どんな種類があるの?発酵における微生物の働きと種類

どんな種類があるの?発酵における微生物の働きと種類

健康に様々な効果を持っている発酵食品。そんな発酵食品に欠かせないのが微生物です。食品を発酵させるときには様々な微生物が働いているもの。今回は発酵における微生物の働きや、発酵食品によって異なる微生物の種類についてご紹介します。

発酵食品と微生物

発酵食品と微生物には切っても切れない縁があります。そもそも発酵食品と微生物はどのような関係にあるのでしょうか。

微生物とは?

微生物とは、目に見えないほど微細な生き物を指しています。微生物のほとんどは1ミリ以下のサイズで、その中には細菌やウイルス、アメーバやゾウリムシなどの原生生物が含まれています。

微生物の中には、1ミリの1000分の1という非常に小さなものもあり、多くは肉眼では判別できず、実際に目で見るためには顕微鏡が必要になります。

発酵とは?

カビや細菌、ウイルスなどと聞くと、「病気」をイメージする方も少なくないかもしれません。実際に、ノロウイルスやインフルエンザなどは人間の身体に害を及ぼすもの。また、カビや細菌などによって、食材が傷んでしまい、お腹を壊したり体調を崩したりといった経験がある方も多いものです。

では発酵にとって微生物が必要だというのはどういうことなのでしょうか。

実は食品が傷んでしまう「腐敗」と、微生物によって起きる「発酵」は、仕組みとしてはほぼ同じものです。

微生物は食品に含まれるたんぱく質や糖分をエサにして生きていますが、このエサとなる栄養素を取り入れると、それを別の物質に作り替えるという特徴があります。

このとき、人間の身体にとって悪い影響が生まれる物質ができるという変化が「腐敗」と呼ばれるもの。腐敗によって生まれた物質を摂取すると、お腹を壊す、吐いてしまう、熱が出るといった症状が現れます。

しかし、微生物によって人間にとって有益なものが生まれることもあります。

実はこれが「発酵」と呼ばれる現象です。微生物によって食べ物の成分が分解され、そのときに生まれた成分に栄養素や食品を長持ちさせる効果などが含まれている場合、その変化は「発酵」と呼ばれるようになります。

発酵における3種類の微生物

といっても、すべての微生物が食品を発酵させるわけではありません。発酵食品を作ってくれる微生物は、大きく「カビ」「酵母」「細菌」の三つに分けることができます。

「カビ」は菌類の一種ですが、菌糸と呼ばれる細長い細胞を持っています。食品にカビが生えた場合、目で見ることができますが、実はそれはカビの菌糸が絡み合った集合体です。

カビには様々な種類があり、その中には食品を発酵させ、人間の役に立つものも含まれています。一方の酵母は、単細胞で様々な形を持っているもの。カビのように多くが集まるのではなく、母細胞が大きくなることで成長します。やがて成長した酵母は分裂、さらに増殖していきます。

酵母もカビと同じように様々な種類があり、パンの発酵、ビールやワインなどのお酒造りに使用されます。

最後の「細菌」にも様々な種類があり、中には人間の身体に害をもたらすものもあります。その反面、食品の発酵に有益な細菌も少なくありません。

中でも、発酵に役立つのが麹菌、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌の5つの細菌。これらの細菌は多くの発酵食品づくりに活用されています。

麹菌

発酵に使われる菌の代表的な存在が麹菌です。麹菌は特に日本では多くの発酵食品で使用される菌で、日本の「国菌」とも呼ばれています。

米を原料とすれば米麹、大豆ならば大豆麹

麹菌はカビの一種で、日本の環境でしか育たないと言われています。カビといえば、食品を腐敗させる原因になりますが、麹菌は毒を出さないカビ。そのため、麹菌が付着しても人間の害になることはありません。

麹菌は自然界に多く存在する菌で、米を原料とすれば米麹、大豆なら大豆麹、麦の場合には麦麹など、様々な形で作られています。

味噌、醤油などをつくる

麹菌は味噌や醤油など、日本の代表的な調味料を作るときに使用される菌。ちなみに、味噌には米味噌や麦みそなど様々な種類がありますが、これは味噌を発酵させるときに使われる麹の種類の違いによるもの。

麹菌は米や麦、大豆の成分を分解、その際にプロテアーゼやアミラーゼといった酵素を使用しますが、この酵素が甘味や旨みの元となります。

酵母菌

麹菌と並んで、発酵食品を作るときに多く使用されるのが酵母菌です。酵母菌は特にお酒造りで使用されます。

糖をアルコールと炭酸ガスに変える

酵母菌の特徴は、糖をアルコールと炭酸ガスに変えるということ。酵母菌は糖を主なエサにして生息している微生物で、糖分を分解するとき、アルコールと炭酸ガスを発生させます。

この酵母菌は人類の歴史に深く関わっている菌で、紀元前5000年ごろには酵母菌を利用してアルコールを作る技術が生まれていたとも言われています。酵母菌は自然界にもともと存在する菌で、植物や土、空気中にも含まれていました。そのため、最初のお酒は土の上に落ちた果実が発酵することで生まれたとも言われています。

このように酵母菌はアルコールを作るときには欠かせないものですが、実は作るお酒によって、使用される酵母は異なります。また、酵母菌は糖を分解するときにアルコールと炭酸ガスを生み出しますが、この炭酸ガスを逃がさないようにすると発泡性のお酒を造ることができます。

パン作りなど

酵母菌はお酒造りだけに使われるわけではありません。味噌や醤油を作るときにも酵母菌は使用されます。

また、酵母菌が欠かせないものといえばパン作り。パンをふっくらと膨らますイーストも、実は酵母菌の一種です。

乳酸菌

健康によい最近といえば真っ先に「乳酸菌」を思い浮かべる人も多いかもしれません。乳酸菌も多くの発酵食品に使用されています。

動物性乳酸菌、植物性乳酸菌に分けられる

乳酸菌は動物性乳酸菌と植物性乳酸菌に分けることができます。動物性の乳酸菌は、主に動物の乳に生息しているますが、チーズやヨーグルトができるのもこの動物性の乳酸菌の働きによるもの。

一方の植物性の乳酸菌は、野菜や果物などの植物に生息しています。植物性の乳酸菌には、酸や塩に対する耐性が強く、他の菌類との共存力も強いなどの特徴があります。

ビフィズス菌、ヤクルト菌など

身体によい菌というと、ビフィズス菌やヤクルト菌などが有名ですが、これらの菌も実は乳酸菌の一種です。

乳酸菌は糖を分解して乳酸を作る働きがありますが、人間の体内に入ると、腸内の善玉菌を活性化、腸内環境と整える役に立ちます。

納豆菌

日本の発酵食品を代表するものといえば納豆。納豆づくりには納豆菌が欠かせない存在です。

稲わらにすみ、大豆を納豆に変える

納豆菌は枯草菌の一種で、麦わらや枯草、落ち葉などに存在する菌類です。

納豆はもともとは蒸した大豆を麦わらで包んで保存していたことで生まれた食品と言われていますが、これは麦わらに付着していた納豆菌の働きによるものです。

ナットウキナーゼには健康増進効果がある

納豆菌は大豆の成分を分解、その際にナットウキナーゼやビタミンKといった物質を生み出します。

ナットウキナーゼは腸内環境を整え血行を促進、ビタミンKは骨を丈夫にするといった健康増進の効果があります。

酢酸菌

食酢を作るときにも、菌類は活躍しています。そのときに働くのが酢酸菌です。

酢をつくる菌

食酢の原料となるのはアルコールです。アルコールは米に麹を加えて作られますが、そのときに生まれるもろみに酢酸菌を加えると、菌が発酵、アルコールが食酢になります。

米酢、リンゴ酢、ワインビネガーなど

酢酸菌は自然界に存在する常在菌で、花の蜜などから採取することも可能。この酢酸菌を米に加えると米酢、リンゴに加えるとリンゴ酢、ワインに加えるとワインビネガーなど、様々なバリエーションの食酢を作ることができます。

まとめ

発酵に欠かせない存在の微生物。ここで紹介したもの以外にも、様々な微生物が発酵に関わっています。興味が出てきた方は、さらに発酵の奥深い世界について学んでみてはいかがでしょうか。

少しでも気になったら… 無料資料請求!!
人気の通信教育
更に今ならっ!!
資料請求された方全員に
通信講座徹底ガイド本
もれなくプレゼント!!
通信講座の資料
ページトップへ