生地(パートフォンセ)と呼ばれることもあります。

各タルト生地の特徴

三種類の生地には、それぞれ口当たりや味など特徴に違いがあります。ではこれらの生地はそれぞれどんな特徴があるのでしょうか。

パートシュクレ

「パートシュクレ」の「シュクレ」とは、フランス語で「甘い」「砂糖の入った」という意味です。

つまりパートシュクレとは、直訳すると「甘い生地」ということ。実際にパートシュクレを作るときにも、砂糖とバターを混ぜたものに卵と小麦粉を加えて作ります。その際に使われる砂糖の量は他の生地を作るときよりも多め。現在ではダイエット志向やヘルシーさという観点から砂糖が控えめになるレシピもありますが、パートシュクレは本来しっかりとした甘さのあるものだということは覚えておきましょう。

パートシュクレの特徴は甘さだけではありません。パートシュクレは卵とバターを合わせてから小麦粉を加えて作られますが、そのために小麦粉の結びつきが弱く、生地の密度が高くなるため、もろくてサクサクした口当たりです。

また、砂糖をしっかりと加えるため、焼き上がりはこんがりとした焼き色がつき、他の生地よりも固めになります。

パートブリゼ、またはパートフォンセ

「パートブリゼ」の「ブリゼ」とは、フランス語で「砕けた」「壊れた」という意味です。パートブリゼは卵を加えずに作られるため、固めで乾燥している生地。また「パートフォンセ」の「フォンセ」は「型に生地を敷く」という意味で、これはパートブリゼまたはパートフォンセがタルトやキッシュの底に敷いて使われることが理由です。

パートブリゼやパートフォンセはバターも砂糖も他の生地にくらべると少な目で、甘味がなく、固めの食感。さらに弾力があってくずれにくく、水分がしみにくいためタルトやキッシュの土台には最適です。食感はパイ生地とタルト生地の中間の口当たりで、「サクホロ」「カリカリ」と表現されることもあります。

パートサブレ

「パートサブレ」の「サブレ」とは、フランス語で「砂のような」という意味。これはパートサブレの食感を表しています。

パートサブレは他の生地に比べるとざらざらしていて口の中で崩れやすいのが特徴。そのため「砂のような生地」という名前で呼ばれています。

パートサブレを作るときには、冷たいバターと小麦粉を合わせて、その後に卵などの液体が加えられます。またバターの量も他の生地のレシピに比べると多め。そのため、小麦粉に水を加えたときに生まれるグルテンの発生が抑えられ、くちどけのよいサクサクとした口当たりが生まれます。

また、砂糖の量も控え目か使用されないことから、甘味がないか、ほんの少しの甘味を加える生地です。

サブレ生地はクリームをしっかり使ったタルトの生地として用いられるほか、型を抜いて焼いて作るクッキーの生地としても使われます。

タルト生地の使い分け

三種類のタルト生地はそれぞれ作り方や特徴が異なります。それでは、実際にタルトを作るときにはそれぞれの生地をどのように使い分ければよいのでしょうか。

パートシュクレとパートサブレ

パートシュクレとパートサブレはほぼ同じ材料を用いて作られるタルト生地。両方ともサクサクしているなど特徴も似ています。そのため、同じように使ってしまう人もいるようですが、これは大きな間違い。きちんとそれぞれの生地を使い分けるとさらに美味しいタルトを作ることができます。

そもそもパートシュクレとパートサブレの生地はどのように作られるのでしょうか。

まずパートシュクレの場合、柔らかくしたバターに砂糖を混ぜて、そこに水分、小麦粉の順に材料を加えていきます。

この場合、砂糖はバターの中に入り、そこに水分が加わり、さらに小麦粉が入るため、小麦粉と水分は結び付きにくくなります。

一方のパートサブレでは、冷たいバターと小麦粉、砂糖を加えたに水分を加えて作られます。

この場合でも、水分と小麦粉は結び付きにくくなり、焼き上がりは軽く、くちどけがよくなります。

正しいレシピと手順で作られたパートシュクレはやや硬め。そのため、フルーツやカスタードを使ったデザートタルトに向いています。

また、パートシュクレは甘い生地なので、中に加えるフルーツは酸味の強いものや、甘さを控えめにしたカスタードクリームを用いることで、バランスのよいタルトに仕上げることができます。

パートサブレの場合、パートシュクレとの違いは甘さや食感だけでなく、焼き上げたときの強度にも現れます。パートサブレはもろくて割れやすいため、クリームを使ったタルトが向いています。また、パートシュクレに比べると甘さが少ないため、しっかりとした甘さを持ったクリームを使用しても、甘すぎないタルトになります。

パートサブレはサクサクした食感も特徴なので、舌ざわりや生地のアクセントを楽しみたいというときにも最適です。

パートブリゼ

パートブリゼはパートサブレと同じ手順で作られる生地です。そのため、パートブリゼとパートサブレは似た部分もあります。しかし、パートブリゼとパートサブレで大きく異なるのが材料。

パートサブレの場合、水分として卵が加わりますが、パートサブレでは水が使われます。また、パートブリゼはパートサブレよりもバターが少ないという特徴があります。

そのため、パートブリゼは具材の水分を吸い込みにくいもの。また、パートブリゼは砂糖を使わないため、甘さのない生地に仕上がります。このような特徴を持ったパートブリゼは、生クリームや牛乳などの液体を加えたタルトや、甘さを加えたくないキッシュなどの惣菜タルトに最適です。

また、具材にチョコレートなどしっかりした甘さを持ったものを使いたい場合、生地に甘さのないパートブリゼを使用することで、味のバランスを調節することもできます。

各生地に適したタルトの名前

それぞれの特徴を持った三つのタルト生地。では、具体的にそれぞれの生地にはどんなタルトが向いているのでしょうか。

パートシュクレ

パートシュクレの特徴は生地の甘さともろい食感。タルトに使われる生地の中ではもっとも一般的な種類のひとつで、多くのタルトに使用されます。

パートシュクレが使用されるタルトの中で多いのが、イチゴを使った「タルト・オ・フレーズ」やレモンの香りが楽しめる「タルト・オ・シトロン」、洋ナシのタルト「タルト・ブルダルー」といったフルーツを使用したタルトです。生地と具材の甘さが加わり、満足感のあるタルトになります。

また、生地が固いため、水分の多いフルーツを使うことも可能。その他にも、アーモンドクリームやカスタードクリームといった水分の多いクリームを使うタルトにも向いています。

このようにパートシュクレは非常に使い勝手のよいタルトですが、生地が甘いため、甘さを控えたタルトにしたい場合や、デザートではなく、食事としてのタルトを作りたいという場合にはやや注意が必要と言えるでしょう。

パートサブレ

パートサブレもパートシュクレと同じように使い勝手のよいタルト生地です。特にパートサブレの場合、バターの香りとサクサクした食感が楽しめるため、タルト生地を楽しみたいという場合にも向いています。

特におすすめなのがりんごを使った「タルト・オ・ポム」。パートサブレのバターの香りと生地の食感、リンゴの甘さなどがぴったり合ったタルトは常に人気の一品です。また、様々なフルーツを使った「タルト・オ・フリュイ」にもパートサブレがおすすめです。

生地自体の味や風味があるため、詰め物にはできるだけ軽い味のものがよいでしょう。しっかりした味や個性的な風味のものなどを合わせることもありますが、使用する食材によっては、具材とパートサブレがケンカして味がまとまらないという結果になってしまいます。

パートブリゼ

パートブリゼが他の二種類の生地と大きく異なるのは、水分が少なく、生地が固いということ。そのため、液体の多い詰め物を使ったタルトに向いています。もし他の生地を使った場合、水分を吸い込んでタルトがべちゃべちゃになってしまう心配がありますが、パートブリゼの場合、生地が水分を吸い込むことが少ないため、美味しいタルトに仕上げることができます。

また、生地自体に甘さがないため、具材をしっかりと甘くしてタルト生地に入れるクラシックなレシピにも最適です。もし他の生地を使うと、甘すぎる、べたつくという心配もありますが、甘さのないパートブリゼの場合には、バランスのよさを保つことができます。

たとえば「タルト・ノルマンド(ノルマンディー風タルト)」「タルト・アルザシエンヌ(アルザス風タルト)」といった地域性の豊かなタルトや、甘さのない食事系の「キッシュ」などを作りたい場合、パートブリゼを使うことをおすすめします。

まとめ

タルト生地には様々な種類があり、その特徴も大きく異なります。もしタルトを作ったけど失敗してしまった、いまひとつ美味しくないという場合には、生地の選び方を見直してみるのはいかがでしょうか。

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