早く気づいてあげることが大切!猫のストレスサインについて
猫は自由で気ままな生き物というイメージがありますが、猫もストレスを感じることがあります。ストレスが溜まってしまうと、問題行動や心身の不調の原因になってしまうことも。といっても猫は自分からストレスを訴えることができません。そんなときに役立つのが猫のストレスサインです。今回は猫のストレスサインについてご紹介します。
01猫のストレス
猫はとてもマイペースな生き物です。人間の場合、ストレスといえば何かを我慢するときに起きるもの。そのため、猫はストレスを感じることがないようにも思えるもの。
しかし実際には、猫もストレスを感じることがあります。といっても、猫と人間ではストレスの原因が異なります。人間にとっては平気なことでも、猫にとっては強いストレスになってしまうことも少なくありません。
ただし、ストレスが与える影響は猫も人間も大きな違いはありません。猫もストレスを感じると人間と同じように、情緒不安定になったり、今までと生活習慣や行動が変わってしまうことも。
また、精神的な変化だけでなく、ストレスが原因となり、様々な病気を起こしてしまうこともあります。
02猫がストレスを感じる原因
猫にできるだけ健康な生活を送ってもらうためにはストレスを感じさせないことが必要です。それでは、猫はどのような物事にストレスを感じるのでしょうか。
2-1知らない動物や人間との距離が近い
猫にとって大きなストレスの原因となるのが「距離」。人間にも、それ以上近づかれると不安や感じるという「パーソナルスペース」というものがありますが、猫にとっても同じような距離があります。
これは「逃走距離」と呼ばれるもので、その範囲よりも近くなると、猫は本能的に逃げ出そうとします。
この逃走距離は一般的には3メートルから5メートルと言われていて、猫の個体や性格によっても異なりますが、どちらにしても猫にとって近すぎる距離は苦手ということになります。
ただし、マンションやアパートなどの場合、飼育できるスペースに限りがあるため、どうしても他の生物との距離も近くなりがち。それが慣れている飼い主さんの場合なら構いませんが、知らない人が遊びに来たり、新しい動物が増えたりといった場合、それがどうしても猫のストレスの原因になります。
また、猫好きの人の場合、ついつい猫を構ったり、抱き上げたりすることもありますが、知らない人に接触されることも猫にとってはストレスになってしまいます。最近では、猫の可愛い写真を撮影しようとカメラを持って追いかけ回されることもありますが、これも猫にとっては強い緊張につながります。
そのほかにも、結婚や出産で家族が増えることも、猫のストレスの原因となります。
2-2大きな音、甲高い音が頻繁に鳴る
人間でも突然大きな音が鳴るとびっくりすることがありますが、これは猫にとっても同じこと。そのため、花火や雷といった音は猫のストレスの原因になります。
また、突然の音でなくても、工事や掃除機など、不快な音が続くこともストレスになってしまいます。
さらに猫の場合、高い音が苦手。そのため、子どもが大きな声を出したり、家族が言い争っている声で怯えてしまう猫も少なくありません。
2-3いつもと生活環境が違う
猫は安定した生活環境を好む生き物です。これは猫が縄張りを大事にしているから。猫の縄張りは、自分にとって安全だという場所なので、縄張りに変化がなければ、リラックスして過ごすことができます。逆に縄張り以外の場所にいるときには、外敵に襲われる危険があるため、常に心身が緊張した状態になってしまいます。
そのため、引越しや入院、ペットホテルに預けられるといった状況は猫にとっては非常に苦手。さらに、同じ部屋であっても、模様替えなどを行うと縄張りの状態が変化するため、ストレスを感じることがあります。
また、宿泊を伴わない場合も猫にとっては大きなストレスを感じることに。
たとえば動物病院の受診や、車や電車での長時間移動などでも、不安や緊張を感じることも珍しくありません。
2-4生活環境が良くない
猫にとって安心して暮らせるために重要なのが生活環境です。
清潔なトイレや、十分な食事や水がないという場合、猫は安心して生活することができません。特にトイレは猫にとって大切な場所。もしトイレが汚れている場合、排泄を我慢することもあり、それが原因で病気になってしまうことがあります。
また、飼い主さんの中には、猫を厳しくしつけようとする人もいらっしゃいますが、厳しすぎるしつけもストレスの原因となります。もし厳しいしつけを行っていると、飼い主さんが恐怖の対象になってしまい、同じ部屋にいるだけでも強い不安や緊張を感じることになります。
さらに注意したいのが他の動物を飼っていたり、猫の多頭飼いをしている場合。もちろん、すべての動物と仲良くできればそれに越したことはありませんが、中には相性の悪い組み合わせもあるもの。その場合、自分の縄張りを荒らされていると感じて、大きなストレスを感じてしまいます。
03猫がストレスを感じている時の行動・サイン
言葉を話すことができない猫は、ストレスを飼い主さんに伝えることができません。そんなときに役立つのがストレスサイン。ストレスサインは猫がストレスを感じているかどうかのヒントになります。では、猫がストレスを感じたときにはどのようなストレスサインを発するのでしょうか。
3-1顔つきの変化
猫だけでなく、動物はストレスを感じると交感神経が活発に働きます。交感神経には身体を活動しやすい状態に導く働きがあり、交感神経が優位になると、心拍数や血圧が上昇、それが身体にも現れます。たとえば、呼吸が早くなる、瞳孔が開いているというのは交感神経が活発になっている証拠。その他にも、耳を伏せることもあります。
3-2行動の変化
猫にとって欠かせない行動が爪とぎ。爪とぎは古くなった爪を取り除き、爪を鋭くする目的で行う本能的な行動ですが、爪とぎには、爪を研ぐことで自分のニオイをつけ、そこが自分の縄張りであることを主張する目的もあります。
もし猫の爪とぎの回数が増えたり、広い範囲で行うようになると、それはストレスを感じている証拠。
また、その場で猫が固まってしまう、隠れて出てこなくなってしまうというのも強いストレスの証。
これは他の動物を飼っているときや、多頭飼いをしているときに起きるもので、他の猫の影響から一時的に逃れたい、対立を回避したいという心理の表れです。
そのほかにも、不安や緊張からグルーミングが過剰になるというケースもあります。
3-3食欲や排泄の変化
人間もストレスを感じると心身に不調を感じることがありますが、これは猫にとっても同じこと。
例えば、猫も人間と同様、ストレスによって食欲が落ちることがあります。
というのも、ストレスを感じて交感神経が活発になると、消化や吸収に必要な血液が減少、その代わりに身体を活発に行動できるように筋肉への血流が増加。結果として、胃腸の働きも低下してしまいます。そのため、どうしても食欲が低下し、排泄の回数も少なくなります。
また、猫がストレスを感じたときの代表的な行動のひとつが「尿マーキング」。尿マーキングとは、尿によってにおい付けを行い、縄張りを主張する行動で、立ったままで尿をスプレーとして噴射します。そのため、尿マーキングは尿スプレーを言われることもあります。
この尿マーキングは特別な行動ではありませんが、猫が緊張やストレスを感じている場合には、回数や量も増加します。
猫によっては異物(食べ物でないもの)を食べるという行動でストレスを伝えることもあります。
04ストレスが関連している可能性のある症状
猫のストレスが悪化すると、行動の問題だけでなく、実際の症状として現れることもあります。
4-1泌尿器系の症状
頻尿や膀胱炎といった泌尿器系の病気は、内臓の不調などが原因となることもありますが、ストレスによって発症することがあります。
すでにご紹介したように、猫にとって尿は縄張りを主張するための重要な道具。また、尿マーキングなどを行い、縄張りをはっきりさせることで自分のストレスを軽減しようとすることがあります。
しかし、通常よりも尿の回数が増えると、腎臓や膀胱などに大きな負担がかかります。そのため、ストレスが頻尿や膀胱炎、尿石症、尿路感染症といった泌尿器系の病気につながることは珍しくありません。
4-2消化器系の症状
ストレスは胃や腸などの消化吸収器官にも大きな影響を与えます。交感神経の活性化によって血流が低下、胃腸の働きが衰えるだけでなく、胃酸が過剰に分泌されたり、唾液が不足したりということも、さらに消化器系の病気の原因になります。
もし猫に嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れた場合には、ストレスが原因となっていることがあります。
4-3心因性脱毛症
猫はストレスを感じると、皮膚にかゆみを感じて過剰なグルーミングを行うことがあります。グルーミングは猫が自分の身体をケアする行動なので、ついつい見逃しがちですが、グルーミングの回数が多すぎる場合、皮膚炎などに感染してしまうことがあります。
また、人間の場合にもストレスが原因で脱毛が起きることがありますが、猫もストレスによる心因性の脱毛症を発症することが考えられます。
4-4免疫力の低下
ストレスによって現れる様々な症状の中でも、特に注意が必要なのが免疫力の低下です。免疫は感染症などを予防するため非常に重要な存在ですが、ストレスによって免疫力が低下することで、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。
また、逆に免疫機能を調整することができなくなることでアレルギーの原因にもなります。
05猫にストレスを与えないためにできること
猫と幸せに暮らすために大切なのは、猫にできるだけストレスを与えないこと。では、どうすれば猫に与えるストレスを減らすことができるのでしょうか。
5-1生活環境を整える
猫にとって生活環境は非常に重要。猫がストレスを感じている場合には、まず生活環境を整えてあげましょう。
トイレは清潔な状態を保ち、多頭飼いの場合はそれぞれの猫に合った大きさのトイレを用意しましょう。
もちろん、トイレは毎日掃除をしてあげましょう。猫は非常にきれい好きな生き物なので、排泄物のにおいが残っているだけでもトイレを使わなくなってしまうことがあります。
また、猫は狭い場所を好むもの。そのため、休息場所は適度に狭くしてあげるのがおすすめです。もし広すぎる場合、他の猫と場所の取り合いでケンカになってしまうこともあります。
さらに猫が自由に遊べる棚やキャットタワーを用意しておくと、猫が手軽にストレスを解消することができます。
5-2飼い主や同居家族・動物と良好な関係を築く
猫は本来群れではなく一匹だけで生活する生き物。そのため、飼い主さんや同居している家族、動物などとは適切な関係を築く必要があります。
猫を多頭飼いしている場合には、それぞれの猫が落ち着いて食事を食べられる環境を整えてあげましょう。猫同士が対立することのないように、すべての猫に必要な場所を用意することも必要です。
また、猫にとって遊びの時間は非常に重要。毎日必ず一緒に遊ぶ時間を作り、猫を退屈させないようにしましょう。
ただし、構いすぎは猫にとってストレスの原因となります。一度の遊びは10分から15分を目安にして、一日に二回程度遊びの時間を取ってあげるのがよいでしょう。
5-3ストレスサインが強く出ている場合は、獣医師に相談して行動治療を行う
ストレスは軽視すると命に関わる病気にも発展することがあります。もし爪とぎや尿マーキングといったストレスサインが強く出ている行動を取る場合、出来るだけ早く獣医師などに相談して、専門的な治療を行うようにしましょう。
特に素人の場合、何が猫のストレスの原因になっているのかが分からないということもあります。
ストレスを取り除くためには、まずストレスの原因に対処することが必要。ストレスが悪化する前に専門家のアドバイスを求めましょう。
06まとめ
猫に幸せに暮らしてもらうためにも、少しでも早くストレスサインに気づいてあげることが重要です。猫の好む環境や生態を理解し、毎日猫の様子を観察してあげることが猫のストレスケアには重要です。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
岸本誠也 先生
犬友学園運営
1992年生まれ。神戸出身。大阪の動物病院、整形外科リハビリテーション科に勤務。個人ではペット服のセレクトショップやオンラインマッサージ教室を経営。愛犬のためのオンラインサロン「犬友学園」を運営。
70,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
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Copyright © 2021 RYO SEKKEI ARCHITECT LEARNING SCHOOL All rights reserved.
しかし実際には、猫もストレスを感じることがあります。といっても、猫と人間ではストレスの原因が異なります。人間にとっては平気なことでも、猫にとっては強いストレスになってしまうことも少なくありません。
ただし、ストレスが与える影響は猫も人間も大きな違いはありません。猫もストレスを感じると人間と同じように、情緒不安定になったり、今までと生活習慣や行動が変わってしまうことも。
また、精神的な変化だけでなく、ストレスが原因となり、様々な病気を起こしてしまうこともあります。
02猫がストレスを感じる原因
猫にできるだけ健康な生活を送ってもらうためにはストレスを感じさせないことが必要です。それでは、猫はどのような物事にストレスを感じるのでしょうか。
2-1知らない動物や人間との距離が近い
猫にとって大きなストレスの原因となるのが「距離」。人間にも、それ以上近づかれると不安や感じるという「パーソナルスペース」というものがありますが、猫にとっても同じような距離があります。
これは「逃走距離」と呼ばれるもので、その範囲よりも近くなると、猫は本能的に逃げ出そうとします。
この逃走距離は一般的には3メートルから5メートルと言われていて、猫の個体や性格によっても異なりますが、どちらにしても猫にとって近すぎる距離は苦手ということになります。
ただし、マンションやアパートなどの場合、飼育できるスペースに限りがあるため、どうしても他の生物との距離も近くなりがち。それが慣れている飼い主さんの場合なら構いませんが、知らない人が遊びに来たり、新しい動物が増えたりといった場合、それがどうしても猫のストレスの原因になります。
また、猫好きの人の場合、ついつい猫を構ったり、抱き上げたりすることもありますが、知らない人に接触されることも猫にとってはストレスになってしまいます。最近では、猫の可愛い写真を撮影しようとカメラを持って追いかけ回されることもありますが、これも猫にとっては強い緊張につながります。
そのほかにも、結婚や出産で家族が増えることも、猫のストレスの原因となります。
2-2大きな音、甲高い音が頻繁に鳴る
人間でも突然大きな音が鳴るとびっくりすることがありますが、これは猫にとっても同じこと。そのため、花火や雷といった音は猫のストレスの原因になります。
また、突然の音でなくても、工事や掃除機など、不快な音が続くこともストレスになってしまいます。
さらに猫の場合、高い音が苦手。そのため、子どもが大きな声を出したり、家族が言い争っている声で怯えてしまう猫も少なくありません。
2-3いつもと生活環境が違う
猫は安定した生活環境を好む生き物です。これは猫が縄張りを大事にしているから。猫の縄張りは、自分にとって安全だという場所なので、縄張りに変化がなければ、リラックスして過ごすことができます。逆に縄張り以外の場所にいるときには、外敵に襲われる危険があるため、常に心身が緊張した状態になってしまいます。
そのため、引越しや入院、ペットホテルに預けられるといった状況は猫にとっては非常に苦手。さらに、同じ部屋であっても、模様替えなどを行うと縄張りの状態が変化するため、ストレスを感じることがあります。
また、宿泊を伴わない場合も猫にとっては大きなストレスを感じることに。
たとえば動物病院の受診や、車や電車での長時間移動などでも、不安や緊張を感じることも珍しくありません。
2-4生活環境が良くない
猫にとって安心して暮らせるために重要なのが生活環境です。
清潔なトイレや、十分な食事や水がないという場合、猫は安心して生活することができません。特にトイレは猫にとって大切な場所。もしトイレが汚れている場合、排泄を我慢することもあり、それが原因で病気になってしまうことがあります。
また、飼い主さんの中には、猫を厳しくしつけようとする人もいらっしゃいますが、厳しすぎるしつけもストレスの原因となります。もし厳しいしつけを行っていると、飼い主さんが恐怖の対象になってしまい、同じ部屋にいるだけでも強い不安や緊張を感じることになります。
さらに注意したいのが他の動物を飼っていたり、猫の多頭飼いをしている場合。もちろん、すべての動物と仲良くできればそれに越したことはありませんが、中には相性の悪い組み合わせもあるもの。その場合、自分の縄張りを荒らされていると感じて、大きなストレスを感じてしまいます。
03猫がストレスを感じている時の行動・サイン
言葉を話すことができない猫は、ストレスを飼い主さんに伝えることができません。そんなときに役立つのがストレスサイン。ストレスサインは猫がストレスを感じているかどうかのヒントになります。では、猫がストレスを感じたときにはどのようなストレスサインを発するのでしょうか。
3-1顔つきの変化
猫だけでなく、動物はストレスを感じると交感神経が活発に働きます。交感神経には身体を活動しやすい状態に導く働きがあり、交感神経が優位になると、心拍数や血圧が上昇、それが身体にも現れます。たとえば、呼吸が早くなる、瞳孔が開いているというのは交感神経が活発になっている証拠。その他にも、耳を伏せることもあります。
3-2行動の変化
猫にとって欠かせない行動が爪とぎ。爪とぎは古くなった爪を取り除き、爪を鋭くする目的で行う本能的な行動ですが、爪とぎには、爪を研ぐことで自分のニオイをつけ、そこが自分の縄張りであることを主張する目的もあります。
もし猫の爪とぎの回数が増えたり、広い範囲で行うようになると、それはストレスを感じている証拠。
また、その場で猫が固まってしまう、隠れて出てこなくなってしまうというのも強いストレスの証。
これは他の動物を飼っているときや、多頭飼いをしているときに起きるもので、他の猫の影響から一時的に逃れたい、対立を回避したいという心理の表れです。
そのほかにも、不安や緊張からグルーミングが過剰になるというケースもあります。
3-3食欲や排泄の変化
人間もストレスを感じると心身に不調を感じることがありますが、これは猫にとっても同じこと。
例えば、猫も人間と同様、ストレスによって食欲が落ちることがあります。
というのも、ストレスを感じて交感神経が活発になると、消化や吸収に必要な血液が減少、その代わりに身体を活発に行動できるように筋肉への血流が増加。結果として、胃腸の働きも低下してしまいます。そのため、どうしても食欲が低下し、排泄の回数も少なくなります。
また、猫がストレスを感じたときの代表的な行動のひとつが「尿マーキング」。尿マーキングとは、尿によってにおい付けを行い、縄張りを主張する行動で、立ったままで尿をスプレーとして噴射します。そのため、尿マーキングは尿スプレーを言われることもあります。
この尿マーキングは特別な行動ではありませんが、猫が緊張やストレスを感じている場合には、回数や量も増加します。
猫によっては異物(食べ物でないもの)を食べるという行動でストレスを伝えることもあります。
04ストレスが関連している可能性のある症状
猫のストレスが悪化すると、行動の問題だけでなく、実際の症状として現れることもあります。
4-1泌尿器系の症状
頻尿や膀胱炎といった泌尿器系の病気は、内臓の不調などが原因となることもありますが、ストレスによって発症することがあります。
すでにご紹介したように、猫にとって尿は縄張りを主張するための重要な道具。また、尿マーキングなどを行い、縄張りをはっきりさせることで自分のストレスを軽減しようとすることがあります。
しかし、通常よりも尿の回数が増えると、腎臓や膀胱などに大きな負担がかかります。そのため、ストレスが頻尿や膀胱炎、尿石症、尿路感染症といった泌尿器系の病気につながることは珍しくありません。
4-2消化器系の症状
ストレスは胃や腸などの消化吸収器官にも大きな影響を与えます。交感神経の活性化によって血流が低下、胃腸の働きが衰えるだけでなく、胃酸が過剰に分泌されたり、唾液が不足したりということも、さらに消化器系の病気の原因になります。
もし猫に嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れた場合には、ストレスが原因となっていることがあります。
4-3心因性脱毛症
猫はストレスを感じると、皮膚にかゆみを感じて過剰なグルーミングを行うことがあります。グルーミングは猫が自分の身体をケアする行動なので、ついつい見逃しがちですが、グルーミングの回数が多すぎる場合、皮膚炎などに感染してしまうことがあります。
また、人間の場合にもストレスが原因で脱毛が起きることがありますが、猫もストレスによる心因性の脱毛症を発症することが考えられます。
4-4免疫力の低下
ストレスによって現れる様々な症状の中でも、特に注意が必要なのが免疫力の低下です。免疫は感染症などを予防するため非常に重要な存在ですが、ストレスによって免疫力が低下することで、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。
また、逆に免疫機能を調整することができなくなることでアレルギーの原因にもなります。
05猫にストレスを与えないためにできること
猫と幸せに暮らすために大切なのは、猫にできるだけストレスを与えないこと。では、どうすれば猫に与えるストレスを減らすことができるのでしょうか。
5-1生活環境を整える
猫にとって生活環境は非常に重要。猫がストレスを感じている場合には、まず生活環境を整えてあげましょう。
トイレは清潔な状態を保ち、多頭飼いの場合はそれぞれの猫に合った大きさのトイレを用意しましょう。
もちろん、トイレは毎日掃除をしてあげましょう。猫は非常にきれい好きな生き物なので、排泄物のにおいが残っているだけでもトイレを使わなくなってしまうことがあります。
また、猫は狭い場所を好むもの。そのため、休息場所は適度に狭くしてあげるのがおすすめです。もし広すぎる場合、他の猫と場所の取り合いでケンカになってしまうこともあります。
さらに猫が自由に遊べる棚やキャットタワーを用意しておくと、猫が手軽にストレスを解消することができます。
5-2飼い主や同居家族・動物と良好な関係を築く
猫は本来群れではなく一匹だけで生活する生き物。そのため、飼い主さんや同居している家族、動物などとは適切な関係を築く必要があります。
猫を多頭飼いしている場合には、それぞれの猫が落ち着いて食事を食べられる環境を整えてあげましょう。猫同士が対立することのないように、すべての猫に必要な場所を用意することも必要です。
また、猫にとって遊びの時間は非常に重要。毎日必ず一緒に遊ぶ時間を作り、猫を退屈させないようにしましょう。
ただし、構いすぎは猫にとってストレスの原因となります。一度の遊びは10分から15分を目安にして、一日に二回程度遊びの時間を取ってあげるのがよいでしょう。
5-3ストレスサインが強く出ている場合は、獣医師に相談して行動治療を行う
ストレスは軽視すると命に関わる病気にも発展することがあります。もし爪とぎや尿マーキングといったストレスサインが強く出ている行動を取る場合、出来るだけ早く獣医師などに相談して、専門的な治療を行うようにしましょう。
特に素人の場合、何が猫のストレスの原因になっているのかが分からないということもあります。
ストレスを取り除くためには、まずストレスの原因に対処することが必要。ストレスが悪化する前に専門家のアドバイスを求めましょう。
06まとめ
猫に幸せに暮らしてもらうためにも、少しでも早くストレスサインに気づいてあげることが重要です。猫の好む環境や生態を理解し、毎日猫の様子を観察してあげることが猫のストレスケアには重要です。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
岸本誠也 先生
犬友学園運営
1992年生まれ。神戸出身。大阪の動物病院、整形外科リハビリテーション科に勤務。個人ではペット服のセレクトショップやオンラインマッサージ教室を経営。愛犬のためのオンラインサロン「犬友学園」を運営。
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2-1知らない動物や人間との距離が近い
猫にとって大きなストレスの原因となるのが「距離」。人間にも、それ以上近づかれると不安や感じるという「パーソナルスペース」というものがありますが、猫にとっても同じような距離があります。
これは「逃走距離」と呼ばれるもので、その範囲よりも近くなると、猫は本能的に逃げ出そうとします。
この逃走距離は一般的には3メートルから5メートルと言われていて、猫の個体や性格によっても異なりますが、どちらにしても猫にとって近すぎる距離は苦手ということになります。
ただし、マンションやアパートなどの場合、飼育できるスペースに限りがあるため、どうしても他の生物との距離も近くなりがち。それが慣れている飼い主さんの場合なら構いませんが、知らない人が遊びに来たり、新しい動物が増えたりといった場合、それがどうしても猫のストレスの原因になります。
また、猫好きの人の場合、ついつい猫を構ったり、抱き上げたりすることもありますが、知らない人に接触されることも猫にとってはストレスになってしまいます。最近では、猫の可愛い写真を撮影しようとカメラを持って追いかけ回されることもありますが、これも猫にとっては強い緊張につながります。
そのほかにも、結婚や出産で家族が増えることも、猫のストレスの原因となります。
2-2大きな音、甲高い音が頻繁に鳴る
人間でも突然大きな音が鳴るとびっくりすることがありますが、これは猫にとっても同じこと。そのため、花火や雷といった音は猫のストレスの原因になります。
また、突然の音でなくても、工事や掃除機など、不快な音が続くこともストレスになってしまいます。
さらに猫の場合、高い音が苦手。そのため、子どもが大きな声を出したり、家族が言い争っている声で怯えてしまう猫も少なくありません。
2-3いつもと生活環境が違う
猫は安定した生活環境を好む生き物です。これは猫が縄張りを大事にしているから。猫の縄張りは、自分にとって安全だという場所なので、縄張りに変化がなければ、リラックスして過ごすことができます。逆に縄張り以外の場所にいるときには、外敵に襲われる危険があるため、常に心身が緊張した状態になってしまいます。
そのため、引越しや入院、ペットホテルに預けられるといった状況は猫にとっては非常に苦手。さらに、同じ部屋であっても、模様替えなどを行うと縄張りの状態が変化するため、ストレスを感じることがあります。
また、宿泊を伴わない場合も猫にとっては大きなストレスを感じることに。
たとえば動物病院の受診や、車や電車での長時間移動などでも、不安や緊張を感じることも珍しくありません。
2-4生活環境が良くない
猫にとって安心して暮らせるために重要なのが生活環境です。
清潔なトイレや、十分な食事や水がないという場合、猫は安心して生活することができません。特にトイレは猫にとって大切な場所。もしトイレが汚れている場合、排泄を我慢することもあり、それが原因で病気になってしまうことがあります。
また、飼い主さんの中には、猫を厳しくしつけようとする人もいらっしゃいますが、厳しすぎるしつけもストレスの原因となります。もし厳しいしつけを行っていると、飼い主さんが恐怖の対象になってしまい、同じ部屋にいるだけでも強い不安や緊張を感じることになります。
さらに注意したいのが他の動物を飼っていたり、猫の多頭飼いをしている場合。もちろん、すべての動物と仲良くできればそれに越したことはありませんが、中には相性の悪い組み合わせもあるもの。その場合、自分の縄張りを荒らされていると感じて、大きなストレスを感じてしまいます。
03猫がストレスを感じている時の行動・サイン
言葉を話すことができない猫は、ストレスを飼い主さんに伝えることができません。そんなときに役立つのがストレスサイン。ストレスサインは猫がストレスを感じているかどうかのヒントになります。では、猫がストレスを感じたときにはどのようなストレスサインを発するのでしょうか。
3-1顔つきの変化
猫だけでなく、動物はストレスを感じると交感神経が活発に働きます。交感神経には身体を活動しやすい状態に導く働きがあり、交感神経が優位になると、心拍数や血圧が上昇、それが身体にも現れます。たとえば、呼吸が早くなる、瞳孔が開いているというのは交感神経が活発になっている証拠。その他にも、耳を伏せることもあります。
3-2行動の変化
猫にとって欠かせない行動が爪とぎ。爪とぎは古くなった爪を取り除き、爪を鋭くする目的で行う本能的な行動ですが、爪とぎには、爪を研ぐことで自分のニオイをつけ、そこが自分の縄張りであることを主張する目的もあります。
もし猫の爪とぎの回数が増えたり、広い範囲で行うようになると、それはストレスを感じている証拠。
また、その場で猫が固まってしまう、隠れて出てこなくなってしまうというのも強いストレスの証。
これは他の動物を飼っているときや、多頭飼いをしているときに起きるもので、他の猫の影響から一時的に逃れたい、対立を回避したいという心理の表れです。
そのほかにも、不安や緊張からグルーミングが過剰になるというケースもあります。
3-3食欲や排泄の変化
人間もストレスを感じると心身に不調を感じることがありますが、これは猫にとっても同じこと。
例えば、猫も人間と同様、ストレスによって食欲が落ちることがあります。
というのも、ストレスを感じて交感神経が活発になると、消化や吸収に必要な血液が減少、その代わりに身体を活発に行動できるように筋肉への血流が増加。結果として、胃腸の働きも低下してしまいます。そのため、どうしても食欲が低下し、排泄の回数も少なくなります。
また、猫がストレスを感じたときの代表的な行動のひとつが「尿マーキング」。尿マーキングとは、尿によってにおい付けを行い、縄張りを主張する行動で、立ったままで尿をスプレーとして噴射します。そのため、尿マーキングは尿スプレーを言われることもあります。
この尿マーキングは特別な行動ではありませんが、猫が緊張やストレスを感じている場合には、回数や量も増加します。
猫によっては異物(食べ物でないもの)を食べるという行動でストレスを伝えることもあります。
04ストレスが関連している可能性のある症状
猫のストレスが悪化すると、行動の問題だけでなく、実際の症状として現れることもあります。
4-1泌尿器系の症状
頻尿や膀胱炎といった泌尿器系の病気は、内臓の不調などが原因となることもありますが、ストレスによって発症することがあります。
すでにご紹介したように、猫にとって尿は縄張りを主張するための重要な道具。また、尿マーキングなどを行い、縄張りをはっきりさせることで自分のストレスを軽減しようとすることがあります。
しかし、通常よりも尿の回数が増えると、腎臓や膀胱などに大きな負担がかかります。そのため、ストレスが頻尿や膀胱炎、尿石症、尿路感染症といった泌尿器系の病気につながることは珍しくありません。
4-2消化器系の症状
ストレスは胃や腸などの消化吸収器官にも大きな影響を与えます。交感神経の活性化によって血流が低下、胃腸の働きが衰えるだけでなく、胃酸が過剰に分泌されたり、唾液が不足したりということも、さらに消化器系の病気の原因になります。
もし猫に嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れた場合には、ストレスが原因となっていることがあります。
4-3心因性脱毛症
猫はストレスを感じると、皮膚にかゆみを感じて過剰なグルーミングを行うことがあります。グルーミングは猫が自分の身体をケアする行動なので、ついつい見逃しがちですが、グルーミングの回数が多すぎる場合、皮膚炎などに感染してしまうことがあります。
また、人間の場合にもストレスが原因で脱毛が起きることがありますが、猫もストレスによる心因性の脱毛症を発症することが考えられます。
4-4免疫力の低下
ストレスによって現れる様々な症状の中でも、特に注意が必要なのが免疫力の低下です。免疫は感染症などを予防するため非常に重要な存在ですが、ストレスによって免疫力が低下することで、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。
また、逆に免疫機能を調整することができなくなることでアレルギーの原因にもなります。
05猫にストレスを与えないためにできること
猫と幸せに暮らすために大切なのは、猫にできるだけストレスを与えないこと。では、どうすれば猫に与えるストレスを減らすことができるのでしょうか。
5-1生活環境を整える
猫にとって生活環境は非常に重要。猫がストレスを感じている場合には、まず生活環境を整えてあげましょう。
トイレは清潔な状態を保ち、多頭飼いの場合はそれぞれの猫に合った大きさのトイレを用意しましょう。
もちろん、トイレは毎日掃除をしてあげましょう。猫は非常にきれい好きな生き物なので、排泄物のにおいが残っているだけでもトイレを使わなくなってしまうことがあります。
また、猫は狭い場所を好むもの。そのため、休息場所は適度に狭くしてあげるのがおすすめです。もし広すぎる場合、他の猫と場所の取り合いでケンカになってしまうこともあります。
さらに猫が自由に遊べる棚やキャットタワーを用意しておくと、猫が手軽にストレスを解消することができます。
5-2飼い主や同居家族・動物と良好な関係を築く
猫は本来群れではなく一匹だけで生活する生き物。そのため、飼い主さんや同居している家族、動物などとは適切な関係を築く必要があります。
猫を多頭飼いしている場合には、それぞれの猫が落ち着いて食事を食べられる環境を整えてあげましょう。猫同士が対立することのないように、すべての猫に必要な場所を用意することも必要です。
また、猫にとって遊びの時間は非常に重要。毎日必ず一緒に遊ぶ時間を作り、猫を退屈させないようにしましょう。
ただし、構いすぎは猫にとってストレスの原因となります。一度の遊びは10分から15分を目安にして、一日に二回程度遊びの時間を取ってあげるのがよいでしょう。
5-3ストレスサインが強く出ている場合は、獣医師に相談して行動治療を行う
ストレスは軽視すると命に関わる病気にも発展することがあります。もし爪とぎや尿マーキングといったストレスサインが強く出ている行動を取る場合、出来るだけ早く獣医師などに相談して、専門的な治療を行うようにしましょう。
特に素人の場合、何が猫のストレスの原因になっているのかが分からないということもあります。
ストレスを取り除くためには、まずストレスの原因に対処することが必要。ストレスが悪化する前に専門家のアドバイスを求めましょう。
06まとめ
猫に幸せに暮らしてもらうためにも、少しでも早くストレスサインに気づいてあげることが重要です。猫の好む環境や生態を理解し、毎日猫の様子を観察してあげることが猫のストレスケアには重要です。
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岸本誠也 先生
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1992年生まれ。神戸出身。大阪の動物病院、整形外科リハビリテーション科に勤務。個人ではペット服のセレクトショップやオンラインマッサージ教室を経営。愛犬のためのオンラインサロン「犬友学園」を運営。
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3-1顔つきの変化
猫だけでなく、動物はストレスを感じると交感神経が活発に働きます。交感神経には身体を活動しやすい状態に導く働きがあり、交感神経が優位になると、心拍数や血圧が上昇、それが身体にも現れます。たとえば、呼吸が早くなる、瞳孔が開いているというのは交感神経が活発になっている証拠。その他にも、耳を伏せることもあります。
3-2行動の変化
猫にとって欠かせない行動が爪とぎ。爪とぎは古くなった爪を取り除き、爪を鋭くする目的で行う本能的な行動ですが、爪とぎには、爪を研ぐことで自分のニオイをつけ、そこが自分の縄張りであることを主張する目的もあります。
もし猫の爪とぎの回数が増えたり、広い範囲で行うようになると、それはストレスを感じている証拠。
また、その場で猫が固まってしまう、隠れて出てこなくなってしまうというのも強いストレスの証。
これは他の動物を飼っているときや、多頭飼いをしているときに起きるもので、他の猫の影響から一時的に逃れたい、対立を回避したいという心理の表れです。
そのほかにも、不安や緊張からグルーミングが過剰になるというケースもあります。
3-3食欲や排泄の変化
人間もストレスを感じると心身に不調を感じることがありますが、これは猫にとっても同じこと。
例えば、猫も人間と同様、ストレスによって食欲が落ちることがあります。
というのも、ストレスを感じて交感神経が活発になると、消化や吸収に必要な血液が減少、その代わりに身体を活発に行動できるように筋肉への血流が増加。結果として、胃腸の働きも低下してしまいます。そのため、どうしても食欲が低下し、排泄の回数も少なくなります。
また、猫がストレスを感じたときの代表的な行動のひとつが「尿マーキング」。尿マーキングとは、尿によってにおい付けを行い、縄張りを主張する行動で、立ったままで尿をスプレーとして噴射します。そのため、尿マーキングは尿スプレーを言われることもあります。
この尿マーキングは特別な行動ではありませんが、猫が緊張やストレスを感じている場合には、回数や量も増加します。
猫によっては異物(食べ物でないもの)を食べるという行動でストレスを伝えることもあります。
04ストレスが関連している可能性のある症状
猫のストレスが悪化すると、行動の問題だけでなく、実際の症状として現れることもあります。
4-1泌尿器系の症状
頻尿や膀胱炎といった泌尿器系の病気は、内臓の不調などが原因となることもありますが、ストレスによって発症することがあります。
すでにご紹介したように、猫にとって尿は縄張りを主張するための重要な道具。また、尿マーキングなどを行い、縄張りをはっきりさせることで自分のストレスを軽減しようとすることがあります。
しかし、通常よりも尿の回数が増えると、腎臓や膀胱などに大きな負担がかかります。そのため、ストレスが頻尿や膀胱炎、尿石症、尿路感染症といった泌尿器系の病気につながることは珍しくありません。
4-2消化器系の症状
ストレスは胃や腸などの消化吸収器官にも大きな影響を与えます。交感神経の活性化によって血流が低下、胃腸の働きが衰えるだけでなく、胃酸が過剰に分泌されたり、唾液が不足したりということも、さらに消化器系の病気の原因になります。
もし猫に嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れた場合には、ストレスが原因となっていることがあります。
4-3心因性脱毛症
猫はストレスを感じると、皮膚にかゆみを感じて過剰なグルーミングを行うことがあります。グルーミングは猫が自分の身体をケアする行動なので、ついつい見逃しがちですが、グルーミングの回数が多すぎる場合、皮膚炎などに感染してしまうことがあります。
また、人間の場合にもストレスが原因で脱毛が起きることがありますが、猫もストレスによる心因性の脱毛症を発症することが考えられます。
4-4免疫力の低下
ストレスによって現れる様々な症状の中でも、特に注意が必要なのが免疫力の低下です。免疫は感染症などを予防するため非常に重要な存在ですが、ストレスによって免疫力が低下することで、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。
また、逆に免疫機能を調整することができなくなることでアレルギーの原因にもなります。
05猫にストレスを与えないためにできること
猫と幸せに暮らすために大切なのは、猫にできるだけストレスを与えないこと。では、どうすれば猫に与えるストレスを減らすことができるのでしょうか。
5-1生活環境を整える
猫にとって生活環境は非常に重要。猫がストレスを感じている場合には、まず生活環境を整えてあげましょう。
トイレは清潔な状態を保ち、多頭飼いの場合はそれぞれの猫に合った大きさのトイレを用意しましょう。
もちろん、トイレは毎日掃除をしてあげましょう。猫は非常にきれい好きな生き物なので、排泄物のにおいが残っているだけでもトイレを使わなくなってしまうことがあります。
また、猫は狭い場所を好むもの。そのため、休息場所は適度に狭くしてあげるのがおすすめです。もし広すぎる場合、他の猫と場所の取り合いでケンカになってしまうこともあります。
さらに猫が自由に遊べる棚やキャットタワーを用意しておくと、猫が手軽にストレスを解消することができます。
5-2飼い主や同居家族・動物と良好な関係を築く
猫は本来群れではなく一匹だけで生活する生き物。そのため、飼い主さんや同居している家族、動物などとは適切な関係を築く必要があります。
猫を多頭飼いしている場合には、それぞれの猫が落ち着いて食事を食べられる環境を整えてあげましょう。猫同士が対立することのないように、すべての猫に必要な場所を用意することも必要です。
また、猫にとって遊びの時間は非常に重要。毎日必ず一緒に遊ぶ時間を作り、猫を退屈させないようにしましょう。
ただし、構いすぎは猫にとってストレスの原因となります。一度の遊びは10分から15分を目安にして、一日に二回程度遊びの時間を取ってあげるのがよいでしょう。
5-3ストレスサインが強く出ている場合は、獣医師に相談して行動治療を行う
ストレスは軽視すると命に関わる病気にも発展することがあります。もし爪とぎや尿マーキングといったストレスサインが強く出ている行動を取る場合、出来るだけ早く獣医師などに相談して、専門的な治療を行うようにしましょう。
特に素人の場合、何が猫のストレスの原因になっているのかが分からないということもあります。
ストレスを取り除くためには、まずストレスの原因に対処することが必要。ストレスが悪化する前に専門家のアドバイスを求めましょう。
06まとめ
猫に幸せに暮らしてもらうためにも、少しでも早くストレスサインに気づいてあげることが重要です。猫の好む環境や生態を理解し、毎日猫の様子を観察してあげることが猫のストレスケアには重要です。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
岸本誠也 先生
犬友学園運営
1992年生まれ。神戸出身。大阪の動物病院、整形外科リハビリテーション科に勤務。個人ではペット服のセレクトショップやオンラインマッサージ教室を経営。愛犬のためのオンラインサロン「犬友学園」を運営。
70,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
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4-1泌尿器系の症状
頻尿や膀胱炎といった泌尿器系の病気は、内臓の不調などが原因となることもありますが、ストレスによって発症することがあります。
すでにご紹介したように、猫にとって尿は縄張りを主張するための重要な道具。また、尿マーキングなどを行い、縄張りをはっきりさせることで自分のストレスを軽減しようとすることがあります。
しかし、通常よりも尿の回数が増えると、腎臓や膀胱などに大きな負担がかかります。そのため、ストレスが頻尿や膀胱炎、尿石症、尿路感染症といった泌尿器系の病気につながることは珍しくありません。
4-2消化器系の症状
ストレスは胃や腸などの消化吸収器官にも大きな影響を与えます。交感神経の活性化によって血流が低下、胃腸の働きが衰えるだけでなく、胃酸が過剰に分泌されたり、唾液が不足したりということも、さらに消化器系の病気の原因になります。
もし猫に嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れた場合には、ストレスが原因となっていることがあります。
4-3心因性脱毛症
猫はストレスを感じると、皮膚にかゆみを感じて過剰なグルーミングを行うことがあります。グルーミングは猫が自分の身体をケアする行動なので、ついつい見逃しがちですが、グルーミングの回数が多すぎる場合、皮膚炎などに感染してしまうことがあります。
また、人間の場合にもストレスが原因で脱毛が起きることがありますが、猫もストレスによる心因性の脱毛症を発症することが考えられます。
4-4免疫力の低下
ストレスによって現れる様々な症状の中でも、特に注意が必要なのが免疫力の低下です。免疫は感染症などを予防するため非常に重要な存在ですが、ストレスによって免疫力が低下することで、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。
また、逆に免疫機能を調整することができなくなることでアレルギーの原因にもなります。
05猫にストレスを与えないためにできること
猫と幸せに暮らすために大切なのは、猫にできるだけストレスを与えないこと。では、どうすれば猫に与えるストレスを減らすことができるのでしょうか。
5-1生活環境を整える
猫にとって生活環境は非常に重要。猫がストレスを感じている場合には、まず生活環境を整えてあげましょう。
トイレは清潔な状態を保ち、多頭飼いの場合はそれぞれの猫に合った大きさのトイレを用意しましょう。
もちろん、トイレは毎日掃除をしてあげましょう。猫は非常にきれい好きな生き物なので、排泄物のにおいが残っているだけでもトイレを使わなくなってしまうことがあります。
また、猫は狭い場所を好むもの。そのため、休息場所は適度に狭くしてあげるのがおすすめです。もし広すぎる場合、他の猫と場所の取り合いでケンカになってしまうこともあります。
さらに猫が自由に遊べる棚やキャットタワーを用意しておくと、猫が手軽にストレスを解消することができます。
5-2飼い主や同居家族・動物と良好な関係を築く
猫は本来群れではなく一匹だけで生活する生き物。そのため、飼い主さんや同居している家族、動物などとは適切な関係を築く必要があります。
猫を多頭飼いしている場合には、それぞれの猫が落ち着いて食事を食べられる環境を整えてあげましょう。猫同士が対立することのないように、すべての猫に必要な場所を用意することも必要です。
また、猫にとって遊びの時間は非常に重要。毎日必ず一緒に遊ぶ時間を作り、猫を退屈させないようにしましょう。
ただし、構いすぎは猫にとってストレスの原因となります。一度の遊びは10分から15分を目安にして、一日に二回程度遊びの時間を取ってあげるのがよいでしょう。
5-3ストレスサインが強く出ている場合は、獣医師に相談して行動治療を行う
ストレスは軽視すると命に関わる病気にも発展することがあります。もし爪とぎや尿マーキングといったストレスサインが強く出ている行動を取る場合、出来るだけ早く獣医師などに相談して、専門的な治療を行うようにしましょう。
特に素人の場合、何が猫のストレスの原因になっているのかが分からないということもあります。
ストレスを取り除くためには、まずストレスの原因に対処することが必要。ストレスが悪化する前に専門家のアドバイスを求めましょう。
06まとめ
猫に幸せに暮らしてもらうためにも、少しでも早くストレスサインに気づいてあげることが重要です。猫の好む環境や生態を理解し、毎日猫の様子を観察してあげることが猫のストレスケアには重要です。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
岸本誠也 先生
犬友学園運営
1992年生まれ。神戸出身。大阪の動物病院、整形外科リハビリテーション科に勤務。個人ではペット服のセレクトショップやオンラインマッサージ教室を経営。愛犬のためのオンラインサロン「犬友学園」を運営。
70,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
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5-1生活環境を整える
猫にとって生活環境は非常に重要。猫がストレスを感じている場合には、まず生活環境を整えてあげましょう。
トイレは清潔な状態を保ち、多頭飼いの場合はそれぞれの猫に合った大きさのトイレを用意しましょう。
もちろん、トイレは毎日掃除をしてあげましょう。猫は非常にきれい好きな生き物なので、排泄物のにおいが残っているだけでもトイレを使わなくなってしまうことがあります。
また、猫は狭い場所を好むもの。そのため、休息場所は適度に狭くしてあげるのがおすすめです。もし広すぎる場合、他の猫と場所の取り合いでケンカになってしまうこともあります。
さらに猫が自由に遊べる棚やキャットタワーを用意しておくと、猫が手軽にストレスを解消することができます。
5-2飼い主や同居家族・動物と良好な関係を築く
猫は本来群れではなく一匹だけで生活する生き物。そのため、飼い主さんや同居している家族、動物などとは適切な関係を築く必要があります。
猫を多頭飼いしている場合には、それぞれの猫が落ち着いて食事を食べられる環境を整えてあげましょう。猫同士が対立することのないように、すべての猫に必要な場所を用意することも必要です。
また、猫にとって遊びの時間は非常に重要。毎日必ず一緒に遊ぶ時間を作り、猫を退屈させないようにしましょう。
ただし、構いすぎは猫にとってストレスの原因となります。一度の遊びは10分から15分を目安にして、一日に二回程度遊びの時間を取ってあげるのがよいでしょう。
5-3ストレスサインが強く出ている場合は、獣医師に相談して行動治療を行う
ストレスは軽視すると命に関わる病気にも発展することがあります。もし爪とぎや尿マーキングといったストレスサインが強く出ている行動を取る場合、出来るだけ早く獣医師などに相談して、専門的な治療を行うようにしましょう。
特に素人の場合、何が猫のストレスの原因になっているのかが分からないということもあります。
ストレスを取り除くためには、まずストレスの原因に対処することが必要。ストレスが悪化する前に専門家のアドバイスを求めましょう。