奥が深い!発酵と醸造の基本知識について

奥が深い!発酵と醸造の基本知識について

日本人の食卓に欠かせない醤油や味噌、お酢、日本酒。これらの調味料や食品は、発酵と醸造によって作られています。それでは、この醸造というのはどのようなものなのでしょうか。発酵とはどんな関係があるのでしょうか。今回は発酵と醸造の基本的な知識についてご紹介します。

醸造とは?

「醸造」という言葉を聞いたことがある方は多いはず。しかし、醸造についてきちんと説明できる人は少ないかもしれません。醸造とはどのような現象のことを指すのでしょうか。

発酵を利用してアルコール類や食品を製造すること

「醸造」とは簡単に言えば、発酵の作用を利用してアルコール類やその他の食品、調味料を作ることを指しています。

発酵は微生物やカビなどを利用して食材を変化させ、風味や保存性を高めるもので、人類の食生活を支えてきたもの。この醸造を人間の知識や技術、経験によってコントロールしながら行うことが醸造と呼ばれているものです。

アルコール発酵させて作ったものを醸造酒という

醸造というと、「お酒造り」を思い浮かべる人も多いかもしれません。

アルコールを作るときにも、発酵が重要な役割を果たしますが、この発酵によって作られたお酒は「醸造酒」と呼ばれています。

代表的な醸造酒がワインやビール、日本酒と言ったもの。

この醸造酒にはアルコール度数には限りがあり、基本的に20度程度だと言われています。

なお、この醸造酒を加熱、蒸留して作られるのが「蒸留酒」、醸造酒と蒸留酒を合わせて作られるのが「混合酒」で、これら三種類のアルコールがお酒のほとんどを占めています。

発酵と醸造の違い

醸造は人工的に発酵を起こし、それを適切に管理するもの。しかし、発酵と醸造にはさらに別の違いもあります。

発酵は単一化合物を生産する

発酵は微生物の働きによって、食材に対して人間にとって有益な変化を起こすものです。このとき、発酵によって生まれるのが単一化合物と呼ばれるもの。

発酵にはアルコール発酵やアミノ酸発酵、ビタミン発酵など様々な種類があり、それらの種類ごとに、アルコールやアミノ酸、ビタミンなどが生まれます。

つまり、よりくわしく言えば、発酵はこれらひとつの物を生み出す働きということになります。

醸造は微生物の代謝生産物そのものを指す

一方、醸造はお酒の醸造や味噌の醸造、醤油の醸造などといった使い方をされるのが一般的。言い換えれば、醸造はアルコールやアミノ酸などの単一の化合物を生み出すのではなく、味噌や醤油といったものを生み出すという行為を指しています。

そのため、醸造は広くとらえれば、微生物が食品を発酵させたことによって生まれる代謝生産物そのものを指すということになります。

醸造例

日本の調味料に使われる味噌や醤油には醸造は欠かせないもの。では、それぞれの調味料を作るときにはどのような醸造が行われるのでしょうか。

味噌

味噌汁は日本の食卓を代表する存在ですが、その味噌も醸造によって作られる調味料です。

味噌づくりに必要なのは、大豆と塩、そして発酵のもととなる麹菌です。麹菌は麹を作るために必要な微生物で、米や麦、大豆などに付着して繁殖するもの。麹菌はでんぷんやたんぱく質を分解する酵素を生産、味噌の原料となる大豆の成分を分解して、アミノ酸をはじめとする新しい成分に作り替えます。味噌が非常に複雑な味と香りを持っているのは、この麹菌の働きによるもの。さらに味噌は熟成を経て、より深みのある味へと変化していきます。

なお、味噌には米みそや麦みそといった種類がありますが、これは使用されている麹菌の違いによるもの。同じ麹菌でも種類によって味が異なり、日本ではその土地の気候や風土に合った様々な味噌が作られています。

醤油

醤油も味噌と同様、麹菌の発酵によって生まれる調味料です。醤油の原料となるのも味噌と同じ大豆、そして小麦。これらの原料に麹菌を加えて、麹が作られます。

さらにこの麹に塩と水を加えて発酵させることで、もろみという醤油の原料が作られます。

このもろみはタンクなどの中で熟成、より深い味わいへと変化していきます。さらにこの段階でも発酵が行われ、大豆のたんぱく質や小麦のでんぷんが麹菌の働きによって分解、うま味が豊富な醤油の味の元となります。

清酒

清酒は蒸した米と米麹、水が原料になります。蒸した米に水と麹を加えることで「アルコール発酵」が行われます。アルコール発酵は米の糖分が麹の働きでアルコールに変化すること。もともと、原料となる米には当分は含まれていませんが、そこに麹を加えることで酵素が反応、米のでんぷんがブドウ糖に変化する糖化が起こります。

さらに糖化したブドウ糖に酵母が作用、その結果アルコールが生まれます。

食酢

意外に思えるかもしれませんが、実は食酢も発酵食品の一種です。食酢の醸造に使われるのが酢酸菌。酢酸菌は発酵によって酢酸を作りだす菌で、米などの原料を食酢に変える働きがあります。

食酢の醸造には、ツボなどの容器に酢酸菌を仕込んで行う静置発酵という方法と、タンクの中に発酵菌を入れて空気を送り込みながら発酵を行う通気発酵などの方法があります。

静置発酵は通気発酵に比べて長い期間が必要になりますが、熟成を行うことでよりまろやかな食酢になると言われています。

醸造酒の種類と発酵方式

醸造によって作られる飲料の代表と言えるのがお酒。このお酒には発酵の方法によって三つの種類に分けることができます。

単発酵酒

お酒の材料には様々なものが用いられますが、果実酒などの場合、原料になる果実にはすでに糖分が含まれています。この糖分に酵母を加えることで発酵が行われ、アルコールが生まれます。

この方法で作られるお酒は「単発酵酒」と呼ばれるもので、ワインなどが代表的な存在です。

単行複発酵酒

お酒の原料に果実など糖分が含まれている場合、そこに酵母を加えるだけでアルコール発酵が開始されますが、もし麦など糖分が含まれていない原料の場合、まず麦に含まれるでんぷんを糖へと変換する糖化という工程が必要になります。

この過程が必要になるのがビールに代表される「単行複発酵酒」と呼ばれるお酒です。ビールの場合、まず原料となる大麦を発芽させ、麦芽を作ります。その麦芽に水とホップが加わったものが麦汁と呼ばれるもの。

ここに酵母が食わることで、初めて発酵が行われます。

並行複発酵酒

三つ目のお酒の作り方が、「並行複発酵酒」という方法です。並行複発酵酒もビールと同じように、糖分を含んでいない原料でアルコールを作るときに用いられるもの。

この並行複発酵酒で作られるお酒の代表が日本酒です。

ビールの場合、原料を一度加工、糖分を作ってから酵母菌を加えますが、並行複発酵酒の場合には、ひとつの工程で糖分とアルコールを生み出すのが特徴。

日本酒では、蒸した米が原料になりますが、ここにまず麹菌を加えることで蒸した米が麹という糖分を持った状態になります。さらにそこで酵母を加えることでアルコール発酵が始まり、日本酒が作られます。

このように糖化とアルコール発酵を同時に行うお酒の作り方は世界でも非常に稀な方法。こういった独自の工夫が日本酒独特の味や香りを生み出すもととなっています。

まとめ

味噌や醤油、食酢、日本酒など、発酵も醸造も日本人の食卓にとって必要不可欠な存在。最初は難しく感じるかもしれませんが、よりくわしく知識を学ぶことで、毎日の食事がもっと楽しみになるかもしれませんね。

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